フリーランスの妻が資産運用を始めたはなし #お金について考えていること
主人はいわゆる個人事業主です。そして私は事務員として仕事を手伝う、フリーランスの妻です。節税のため、そして未来のために、40代から資産運用を始めました。投資歴1年数ヶ月の、まだまだひよっこです。
誰かに聞いたり話したりする機会のない、お金のはなし。よろしければお付き合いください。
貯金が減っていく
もともと私の実家は個人事業主です。そのため毎月の売り上げが変わることや、会社員とは異なりいろいろな税金を納めること、毎年必ず青色申告をすることなど、ある程度の知識はありました。
しかしながら、いざ自分がフリーランスの妻になって強く感じたのは「自分のお金が貯まりにくい」ということです。
これまでずっと気楽な一人暮らしで、お給料を貯金に回したり、好きなように使ったりしていました。それが今では、お給料から積立貯金(小規模企業共済)が天引きされ、手元にあるのは食費と自分の保険料のみです。経費にならない医療費や美容室代などは、その都度申告をします。特に不満はありません。
ただ、もともと主人も私も「夫婦といえども赤の他人」という考えなので、自分の親戚へのお祝いごとや弔事、お年玉や趣味に関する費用などはそれぞれが払います。
そのため、ちょっとした出費が重なって口座残高が減っていき、とうとう前の職場を退職した時に給付された、100万弱の退職金共済を数年で使い切ってしまいました。
事務所で積立貯金をしてもらっているけれど、結局私のお金は増えてるの、減ってるの。私個人の貯金がいつか無くなってしまう。そんな不安がありました。
フリーランスの心強い味方 小規模企業共済と経営セーフティ共済
フリーランスの世帯が払う主な税金は「所得税」「消費税」「個人事業税」と、会社員の世帯と同じく「年金」「住民税」「健康保険税」です。事業の売り上げが大きければ、その分支払う税金も増えます。
そのため、事業の会計は税理士の先生と相談しながら節税対策をしています。
夫は小規模企業共済と経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)に、私は小規模企業共済に加入しています。どちらも所得控除が受けられて、退職金の代わりとなるものです。
※小規模企業共済と経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)については、自分の備忘録として末尾にまとめました。
iDeCoとNISA/つみたてNISA
小規模企業共済と経営セーフティ共済の他にも節税対策ができないかと考えたとき、浮かんだのはiDeCoとNISA/つみたてNISA。気になってはいたものの、仕組みがわからず敬遠していましたが、主人から「投資信託について一緒に勉強しよう」と誘われました。
ちょうど、未知のウイルスが徐々に広がってきたころです。もし、主人と私どちらかがウイルスに感染して、仕事ができなくなったら。病気や怪我で万が一のことがあったら。
何があってもおかしくない時代になって、将来に備える必要があるし、いい機会かもしれない…
お金の勉強をはじめる
1回目の緊急事態宣言が発出されたころ。節税対策のため、そして未来のために、投資信託のスクールを受講しました。このスクールの最終目標は「自分に合ったポートフォリオを組み、投資信託を選ぶこと」です。
講義では、iDeCoやNISA、つみたてNISAの仕組みやメリットデメリットなどから始まり、複利効果について、分散投資の必要性、投資信託の種類、さらには目論見書の読み方、商品の選び方など、より実践的なことを具体的に学びました。
仕事が終わったあとや休日を使って1ヶ月半ほどかけて受講し、そして私のポートフォリオが完成しました。
投資のイメージ
正直なところ、投資は胡散臭い、こわい、損する、というイメージがありました。
また、恥ずかしい話ですが、株価がいくらなのかもよくわからず、細々と働く自分にとって、社会や経済、お金のことはあまり関係のないことと捉えていました。
ですがスクールを受講したことで、投資のイメージが変わりました。
資産運用にはリスクがあります。だからリターンだけでなくリスクをきちんと調べたうえで、納得できてリスクにも耐えられる商品を選ぶこと。選んだら、あとは見守る。もし違うなと感じたら、修正していく…
逆を言えば、納得できないのなら投資はしなくていいのです。あくまで、自分の意思でお金を預けるものです。
運用開始後、いきなりマイナスに…
インターネットで証券口座の開設の手続きをして、送金用のネット銀行の口座も開設しました。併せてiDeCoの加入の申し込みを行いました。
そして、ポートフォリオの通りに商品を注文しました。実感が湧かないけれど、これで私も会社の株主です。
しかしながらその翌日、パソコンを開いて愕然としました。なんと、積み立てたお金が16%も減っていたのです。
えー、どうしよう。金額は少ないけれど、大事なお金なのに! 私、恐ろしい世界に足を踏み入れてしまったのかもしれない…。私といったら「お金が減っちゃった!」と大騒ぎ。
リスクに耐えられるか
今思えば、取引後に一時的に株価が大きく下がったタイミングだったのですが、いきなり預けたお金が減ったことにショックを受けました。
でも、自分が納得して選んだ商品で、リスクがあるのも承知で始めたのです。しかも上の円グラフにあるとおり、1標準偏差は15%の(資産が±15%変動する確率が68.26%ある)ポートフォリオを自分で組んだのですから。
(例)過去5年間の平均的な騰落率が10%で、標準偏差が15%と言う投資信託のリターンのぶれは、25%から−5%です。この範囲内に運用成績のぶれが収まる確率は68.26%になります。
また標準偏差を2倍したものが2標準偏差です。同じ投資信託の場合、リターンのぶれは、40%から−20%となる確率は95.44%になるとされています。
ここでやめたら、いつまでたってもおなじ。それにこつこつ長期投資を14年続けてみようと決めたのだから、もうすこし待ってみよう。
すると、しばらくの間マイナスでしたが、数ヶ月かけてゆっくりとプラスに変わりました。そしていまは、少しずつ増えています。
社会の歯車になる
そんなこんなで資産運用を始めて、1年数ヶ月。最初はとても勇気がいったけれど、いざ始めてみたら新しい発見と変化がたくさんあります。
投資を始めてから、毎朝、株価を確認するようになりました。なぜ上がったのか下がったのか、その原因を知りたくて、経済新聞を読むようになりました。
そうすると、世界の動きや各業界のトピックスなどを気にするようになりました。この業種はこう、ならあの業種はどうだろう。投資先の会社はどうだろう。同じ日はなくて、常に社会は動いているのだな、と実感しています。
毎日働いて食事して、眠るの繰り返しの生活で、フリーランスの妻という小さな世界で過ごしてきた私にとって、大きな大きな変化。
いま、初めて自分が社会の歯車の小さな部品のひとつになれたような気がします。お金が増えることよりも、何より嬉しかったです。
20代のときに知りたかったな、もう少し早く始めたかったな、というのが正直な気持ちです。でも人生100年と言われる時代、今が1番若くて、新しい事を始めるのに遅いということはありません。
ゆたかに生きるための選択肢のひとつ
社会や暮らしが大きく変わったいま、お金は「貯める」だけでなく「働かせて増やす」という言葉をよく聞きます。
私にとって投資はあくまで資産を守る選択肢のひとつです。けして頼りすぎず、期待しすぎないようにして、これまでどおり健康を第一に、日々を過ごしていきたいです。
減ったり増えたりするのは想定の範囲内。だからわたしのお金よ、頑張っておいでね、大きくなっておいでね、と思っています。
今年の抱負
投資を初めて1年数ヶ月、お金の勉強を始めたばかりで、まだわからないことも多く、専門用語も忘れがちになります。
いま勉強していることをさらに自分のものにするために、ファイナンシャルプランナーの資格を取得したいです。
投資を始めたばかりのひよっこ。これからの人生をゆたかに生きるために、日々勉強中です。
(※1)小規模企業共済と経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)について
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