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豆知識① 金本位制度×管理通貨制度

将来的に価値ある金(金貨)と交換することが必ずできるから、この貨幣には価値がある、と信用される。
逆説的にこれは交換することができる「金の保有量」によって「貨幣の発行額」も決まってくるということになります。
金の保有量というのは金本位制にとっては極めて重要な要素なわけです。

実はこの金本位制度を私は「昔の古い制度」のように語っていましたが、現実には1971年の8月にアメリカのニクソン大統領が米ドルと金との交換を停止しするまで続いていました。
この金本位のことをブレトンウッズ体制といい、それの停止のことを、ブレトンウッズ体制の崩壊・ドル本位制の崩壊、或いは(第二次)ニクソンショック、と言います。

良し悪しは別に、アメリカとは世界に最も影響を与える国家です。
現実に、アメリカのドルを担保に貨幣発行している国(レバノン・香港・オマーンなど)もあるわけですが、米ドルが金本位であった時代は、その米ドルを担保に貨幣発行していた国は「間接的に金本位制であった」といってもよいでしょう。
戦前の1930年以降の金輸出停止をした日本も、確かに管理通貨制度に移行したのは事実ですが、「米ドルが金本位であった以上、間接的な金本位だった」わけです。

そういうわけで、本当の意味で世界が金本位制度から抜け出したのは1971年からというのが現実なわけなのです。

良く、日本やイギリスは、世界に先駆けて管理通貨制度に移行した、と言われます。
それは嘘ではないのですが、アメリカが金本位を止めるまでは「不完全な移行だった」と言って良いでしょう。

これは今からわずか51年前の話。
人間の一生でいうと、まだ一人の人生が終わるほどの年月は経っておりません。

管理通貨制度(「3点監視」により「貨幣の信用」を確立させる制度)が完全に確立した社会というのは人類史においてはまだ非常に歴史の浅い社会であり、多くの人の社会的通念においては、未だに「金本位制度的な『貨幣の信用』の確立の方が当たり前である」と考える人が大勢いる状態なのです。

つまり、今現在の経済学上の論争による混乱は、往々にして良くある

経済学上の世代間闘争によるもの

なのです。

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