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豆知識④ ややこしい経済学の派閥①

経済学の学説派閥はややこしいです。

まず、大きく大別すると
主流派経済学(古典派・新古典派・オーストリア学派・ニューケイジアンなど)
マルクス経済学(マルクス主義・レーニン主義・スターリン主義・毛沢東主義・原始共産主義・宇野学派など)
ケインズ経済学(ケインズ学派・ポストケイジアン)

この3つがあるといってよいでしょう。

〇主流派経済学(青系)
「経済学の父」アダム・スミスを始祖とする学派です。
歴史が長い分、様々な分派を作り出しています。

〇マルクス経済学(緑系)
これはカール・マルクスという人物が打ち立てた学派となります。
主流派の理論により生まれる格差社会への批判的学派として生まれました。

〇ケインズ経済学(オレンジ系)
ジョン・メイナード・ケインズにより提唱された理論の学派です。
これも主流派の理論では放置していた不況対策への批判的学派として生まれました。

大雑把に言いますと、この3学派が、互いを批判して一切譲らない状態、というのがマクロ経済学の混迷を深めている、と言っていいでしょう。

理学系の場合、一つの研究によって導き出された結果は、一部の例外を除いて、例え派閥や学閥が違っていようとほぼ同じ結果だと見做すでしょう。

しかし経済学はそうはいきません。
主流派、マルクス経済学派、ケインズ学派は、お互いほぼ相容れません。

理由は研究者が現象を扱おうとするとき、その事象を見るために透過するレンズが各々違うからです。

主流派のレンズで見た人は、現象を客観的に見ようとします。
しかし、それ故に現象の客観性を得るため、現象の周りに存在する「人間」は無視されてしまいます。

マルクス経済学派のレンズは、格差の真実を見せようとし、見た人はその格差を是正しようとするレンズです。
しかし格差是正だけに特化してしまい、格差以外の歴史や伝統的価値観による「人間」や「社会関係」を無視します。

ケインズ学派のレンズは「マクロ経済学」という新たな分野の経済学を打ち立てた学派であり、市場の好況・不況を客観的に見ようとし、それをコントロールしようとするでしょう。
しかし、市場は好況を示しているのに賃金がり失業者が増える、という状況(今はコストプッシュインフレだと分かっていますが)に適切に処方箋を出せませんでした。

この三者三様の派閥同士の争いに、

「研究者たち」の利害関係が絡み、

更に「政治的利権闘争」まで絡みます。


そうしたらもう大変。
大派閥の中の小派閥も含めて、その全てが軽重はあれど争い合うわけです。

ところで

「逸脱派」の私はどこの学説に属するのでしょうかね?

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