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信用創造⑨  ―当座預金って何?―

おそらく皆さんの多少の引っ掛かりになる部分をご指摘いたします。

この赤丸、日銀当座預金と言ったり、準備預金と言ったり、一体何なのだろう?と思われること思います。
こちらで書きましたが、日銀当座預金とは「特別な貨幣」です。

日銀当座預金は「民間市場(マネーストック)」では使えない、国民は使用できない貨幣です。

日銀当座預金という貨幣は「B.民間銀行、C.政府、D.中央銀行(日銀)」の3点間での取引でしか使えない「特別な貨幣」なのです。

 

詳細を知るためには先ず日銀当座預金の日銀という単語を抜いた

当座預金

というものが何なのかを知る必要があるでしょう。

「普通預金は知っているけど、当座預金って何?」
という人も多いのではないでしょうか?
会社、個人事業主の方はお分かりになると思います。

当座預金とは「取引のため『だけ』に使う貨幣」です。

「え?取引のため?だったら普通預金と同じじゃないの?」

と思うかもしれません。

商品・サービスへの料金の振込
労働の対価としての賃金の振込
普通預金で行われることも、A口座からB口座への送金という「取引」の一種なのです。

だとしたら、何が違うのか?

〇普通預金

普通預金という万年筆マネーは、口座へアクセスできる権利者がいつでも「現金貨幣(紙幣・硬貨)」にする『権利』がある数字ですが、その一方で、引き落としされていない間は

民間銀行が(名目上)運用の資金として利用する貨幣

だからです。
その運用結果、「利子」が付き、預金者に利益として支払われます。

※名目上、というのは、現実には運用として債務者に貸し付けられる貨幣は債務者の普通預金口座に万年筆マネーで書き込まれるからです。私たちの普通預金が又貸しされているわけではありません。

〇当座預金

では、当座預金とは?
実は送金という「取引」には利用されますが、引き落としされていない間は

運用されません。

運用されないので、もちろん

利子も付きません。

では、利子も付かない運用されない当座預金は何のために存在するのか。

それは「A口座からB口座への送金額」の

「数字をメモする役目」

として存在しているのです。

A口座からB口座への100万円送金するとします。
すると
・A口座には-100万円という預金額が残ります。
同時に
・B口座に+100万円という預金額が残ります。
このお互いの口座の預金額を照会して
「間違いなくA口座とB口座の間で取引されたね」
ということを確認することができます。

当座預金とは
「口座間を移動する貨幣の金額を数字的にメモするためだけに存在する『メモ貨幣』」なのです。

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