夫婦・カップルのためのアサーション
夫婦・カップル関係におけるジレンマと膠着状態
関係性と個別性の葛藤
多くの場合、感情優位な人と論理優位な人は惹かれ合う。しかし結婚後に日常生活の様々な場面から、2人のこうした違いは「魅力」から「不満の種」に変身する。例えば、妻は夫が自分の気持ちをわかってくれないと不満を言い、夫は妻の話を聞いてもらっても一向に問題は解決しないと不満を言う。
個人性--自分は自分、パートナーパートナーと言うお互いを独立した個人として見る
関係性--ニコイチ
これは自己分化度の違いから生じるもの。
一番いいのは、自分と同じくらいの心理的成熟度のパートナーを選ぶと良い。しかし、高低差が激しいカップルも多いので注意が必要。でないとパートナーの魅力が不満に変わってしまう皮肉が生まれやすい。
アサーティブな自己表現
自分の弱さを認め表現することもアサーティブ
納得して譲ることもアサーティブ
きっぱりと「ノー」と言うこともアサーティブ
自己信頼を高めアサーション権を確信する
自己信頼とは自分を拠り所にできる、自分自身を頼ることができると言う意味。それがあれば、パートナーとの関係において不安や緊張感に押しつぶされたり、イライラに圧倒されたりしないでアサーティブな言動をしやすくなる。3つの要素から構成されている。
1、自己理解
2つの意味がある。
1つは、自分がその時その時に感じていることや考えていることに気づき、どれだけ意識化できるか。アサーティブな自己表現したくても、何を相手に伝えたいのかをはっきり意識ができていなければ、適切な言葉にして相手に伝えられない。
2つ目の意味は、1人の人間としての自分自身をよくわかっていると言うこと。どちらかに偏ることなく、肯定的側面と否定的側面の両方をバランスよく理解していること。
自己理解の仕方はパートナーをどう理解するかにも影響与える。自分を否定的に身勝手な人は、パートナーに対しても否定的に見がち、もしくは肯定的なところばかり見てしまったりする。また、自分の肯定的側面ばかりを見る人は、どちらかと言えばパートナーに対しては否定的側面ばかりを見る傾向がある。
2、自己受容
理想と現実の間にギャップを感じても、否定するのではなくありのままを認めて受け入れる。またそれは、あきらめることではなく、自分に対して少し寛容になる、不完全さを許すと言うこと。
それができると、パートナーをありのままに受けられることになる。自己受容できている人ほど、パートナーに対しても自動的になることができ、あたたかい態度で接することができる。
3、自尊心
プライドと言うことではなく、自分を大切に思う気持ちのこと。自分を大切にできるからこそ、自分の気持ちや考え方をパートナーに分かってもらおうと言う気持ちにもなれる。そしてパートナーの尊重する態度にもつながる。
自己信頼を高めるエクササイズ--自分のプラス面を見つけ直そう
質問に答える内容はどんな些細な事でも抽象的でも何でも構わない。そう思えていることを書き出していく。
1、あなたにとって使える能力はなんですか?
2、以前のあなた(1年前、5年前、結婚当初、子供の頃など)と比べて、成長したと思うところはどのようなところですか?
3、あなたがこれまでの人生で、自分なりに頑張ってきたこと、困難だった事はどのようなことですか?
4、妻として(夫として)、あなたが大切にしていることや心がけている事は、どのようなことですか?
5、あなたがパートナーに褒めて欲しいと思うこと、認めて欲しいと思う事はなんですか?
夫婦カップルにおけるアサーション権
❶それでも、パートナーに自分の気持ちや考えや欲求を表現して良い
❷私たちは、パートナーとの関係において、自分らしさを大切にして良い
❸真面目に聴き、受け止めてほしいとパートナーに求めて良い
❹私たちは、パートナーに対して不完全であって良い
❺パートナーにしてほしいこと、して欲しくないことを言って良い
❻パートナーからの依頼や要求を断っても良い
❼パートナーとの関係において、傷つくことがあっても良い
❽自己主張しない権利
「言えない」と「言わない」は違う。状況に応じて、自分で選択するのもアサーティブである。
夫婦・カップル関係における非合理的思い込みとは
ABC理論。認知行動療法のん。A(出来事)にB(考え方)を通して、Cという結果がおきますよというやつ。
ここのBeliefには非合理的なものもありますよ、という話
・パートナーが自分のことを本当に愛しているのであれば、自分の気持ちや考えや欲求を言わなくても察してくれるはずだ。
・うまくいっている夫婦には葛藤や問題は無い
・夫婦(カップル)の間では言いたい事は何でも言って良い
・パートナーが傷つくかもしれない事は、言うべきではない
・夫婦の考え方や価値観は一致しているべきだ
・夫(父親・男性)は〇〇であるべきだ。妻(母親・女性)はほにゃららであるべきだ
・パートナーに不満を感じた時、十戒子供に頼るのは当然だ
自分自身の非合理的思い込みから自由になることが大切。今までの価値観は親の価値観など、その人のものとして否定はしない。だが、よりプラスになる考え方を大切にした方がいい。
DESC法をより効果的に活用するためのポイント
1、Dは省略せず、しかし客観的かどうか確認する
2、Eは遠慮しすぎないように、しかしぶつけないように
曖昧に伝えるのでもなく、感情的に攻撃的になるのもダメ。「なんで〜、どうして〜」「いつも〜」「お前は(あなた)〜」という言葉を使っている時は、感情的になっている可能性があり、メタ認知すること。
3、Sでは、抽象的で大きな提案や、一度に多くの提案をしない
次々と提案され、変化を求められると、無意識に抵抗してしまう。
4、Cで「ノー」が返ってきたとき、脅さない
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