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豆知識③ ミクロとマクロと傲慢

ミクロ経済とは「小さな経済」を意味し、
マクロ経済とは「大きな経済」を意味する。

ミクロ経済学とは、個々の経済主体を対象とした分析する経済学であり、
マクロ経済学とは国民経済全体を分析対象とする。

 

確かに、間違ってはおりません。
学術論文でも、そのように掲載されているものは多いです。

ですが私はこの区分には納得はいきません。

マクロ経済は「国民経済全体」を分析対象とするのが条件だとした場合、例えば日本全体を1つの経済主体とし、その上でアメリカも1つの経済主体とした場合、それはマクロ経済と言えるでしょうか?
「日本」と「アメリカ」という個々の経済主体同士の経済分野。
これは寧ろ「単位を大きくしただけでミクロ経済である」と言えるのではないでしょうか?

では、範囲の大きさ以外にミクロ経済とマクロ経済の違いはどこにあるのでしょうか?

私は

「貨幣の信用」を考えているか、否かによって分けられるのではないか?

と考えます。

ミクロ経済の分野、というのは個々の経済主体、つまり個人、企業、組織体の間における「貨幣の価値」の取引、が分析対象です。
「信用」は重要にはなりますが、それは
「この人なら確実に取引を履行してくれるに違いない」という「過去の実績からの未来予測」という信用であり、それは過去の記事で述べた「与信」といいます。

「与信」は「貨幣の信用」に匹敵する信用ではないです。

一方、マクロ経済の分野は「国民経済全体」を対象とするわけですから、それは「政府の信用創造=三点監視」そして「貨幣の信用」も、範疇に入ります。

以上から

マクロ経済とは「貨幣の信用」についても考える分野

だと考えています。

以前ネット上で知り合った富裕な投資家の方がよくこう言っていました。

「マクロ経済というのは、ミクロ経済で俺たちが努力して投資して儲けて集積して出来上がったもの。」

これは間違いです。
「投資資金」という貨幣は「政府の信用創造」=「『貨幣の信用』のある貨幣の発行」というマクロ経済分野がないと発生しないからです。

「ミクロ経済の集積がマクロ経済」というよりは

マクロ経済という「ベース経済」が存在しなければ、ミクロ経済が成り立たない、

といった方がいいでしょう。


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