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【不思議な話】「見知らぬ案内人」「グイン・サーガの新刊」

本日は、久しぶりに『不思議な話』を書きたいと思います。
今回は、わたし自身の二つの体験についてのお話です。
二つの話につながりはありません。ただ、同時に思い出したので、忘れないうちに、どちらも書いておこうと考えました。

見知らぬ案内人

まずは一つ目、知らない人に助けられた話です。
これは、わたしが20代のころの出来事です。
当時わたしは大阪で働いていて、ある時、日が落ちてから奈良に住む叔母の元に電車で出かけました。
路線は直通ではなく、途中で一度乗り換えの必要がありました。ただ、わたしは乗換駅についてちゃんと知らず、夜だったこともあり、かなり不安だったことを覚えています。

乗り換えのために一旦電車を降りたわたしは、案の定、乗り換えするためにはどこに行けばいいのか、途方にくれました。
というのも、この駅には二つの鉄道会社が入っていて、わたしが乗って来た列車はA社、これから乗り換えるのはB社の列車、だったからです。
しかも、ホームも一度建物の外に出ないと行けない構造になっていたのです。
が、この時のわたしは、一度外に出ないといけないというのを知らず、なので案内板に従って連絡口をたどったものの、最終的にそれが外に通じているのを見て、とまどってしまったのです。
「駅の外に出る=駅から離れる」ってことではないのか、とも思ってしまったんです。
周囲を行きかう人は、みな知らん顔で通りすぎて行きますし、こちらから誰かに声をかけるのも怖いので、わたしはただ立ち尽くしていました。

そしたら突然、後ろから「こっちやで」と声をかけられたのです。
ふり返ると、知らないおじさんが立っていました。
おじさんは、「こっちやで」ともう一度言うと、わたしを誘導するように連絡口を外へと歩きだしたのです。
え? とは思ったものの、その時にはどういうわけか、怖いとかなんとか思わず、そのおじさんについて歩き出していました。
道はさほど長くなく、すぐに目的のホームのある建物に到着しました。
ホッとしてあたりを見回した時には、もうおじさんの姿はどこにもなく……わたしは、ちょっと不思議な気持ちになりながら、あとは構内の案内板に従って歩いて、なんとか目指す電車に乗り、叔母の元にたどり着くことができたのでした。

当時もなんだか不思議な出来事だったなあ……と思ったものですが、今思い返しても、やっぱりちょっと不思議です。
そもそも、なぜわたしが行こうとしている場所がわかったのでしょう。
たとえば、何か困っているのかなと思って声をかけるにしても、普通はどこに行くつもりなのか、尋ねると思うんですよね。
でも、そのおじさんはわたしの行先を知ってるかのように、「こっちやで」と言って歩き出したのです。

もしかしたら、ご先祖様の誰かとか守護霊さんとかが、手助けして下さったのかもなあ……なんて思ってもみるのでした。

グイン・サーガの新刊

二つ目は、「探知レーダーでもついてたのかな?」みたいな話です。

わたしは、作家の栗本薫の大ファンです。
栗本さんが生きていらっしゃるころは、『グイン・サーガ』の新刊が出るのを、いつもすごく楽しみにしていました。
ただ、インターネットのなかった時代、こうした新刊情報は、わたしの住むような田舎では、本屋さんの本棚に貼られている新刊情報を見るとか、同じ出版社から出ている本の間に挟まってるチラシを頼りにするとか、ぐらいしかなかったのですね。
そして、田舎の本屋さんというのは、メジャーなジャンルの売れそうな本しか置かない所が多いわけです。
なので、自分のほしい本を確実に手に入れるのは、とても大変でした。
ちなみに、注文しても届くのに一ヶ月かかりましたし、実際のところ「Amazonができて本屋が潰れる」と聞いても「そりゃしかたないだろ」と思う程度には、若いころには不便を強いられて来ました。

そんな状況の中、わたしは『グイン・サーガ』の新刊だけは、予約も注文もしてなくても、そして発売日を知らなくても、発売日当日あるいはそのすぐあとに手に入れることができていました。

というのも。
なんとなく本屋さんに入って、なんとなく文庫のコーナーに足を運んで、立ち止まったらその場所に、グインの新刊が平積みになっている――ということが、頻繁にあったからです。

たしかに当時は今と違って、外に出かけるとかならず本屋さんに立ち寄っていました。
それに、ハヤカワの文庫自体、ある程度発売日が決まってはいたんだと思います。
にしても、本当に『グイン・サーガ』に関しては、他の本のように「今日は発売日だから、仕事の帰りに本屋さんに寄らなくちゃ」とか、そのあげく何軒回っても新刊がなくて、しょんぼりして帰宅……ってことが、ありませんでした。

これに関しては、本当に不思議です。
場合によったら「その本屋さんにある最後の一冊だった」みたいなこともありました。
ちなみに、記憶にある限りでは、他の本ではこういうことはなかった気がします。……っていうか、他の本の場合、上記したように発売日を知っていて本屋さんに行っても、手に入らないことの方が、ほんとに多かったです。
あと、栗本さんが亡くなったあと、130巻の『見知らぬ明日』までは、なんとかそれまでに近い形で手に入っていたと記憶しています。
亡くなられたあとの、『グイン・サーガ・ワールド』はなかなか手に入れることができず、ネットの友人に譲っていただいたりしましたし、違う作者さんの続刊は、Amazonで買い求めました。

単純に、わたし自身がものすごくグインの続きを読みたくて、それゆえに発揮されていた能力(?)だったのか、それともあまりにわたしが読みたがるので、これまたご先祖様とか守護霊さんがお力を貸して下さっていたのかもしれません。

以上、『不思議な話』でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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