内閣情報調査室 公安警察、公安調査庁との三つ巴の戦い

3つの機関は国内外の対象をめぐり競合している

内閣情報調査室

公安警察

公安調査庁

 内閣情報調査室と公安調査庁はやはり、海外のスパイ活動に関する情報収集で領域が重なっている。

 公安調査庁の調査第二部は第一担当から第4担当まで国別に分かれて情報収集活動が行われている。公安調査官のスパイ活動は、追尾や監視などを行うが、公安警察が行うような強制力を伴う通信傍受はできない。したがって、人から得る情報「ヒュミント(ヒューマンインテリジェンス)」が公安調査官のスパイ活動の主流となる。

 ファクトチェック、つまり「信用調査」の手順

1、情報関心で求められた情報の内容を確認し特定する

2、秘密情報へのアクセスが可能な情報提供者の候補をリストアップする

3、候補の対象者への信用調査を行って検討を加える

4、対象者を1人に絞り、さらなる信用調査を行う

5、工作担当者(スパイ)を決定し、対象者に接近する

6、スパイが担当者に接触。リクルートする


 内閣情報調査室国際部門のスパイたちも、ヒュミントを重視するエスピオナージ(諜報・分析)を行っている。

敵対する組織内にスパイを育成 尾行することもある

「出会い系バー通い」報道 ホームの事務次官への工作 印象操作

 キムジョンナム不法入国事件 金ファミリーの密入国は10回以上確認されている。中でもキムジョンナムは東京赤坂の高級韓国クラブに足しげく通っていた。お気に入りの韓国人女性がいたからで、プレゼントや現金を渡していたようだ。

 泳がせて、行動を追っていけば様々な情報が得られる。スパイとして仕立て上げることも視野に入っていた。ところが警察署のオペレーションはのっけからつまずいた。法務省入国管理局が「未遂のまま」拘束してしまったのである。


CIA教養

 公安警察ではCIA教養と呼ばれる研修がある。公安部門の選抜者がおよそ半年間のトレーニングをアメリカバージニア州ラングレーのCIA本部で受ける。この研修で地球を得たスパイ同士が、帰任した後も関係を続けて情報交換を行っている。

 友好的な関係もある一方で、同盟国からの監視の実態もある。

 NSAが日銀総裁や経済産業相の電話を盗聴していたとする告発、ウィキリークス

 2007年4月、当時の安倍総理大臣の訪米に先立ち、外務省が温暖化対策目標を事前にアメリカ側に伝達しない方針で検討していたことなどが記されていた。一部の情報がアメリカの同盟国であるイギリスなどに提供された可能性も指摘されている。

 大規模監視システム「Xkey Score」

 日本のネット諜報システム「マラード」

 中国スパイの対日工作「日本人民民主共和国」の樹立

 中国共産党が日本に潜伏しているスパイに対して発信した「対日工作秘密指令書」の概要

 指令書のタイトル「日本解放工作要綱」

 指令書によれば基本戦略では、「日本が現在保有している国力のすべてを我が党(中国共産党)の支配下に置き、わが党の世界開放戦に奉仕せしめることにある」としている。

 東京オリンピック

 「国際テロ情報収集ユニット」 2015年12月8日発足

 省庁間の垣根を越えて、オールジャパンで国際テロ情報を入手するよう全身全霊で取り組む

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