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信用創造⑥  ―政府の信用創造の正確な説明(現実の図解)―

それではいきなり、現実の「政府の信用創造」の図解をお見せします。

図3 政府の信用創造 正しい考え方

いきなり見せられて、「ウッ」としたかもしれません。

是非、引かないで欲しいです。

これは見た目以上に簡単です。
恐れず、是非以下の3つを読んで図2と図1をみてから、最後に次の図4を見てください。

a.)図2-1を縦にし中央銀行が発行する貨幣は銀行預金(現金貨幣)ではなく、「当座預金」とする。

b.)図2-1で示した「政府は中央銀行から当座預金を直接受け取るのではなく、民間銀行を経由して当座預金を受け取る」(むらさき枠)ようにする。

c.)その上で「図1の民間の信用創造」(赤枠)を合体させる。

 
a.)図2-1を
a.)縦にし、中央銀行が発行する貨幣は銀行預金(現金貨幣)ではなく、「当座預金」とする。
b.)政府は中央銀行から当座預金を直接受け取るのではなく、民間銀行を経由して当座預金を受け取るc.)その上で「図1の民間の信用創造」(赤枠)を合体させる。

これが正確な「2.政府の信用創造」です。

図1と図2-2を合体させると民間市場(マネーストック)に貨幣が創造される「政府の信用創造」となるわけです。

簡単ですよね?

しかしここで「図1や図2-2で理解すれば簡単なのに、図1,2-1を合体したり、民間銀行を経由したり、複雑にする必要ってあるの?」と思う人もいるかもしれません。

現実に、図1「1.民間の信用創造」を転用した、図2-1だけで「2.政府の信用創造」を説明されていることは、多いです。

その方が覚えやすいのもあるでしょうが、その考えが

プロセスを省略しているだけで決して間違っているわけではないから

でもあります。

専門家が経済学に詳しくない人に教えるときも、図2-1のように政府の信用創造を語る人は多いです。
現に私も「信用創造③」では、省略をしているだけで間違っているわけではないからこそ、利用したわけです。

しかし、

人は「プロセスが省略できること」こそ「シンプル イズ ベスト」な考え方であり、「より真実に近い」と誤解する傾向

があります。

残念ながらそういう人たちは、現実には図3,4こそが事実にもかかわらず、「より真実に近づけよう」と複雑さを排除して、シンプルな理論を構築しようとする傾向になります。

そういう人には「図2-1の不正確な信用創造の方が真実に見える」のです。

これは実は「真実を追求しようとする『専門家』であればあるほど、その傾向が強くなります」。

専門家は図3,4のような現実があるとしても「単純化すれば図2-1という『真実』に帰結する」ということで、それを重要視しません。
考慮したとしても「どのように複雑さを排除するか」という考慮の仕方になってしまいます。

しかし

その現実無視の姿勢が、

安倍政権の3本の矢の経済政策の失敗
リフレ政策の失敗
現在の失われた30年の遠因でもあり
現在の日本の経済的に不幸の原因であり
上がり続ける社会保障費や消費税
全ての不況の原因でもあるのです。

これは冗談ではありません。

政府の信用創造を図3ではなく、図2-1に省略して考えるということは、

全ての経済政策の失敗の源泉でもあるのです。

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