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【ないしょ話】 夢に出てくるひと

ある日の夜のこと。
隣でストレッチをしている夫に「ねえ、最近わたしの夢みた?」と聞いてみた。

たしか以前、夫の夢にわたしがよく出ていたようで、今はどうなのかとちょっと気になったのだ。どんな夢なのかは、別に知らなくていいのだけれど。

すると、夫は渋い顔をしながら小さく首を横に振り「あ~、出てこない出てこない。かわいいおりちゃんが夢に出てくるなんて、悪夢だあ~」とおどける。「ちょっと!笑」

まあ、そういうわたしも夫の夢をほとんど見ない。
一緒にいる時間が長くなると、そんなものなのかなあ。

というか、最近は夢自体を見ることがない。布団に入って目を閉じればすぐ朝だし、リアルの世界だけでお腹いっぱいだし。
それに「せめて夢で逢えたら」と何かを強く想うことが、少なくなった気がする。

ただ、思いがけないひとが夢に現れることがあって、ちょっととまどう。

色のない殺風景なリビング。ソファーに座り、あたしはそのひとの胸の中にいた。(あたしはどうやらいい女らしい)

端正な横顔が耳元にそろりと近づいてきた。息が、頬にふれる。
「だめ」
あたしはやさしく顔をそむける。しゅんと肩をすぼめる彼の姿は子猫のように見えた。

だけど、そばにいたい。

あたしはくるりとそのひとをうしろから抱きしめて、広く華奢な背中に頬をよせる。
仕立ての良い紺色のニットは肌触りがよく、あたたかい。
背中に顔をうずめ、そっと首筋に口づけをした。

振り返るそのひとの瞳は、いたずらっぽく揺れていて
そして


どっ、どっ、どっ、どっ、どっ、どっ、どっ、どっ


夫の階段を登る足音が聞こえてきて、目が覚めた。

「ねえ、今日の最初のアポは何時?」「えーと…10時です。」


ううう、ぜんぜん甘くない。


ほら、今までなんとも思ってなかったのに、夢に出てきたら急に意識し始めて、好きになっちゃうことってあるでしょう。

夢の中にいたひと。

常田大希さんファンのみなさま、大変申し訳ございませんでした!

最後までお読みいただきありがとうございます。そして今日もへんなことを書いてしまいました。

ちなみに、夢の話をいくつかnoteに書いています。

2020年 (とあるnoterさんが登場)

2021年 (車いすバスケット鳥海連志選手が登場)


不思議なことに、どちらも9月に投稿していました。
どうやらわたしは、秋が始まるとおかしな夢を見るようです。


おりちゃの心はまだまだteenager? なんちゃって。
みなさま、良い週末をお過ごしくださいね。ではまた(о´∀`о)

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