優秀で鬼のように厳しい副会長は実はツンデレな女の子 13

……海が綺麗だぜ
船もあるじゃねぇか…
あのピラミッドみたいな建物はなんだ?

ところで…

ここどこだよ?

〜ーーーーー

○○:行けない?
蓮加:…ほんとごめん

ホテルの喫茶店に入り蓮加とデートの話をしたのだが…

蓮加:同級生がさ、みんなで行こうて誘われて…あんまりそんなことなかったから…
○○:いいことじゃねぇか、蓮加怖がられてたのに
蓮加:うん…だから引き受けて
○○:2日目は?
蓮加:生徒会みんなで回ろうってなったの…3年生の先輩方と思い出作ろうって
○○:なるほど〜めっちゃ大事だな
蓮加:…両方大事だから…ごめんね
○○:3日目は?
蓮加:…4日目の帰りの生徒誘導とかの打ち合わせが午前中にあるだけ…
○○:なら3日目の午後な、また連絡する
蓮加:…怒ってない?
○○:ばーか、惚れた女の大事なことまで口出すか、楽しめよ

○○が立ち去った後、蓮加は顔を真っ赤にしてジュースのないグラスをストローですすってた

ーーーーーーーーーー

それが前日、今日は修学旅行一日目

そしてさっそく迷った
おまけにホテルにスマホ忘れた
さらに金もない、全部電子マネー

「…こりゃ困ったね」

なんせ土地勘がない
わかるのは海と建物が沢山ある場所

だからどこだよ…
適当に動くか
全日程自由行動なので制服でも私服でも自由
俺は私服にした

…まあクソ親父の息子には見えねぇな、どこかのラッパーだわ

…音楽?
歩いてると路上で女の子達が学校の制服着て歌って踊ってる
なんだ、ありゃ…路上ライブか?

しかし行きずらい
誰も見てないし足も止めてない
この状況じゃ見たくても見れないわな

でもよ…動きバラバラだし歌も上手いとは言えない
けど汗かきながら一生懸命じゃねえか

曲が終わったあと「ありがとうございました!」と誰もいない観客に頭を下げる

パチパチパチ…

俺が拍手すると女子高生5人が一斉に来た
な、なんだ?

??「見てたんですか!」

背の高い女の子が勢よいよく聞いてきた

??「嬉しいです!ありがとうございます!」

笑顔かまぶしい純粋な目で見てくる子

「途中からで偶然でもよかったです」

なんか皮肉なこと言うけど顔が笑顔な子

「どうやった?よかったですか?」

めっちゃ声かわいいのに金髪な子

「本当にありがとうごじゃいましゅ!」

…噛み噛みだな、でも汗かいて爽やかな子

…ごめん、頭入らない…いっぺんに言うな

○○:学校内アイドル同好会?
美波:せやねん、学校でなアイドルユニット作ってアイドル活動してんの
陽子:週末はここで活動してます!
美玲:けどさ〜ぜっんぜっん人来ないっ!
増本:なんでですかね?
井上:全然わかりましぇん!

○○:いやだってあんたらアイドルとして欠けてるものだらけじゃね?
美玲:はぁぁ?!
井上:初めてあった人に!
美波:は?じゃあ言うてみ?うちら欠けてるもの
○○:あのさ…何を売りにしてんの?おたくら
増本:なんですか?
○○:いや俺が聞いてんの
陽子:そういうのないとだめなんですか?
○○:はぁ…そこからかよ…あのな…

何を売りにしてるのかコンセプトを決めること、だれに向けてるのか、分かりやすく伝える
…会社経営の帝王学とやらを女子高生に教えるとはね

井上:なるほど…深いですね
○○:ただやってたって誰もみねぇからさ

井上って子以外まだ考えてる…まあこの子に伝わりゃいいか

あ、駅聞こう

○○:あのさ、近くに駅ねぇかな?場所わからなくて
美波:駅?ここやと元町やな、歩いてだいたい10分ぐらいやね
○○:わかった、行くわありがとう
美玲:君、どこまで帰るん?地元の人じゃないよね?
○○:俺?東京からだけどちっともわからねぇ
だいたいここどこだよ
陽子:メリケンパークですよ
○○:メリケン?どこ?
井上:どこいわれても…ねえ
増本:どうやってここまで来たんですか?
○○:それがよ…

朝、生徒全員でバスに乗ったのは覚えている
ただすぐ車内で寝てしまい熟睡
誰かに起こされ目的地に降りたがほとんど寝ていて寝ぼけてフラフラさまよってたら迷っていた

○○:とまあそんなところだ
井上:全然焦ってない…
美波:修学旅行やったとしても…
美玲:あ!スマホは?
○○:あったら迷子にはなってねぇよ
増本:まあ駅まで行けば電車に乗れます
○○:電子マネー主義だから金もねぇよ
陽子:じゃ、じゃあどうやって帰るんですか!
○○:そりゃ歩くか走ればいいだろ
美波:…ちなみにホテルどこ?
○○:…確か尼崎?だったかな?

一同:あまがさきぃーーー!?

○○:え?なに?
美玲:え?なにじゃない!めっちゃ遠いから!
陽子:歩いたらいつ帰れるかわかりません!
○○:あちゃ〜困ったな、18時にはチェックアウトなんだがな
井上:いやいや!絶対無理!
増本:馬鹿ですねこの人

とりあえず元町駅とやら歩いて向かう
5人と別れようとしたが心配だからと案内してくれた

美波:お金貸すから乗り?それなら間に合うから
美玲:私も貸す!
○○:お断り、金の貸し借りはよっぽどじゃなきゃ借りないし貸さない
井上:いや今よっぽどの時やろ
○○:なんとかなるって
増本:馬鹿に能天気…
陽子:なにか手はあるんですか?
○○:さあ…どうだかね〜

この子なんや…学年聞いたら2年てみいより下やん
なのに焦りもしないし、飄々としとる…
知らない土地でなんで余裕あるん?不思議やわ…

井上:ここだよ元町駅
○○:おっ、サンキュー助かったぜ
増本:本当に歩くんですか?
○○:最悪な、ま、なんとかなるさ
美玲:ならないから!もう!
美波:ほんまにお金貸すから!意地はらんと行き!
○○:……あんたら、いいヤツらだな
陽子:……え?

○○:なんで見ず知らずの怪しい修学旅行生にそんな親切なんだ?
美波:当たり前やろ、困ってる人助けるのが人情やろ
美玲:困ってる人に助ける理由いる?
陽子:こんな状況で見捨てないです!
増本:お馬鹿さんだからこそ優しくします
井上:身も知らない私達にも色々おしえてくれた、お互い様でしょ

……暑苦しい奴らだぜ
だが、嫌いじゃないよ俺は

駅前のロータリーに黒い車が○○達の前に止まる
助手席から降りてきたのはスラリとした長身
明るい色の長い髪

陽子:うわぁ…
井上:美人だ…

??:やっと見つけた…どこにいたかと思えば…
○○:え?俺探してくれてたんすか

「梅澤先輩」

梅澤:……相変わらず呑気ね…あなたいなくて大騒ぎよ
○○:そりゃすんません…あの車は?
梅澤:ホテルの方に無理言ってお借りしたの、時間がないから早く乗って
○○:ちょっと待ってもらっていいすか?

俺は5人組の元へ行く

○○:ありがとうよ、なんとかなったぜ
美玲:…なんか頭おいつかないけど良かった!
井上:もう迷子になっちゃだめだよ
陽子:はぁ…本当に心配しました!
増本:…お迎えが美人とかずるいです
美波:…こちらこそありがとうな……色々アドバイスくれて…うちらめげずに頑張るから

5人組は引き締まった顔になる

○○:…なあ、連絡先交換しね?あんたらの活動気になるしアドバイスぐらいできるぜ
美波:そういうことなら…

5人組の連絡先を受け取る

○○:じゃな!本当にありがとうよ!あ……あんたらの高校は?

美玲:私たちはね……


………………
○○:できすぎじゃね?出会った5人組がね
??:…迷子になるのはやめてくださいな、有意義な休息が台無しですわ
○○:わりぃな、車まで出させて

「あやめ」

あやめ:…ま、いいですわ…ただ気をつけてくださいね
○○:分かってるよ…サンキューなGPSつけてくれたんだろ?

「美波」

美波:はい…もちろんです
○○:しかし驚いたな……あいつらが…


井上:うそ…あの人…
小池:飛鳥馬○○(あすま)…ナーハフォルガー学園の…

○○:ナーハフォルガー学園関西分校の生徒とはね

陽子:…飛鳥馬グループの…御曹司…

5人組:ええええっ!?

続く…

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