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紫陽花が綺麗

梅雨は大嫌いだ。

湿気が多く、雨も降り、暑いのか寒いのかよく分からない。寒い気がするのに顔や首は汗びっしょりで、拭いても拭いてもカラッとしない。

気持ちもおかしくなる。不安定な空は私の心を移しているようで、心の雨や湿気にも、同じくうんざりする。

紫陽花が綺麗なことだけが救いの季節が梅雨だ。紫陽花の、一つ一つは花じゃないというけれど、天然の花束と言って良いと思う。もこもこと紫陽花が咲いているのを見ると、そのまま紫陽花に飲み込まれたくなる。

体調を崩して有給休暇をポツポツとったら、会社のお局につわりと勘違いされた。どうしようもない苛立ちを覚えた。子どもが欲しいなんて言ってない。作るとも。ああ嫌だ、なんでそんなこと言われなくちゃならないの。

紫陽花がどんどん大きくなって、何もかも飲み込んでくれたら良いのに。


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