ゲストハウス ひとりでやるのか、人を雇うのか
私のところに開業の相談に来るひとの多くが、「人を雇わずに自分ひとりで始めようと思う」と言う。私も始めた時、そう思っていた。それでも妊娠、子育てのタイミングでアルバイトスタッフ雇用を前提とした運営に変化した。
結局のところは、正解はなく、その都度判断してゆくだけのことなのかもしれない。ただ、自分の場合を振り返ってどんな壁があり、どうそれを乗り越えたか書いてみる。
ひとり営業のメリット
コンセンサスを取る必要がないのでスムースに進む。
誰かに給料を払っているわけではないので休みたい時に休みやすい。
宿の色を作りやすい。
ひとり営業のデメリット
相談したくても相手がいない。
登壇者や参加者として出たいイベントがあっても行けない。
予約をとっているので体調が悪くなっても休めない(体調を崩せない)。
自分の世界観だけで勝負するとリーチできない顧客が多い。
ゲスト対応、清掃、事務作業、全てやるには負荷が大きく仕事を楽しめない。
人疲れして笑顔になれない。
スタッフを雇うメリット
これは結局、前述した「ひとり営業のデメリット」の裏返し。
決定権は自分にあるが一般的にどう思うかなど雑談のなかで相談ができる
子育てをしながらでも宿経営をさせてもらえる。旅行にも行ける。
有能なスタッフが多く、私が現場に立つよりも遥かにゲストが満足してくれると感じることが多い。
スタッフそれぞれの個性によりリーチできる客層がある。
スタッフの人生の一端においていい経験をしてもらえる(と思っている)。
感じの良いスタッフが出入りすることで、町も華やかになる。
スタッフを雇うデメリット
欠員をタイミングよく埋める必要がある(年末の雇用は時期的にかなり苦戦する)。
1166bpは人でもっている。誰でもよいわけではなく、良き人を雇用しなければならない。
人件費を稼ぐためにある程度の稼働率を常にキープし続けなければならない。
スタッフとのコミュニケーションを意識的に取り続けなければならない。
人を雇うことでペーパーワークが増える(雇用保険や労災関係、給与計算、所得税、年末調整、シフト作成などなど)。
1166bpの採用フロー
よく、1166バックパッカーズはいいスタッフが揃っているね、と言ってもらえる。採用に関しては、私も結構自信がある。どんな風に採用しているのか。
公式サイトの募集要項を見ていただく
常に公式サイトトップページに詳細を出している。それでも「今募集していますか」という電話が時折かかってくる。自分であれば、働きたい店の公式サイトは調べる。電話をかけてくる = サイトを見ていない = それほど真剣ではない、と私は判断してしまう。募集要項にはこちらの思いを長々と書いているので、「ここはちょっと違うな」という方は応募してこないと思う。
↓↓↓↓↓募集要項に納得した方が必要事項を明記の上、メールで応募
メールが私のところに届く。この段階で不採用となる方は一定数いる。それは、そもそも期間や勤務開始時期が合致しない場合。その他には文面から「おんぶにだっこ」の依存を感じるとき。例えば「自分には経験やスキルはないですが、そちらでは何か学べるのではないかと応募しました」のような。あとこの段階ではまだ文字ベースではあるけれどコミュニケーションが難しそうに感じる方。
↓↓↓↓↓Zoomで面談
以前は対面だったが、最近はZoom。だいたい30分くらい雑談する。待遇や勤務時間、給与の話をおさらい。相手がどんな生活がしたいのか、1166bpで働くことでどうなりたいのかを確認。もし辞退したくなったらメールで言ってね、とか伝えつつ、面談から2~7日以内で返事をすると伝える。
↓↓↓↓↓選考
これは、私ひとりでする。考えるのは"できれば"スタッフの性別が偏らないようにしたい。やはり男性スタッフがいる方が力仕事などは頼りになる。女性スタッフは女性目線でアメニティなど考えてくれるから。年齢も気になる。あまりにも年齢が高いと二段ベッドの上り下りしながらの清掃が大丈夫かなとか、20代の先輩スタッフとうまくやっていけるかなとか。スタッフ寮に2名入る際は性別が同じになるようにする。
状況によって現役スタッフに相談もすることも多い。例えばみんなが通い勤務になる場合は順繰りに宿直シフトに入ってもらう必要があるので、事前相談。同じエリアでゲストハウスをしたいもの同士が集まってしまうこともあるので、よい関係が築けそうか気にしたりもする。
↓↓↓↓↓採否連絡
メールで連絡。採用の場合は勤務開始日などを詰めてゆく。
これまで辛かった採用
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