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衛星画像を使ったビジネス3選

神様視点で地球を眺められる衛星画像。
世界中の都市が煌々と光る様子を見るとワクワクしますよね。

Photo by NASA on Unsplash


見ているだけで楽しい衛星画像ですが、ビジネスにも活用されていることはご存知でしょうか?

火災保険で活用される衛星画像

火事が起きたとき、保険料を計算するため保険会社は現地に赴き、建物の延べ床面積や屋根の状態など丸一日かけて調査する必要がありました。

衛星画像を使うことで、今までかかっていたコストを大幅に下げることができます。

被害前と被害後の衛星画像を比較し、プログラムで自動で状況を解析することで、大幅に調査時間を削減することが可能になりました。

被害後の分析のみならず、火災のリスク調査にも衛星画像が使われています。

衛星画像から、屋根の種類、屋根形状、 ソーラーパネルなどの屋上設置物設置など解析し、本来2週間程度かかっていた調査を瞬時に完了させる技術も生まれています。

出典:SOMPOホールディングス株式会社 『イスラエルスタートアップ ジオエックス社との 建物画像解析AI技術の活用による保険引受高度化に向けた協業の開始』

人間が現地に行って調査していたものが、衛星画像によって自動化されることで、人件費も削減することができ、将来的には保険料も安くなっていくのではないでしょうか。

また、衛星画像を用いることで調査員の主観で保険料が計算されるのではなく、客観的な視点から支払金を計算することができます。

衛星画像を保険調査に用いることは、より透明度の高い保険サービスを提供することが期待されています。

石油の先物取引の分析

石油タンクの貯蔵量を解析し、エネルギー関連企業や投資家に情報を提供するといったサービスも生まれています。

出典:内閣府宇宙政策委員会第56回会合資料

タンクに石油が入っているとタンクの蓋は上がり、入っていないと蓋は下がります。

衛星画像から蓋の影を分析し、貯蔵量を推定しここから石油価格の予想を立てることができます。

このサービスを提供するOrbital Insight社は世界中の20,000個以上の石油タンクを監視していると言われています。

小麦の適正収穫時期を分析

小麦の収穫時期は7月下旬~8月上旬です。

小麦は収穫時期になると体内の水分が抜けてきて、一定の水分量を下回ったときに収穫するのがベストとされています。 

収穫の適正期より早く収穫してしまうと、小麦内の水分を飛ばすための乾燥コストが増大し、遅めに刈り取ると品質低下の恐れがあります。

乾燥コストを掛けずにかつ品質を見極めるためには、正確な穂水分調査が必要ですが、従来はこれを目視で行っていたり、圃場全体を人力で調査をしなくてはいけなかったりと、精度は低く、コストもかかるといった課題がありました。

衛星画像を用いることで、小麦の成熟早晩を判定し、刈り取り順番を定量的に分析することが可能になりました。

内閣府『衛星データをビジネスに利用したグッドプラクティス事例集』p18

・現場の人の感覚ではなく、客観的な事実から収穫時期を決められる。
・現場の労力を大幅に削減できる。

衛星画像を用いることで、人に優しく、効率的に農業を行うことができます。


これからの衛星画像ビジネス

衛星画像を用いたビジネスはまだまだ発展途上とされています。
アイデア次第では市場規模の大きいビジネスとして展開できるかもしれません。

衛星画像は宇宙業界の人だけが活用するものではなく、より多くの産業の方が触れることで革新的なビジネスに繋がるのだと思います。

衛星画像は無料で一般公開されているものもあるので、ぜひ触れてみてください!

無料で使える衛星画像についてはこの動画でわかりやすく説明してくれています。

ぜひご覧になってください!




参考資料





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