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信用創造⑬  ―「消滅」と「出現」―

では、事実はというと、これは「信用創造」の「機能」を利用したものになります。

信用創造は負債が発生し万年筆マネーで書き込むと生まれる貨幣です。
逆説的に負債が解消され、万年筆で書いた数字を消すと貨幣も消滅します。
これを

「信用破壊」

と言います
(信用崩壊・信用収縮とも言いますが、前者はバブル崩壊のイメージ、後者は金融業の貸し渋りのイメージが強いため、敢えて使いません)。

現実にはこの「信用創造」と「信用破壊」による銀行預金の出現と消滅「貨幣が移動したように見える」ように現象を起こすことが「銀行振込」の現実になります。

図で説明します。

図にあるように前回説明した、銀行預金を日銀当座預金に変換したり、またそれを銀行預金に変換したり、というプロセスは事実としては存在しません。それは「物語」の部分です。

「イさん」が「ハさん」に100万円送金しようとしたとして、現実はこうなります。

①「イさん」が「ハさん」への100万円の振込依頼から、「イさん」の「A銀行の口座」で「100万円の信用破壊」が行われ「100万円の万年筆マネーが消滅」します。

⑤「ハさん」の「B銀行の口座」に「100万円の信用創造」が行われ「100万円の万年筆マネー」が書き込まれます。

 

これが「銀行振込」の「事実」です。

勿論、この事実で消滅したり、出現した100万円という貨幣は、これまで何とも言います通り「民間の信用創造」で作り出された「『貨幣の信用』が足りない万年筆マネー」です。

ですので、そこを前回説明した「貨幣の信用」を付け加えられる「虚構だけれども真実味のある物語」で「まるで物質が移動しているかの如く『貨幣の移動』を説明する」ことを後付けで行う。

それが上記の図の「緑枠」の②③④の部分、そしてその緑枠の部分が図4のむらさき枠と赤枠が重なっている民間銀行の部分になる、というわけなのです。

重ねていることで、赤枠の事実の部分にむらさき枠の真実味のある物語の「貨幣の信用」が付与されます

重ねていることで、赤枠の事実の部分に、むらさき枠の真実味のある物語による「貨幣の信用」が付与されるわけです。

以上が

「銀行振込の事実」です。

そして事実と、「真実味のある物語」との関係です。


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