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もしもあの子がとんでもない性格のあの子でメンバーにいたら…という世界線のお話 第8話

……やばい緊張する

当たり前だ……とうとうあの人に会える

齋藤飛鳥さんに…


今僕は目立たないように乃木坂の控え室の前にいる
時々乃木坂のメンバーが通るが見つからないようにしてる

美月さんが控え室に入り飛鳥さんを呼ぶ手筈になっている

しかし…なかなか来ない

もう10分ぐらい経っている
ちょうど美月さんが現れたが飛鳥さんはいない

美月さんは暗い表情しこちらに来る

美月:ごめん…○○くん
○○:どうしたんですか?
美月:それが…

……………………

飛鳥:……その話があの少年の悩み?
美月:はい…彼…普段は日向坂のメンバーの悩み聞いても解決しちゃうんですけど、今の話複雑で彼にも解決できないみたいで……
飛鳥:それで私に相談に来たいと
美月:はい…お願いします

私は頭を下げた
彼の姉の友達だけど○○くんは私にとっては弟みたいな存在で……

今尚現在進行形の初恋の相手

だから助けたい…
でも飛鳥さんは……

飛鳥:断る
美月:なんでですか…昔、○○くん助けたじゃないですか
飛鳥:…あのね、昔と今…立場や状況がまるで違う
お前さ、冷静になれ
美月:…私は冷静です、だから…
飛鳥:少年は今、職業はなんだ…アイドルのマネージャーだろ、もう学生じゃない…少年は救わなきゃいけない立場だよ、アイドルがマネージャーにアドバイスいちいちしてたら頼りっぱなしになる
美月:飛鳥さん…
飛鳥:それにさ、私乃木坂だし日向坂の事は日向坂で解決しなって…私じゃないよ
美月:わかりました…すみません
飛鳥:やま…
美月:はい
飛鳥:…灯台下暗し
美月:え?なんですか…
飛鳥:なんでもないよ

私の顔をじっと表情を変えず見る飛鳥さん
…何を考えてるか分からなかった

………………

美月:…飛鳥さんの言うことはわかるけど…ちょっと冷たいかなって思った…
○○:いや、飛鳥さんの言う通りですよ
美月:え?
○○:今僕は日向坂のマネージャーで救う番です、飛鳥さんにすがっちゃダメですね

さっきと違い、顔つきが変わった
いつもの…私が大好きな顔になってる
けど…

悔しいな…飛鳥さんの言葉ってすごい

○○:美月さん
美月:あ!美月呼び!昔に戻った!嬉しい♡♡
○○:あ、あの…廊下で抱きつかないでください…
美月:あ、ごめ〜ん♡
○○:それより…灯台下暗しって言ったんですよね?最後に飛鳥さんは
美月:うん、なんの事かわからなくて
○○:…灯台下暗し?ことわざ…意味…
美月: 人は身近なことには案外気付かないとかって意味じゃなかったけ?

身近?僕の身近にこの難解な問題を解ける人がいるってことですか…飛鳥さん

でもそんな人…

あ…もしかしたら

○○:美月さん、わかりましたよ
美月:マジ?
○○:はい、身近にいましたよ…日向坂…いや…坂道グループ最強かもしれない…

『賢者がね』

美月:賢者?誰?


美月さんは時間もまだあるからと引き続き、着いてきた
ここまで一緒にいてくれて飛鳥さんにも掛け合ってくれたのだから、さすがに断らなかった

今いるところはスタジオ奥の倉庫
使われてないから人も来ない
あの人にはLINEで呼び出した

??:お〜い?○○さーん!

やたら陽気でバカでかい声で呼んできた

○○:いやあの、ここにいますから…
??:あ、ほんとだ、ごめんごめん!
美月:あ、あの子って…
○○:…日向坂の最終兵器にして日向坂の賢者ですよ

『影山優佳さん』

日向坂の頭脳…そう言っても過言ではないいわゆる天才
なんでアイドルやってるの?と思うぐらいの博識の広さ
この人も裏表はなく、普段も陽気な人だ

優佳:あれ?山下さんもいる、こんちゃ!
美月:こ、こんにちは
○○:あの…相談したいことがありまして…
優佳:相談?
○○:はい、あの…

美玲さんと小坂さんの話をした
無論名前は伏せたのだが…

優佳:…それさ、みーぱんとこさかなでしょ
○○:え?知ってたんですか?
優佳:んにゃ、知らないよ
美月:知らないのになんでわかったの?
優佳:簡単ですよ、消去法…つまりメンバー同士で気まづくしてる人、話もしない人そこを絞る
そうすれば分かりますって
○○:いや…分からなかったです
優佳:上辺だけ見てたらわからないよ、メンバー同士いる時間長いんだからわかるよ
美月:……確かにそれはあるかも
○○:なるほど…で、どうしたらいいと思います?

影山さんに答えを聞いたが……

優佳:ほっとけば?

あっけらかんと答えた
美月さんは何を言っていいかわからず呆然としてる

○○:いやそんな無責任な…
優佳:あのね、最後かもしれない楽しい人生が来たんだよ?んな、若いカップルが結婚したわけじゃあるまいし、なにを悩むのさ
○○:でも複雑でしょ…メンバーのお義父さんと…

優佳:菜緒は義妹に迎えられてお義母さんは結婚するから複雑〜て、ただ乳離れできない子供と一緒
みーぱんのわがままだよ

……反論出来なかった…
影山さんの言う通りかもしれない
しかし…切れ味鋭い…

美月:……寂しいのかな?育ててくれたお義母さんでありおばあちゃんが他の人に行くの
優佳:それもありますね、ただ私が言いたいのはお互いのご両親は最後の恋かもしれないんだから、見守ることだと思いますよ
○○:……だからほっとけってことなんですね

優佳:そうそう、もうさ、いいご年齢なんだからお互いわかってるっしょ
本当の親同然に育ててくれたなら好きにさせなって
まだまだみーぱんは甘いな〜

むふふと笑う影山さん
……人生相談もできるのね

優佳:あとはみーぱんと菜緒がちゃんと話し合えばみーぱんの気持ちだって固まるよ
んで、親御さんともね
○○:確かに……
美月:(…もしかして飛鳥さんも同じ事考えてたのかな…)
○○:…でもやっぱり…このまま黙ってはいられないです…サポートぐらいはせめて…
優佳:んじゃ、菜緒と話な?ああ見えてみーぱんに遠慮してるから背中押してあげな、○○さんとラブラブなんでしょ〜?♡
○○:え…ええっ!?ち、ちがいますよ!
美月:…ほぉ?小坂菜緒ちゃんとラブラブなんだぁ〜

美月さんは笑顔だが目が笑ってない…
影山さんはそれを見てニヤニヤしてるし…

○○:と、とりあえず小坂さんと話します!決心しました!美月さん、影山さんありがとうございました!では!

優佳:…あ、逃げた
美月:影山さん…
優佳:なんすか〜?
美月:…○○くんは日向坂のメンバーにモテててるのかな〜?教えてほしいな?
優佳:いいですよ?その代わり貸し付きますよ?
美月:全然構わない!
優佳:(この人もわかりやすいな〜)

そんな出来事があったのち収録が再開される
美月さんも乃木坂の控え室に戻ったみたいだ

長い待機時間を経てようやく収録は終わる
帰る頃には遅い時間になった
…でも小坂さんには一言言わなきゃ…

○○:小坂さん
菜緒:ん?ジャーマネどうしたの?
○○:…美玲さんと小坂さんの事聞いたよ
菜緒:うん
○○:美玲さんが親御さんの再婚に色々考えてて…だから…
菜緒:ジャーマネ
○○:え?
菜緒:…大丈夫、菜緒もそれは気づいてたしあえてみーぱんさんと距離開けてたんよ、お互い考える時間必要かなって
○○:小坂さん…

僕に近づいてニッコリ微笑む

菜緒:心配してくれてありがとう
○○:…君たちのマネージャーだからね、助けたいって思うよ
菜緒:まったく〜ジャーマネは人の心配しすぎなんよ
大丈夫、ここからは菜緒とみーぱんさんとで話すから
○○:…わかった
菜緒:…ジャーマネ

小坂さんは…僕を優しく抱きしめた

○○:…えっ?こ、小坂さん…
菜緒:…あざっす

そう言って離れた
今のは…

菜緒:じゃ、さっそく行ってくるね!

ありがとう、ちょっと私も躊躇してた
…ジャーマネと話せて…勇気もらった
パワーもらったし、ちゃんと話すよ…○○さん

……………

飛鳥:ふ〜ん、解決したんだ
美月:はい、小坂菜緒ちゃんと佐々木美玲ちゃんとで話し合いして佐々木美玲ちゃん、決心ついたって
飛鳥:…そっか
美月:飛鳥さん、なんだかんだ言って優しいですよね〜?
飛鳥:は?なにが?
美月:またまた〜♡惚けちゃって♡ヒントくれたじゃないですか、灯台もと暗しって
飛鳥:…覚えてない
美月:んもぉ♡飛鳥さんほんとに素直じゃないですね、○○くん心配だったくせに♡
飛鳥:…やま、マジ黙れ
美月:はぁ〜い、だまりま〜す♡
飛鳥:…絶対舐めてるよね?私の事

ま、解決したならよかった
まだ私が力を貸す時でも会う時でもない
…本当にだめな時…

飛鳥ちゃんが君に会いに行くからな

頑張れ、少年


……………………………

○○:え?
美穂:いよいよですの?
美玖:うちらも協力するよ
陽菜:やりましょー
ひなの:……やる

菜緒:お待たせ!いよいよデート計画やんよ!


しかし、このデート計画ではたまた一波乱起きるとは想像しなかった…


続く……


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