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新500円玉と、わたし。

先日、自動販売機の前で、ぼけーっと立ち尽くしてしまった。500円玉を入れると「がしゃん」とそのまま戻ってくるのだ。何度も、何度も。

釣り銭切れの赤いランプは付いていない。うーん、なんでだろ?


普段、何気なく使う小銭。色やかたちをぼんやり把握して、財布から出したり入れたりするもので、まじまじと見ることは滅多にない。

使えなかった500円玉はキラキラ輝いていて、令和三年と刻まれていた。
あれっ、これまでのデザインと違うような。…もしかしてレアな硬貨なのか? 

調べてみたところ、2021年に新しい500円硬貨が発行されたそうだ。

そして、自動販売機や券売機のなかには、新硬貨に対応する機械の入れ替えにコストがかかるうえ、2024年度に発行される『新紙幣』を見据えて、対応を見送っているものもあるらしい。

おそらく、あの自販機も新硬貨に対応していないのだろう。


これまでに発行された500円硬貨は3種類。

・1982年(昭和57)4月1日に五百円紙幣に替わって登場した、五百円白銅貨
・2000年(平成12)に登場した、五百円ニッケル黄銅貨(2代目)。
・2021年(令和3)11月より発行された、五百円バイカラー・クラッド貨(3代目)。


手元にあった2代目硬貨と新硬貨を見比べると、違いがよくわかる。
新硬貨は真ん中の部分の素材が異なり、二重丸のように見える。そして、サイドのギザギザの間隔が広くて、変則的。

それに、硬貨の縁にめっちゃ小さく「JAPAN」(上下2か所)、「500YEN」(左右2か所)と加工されているし、見る角度によって500のゼロの部分に「JAPAN」「500YEN」の文字がチラチラあらわれる。

かっこいい。

発行されて半年。つい最近気づいたくらいだから、これはプレミアなのかも。妙にうれしくなり、きらりと光るそれをそっと撫で、パソコンのディスプレイの下に置いた。



だが。
今年度、初めて町内の班長になり、回覧板の管理や町会費の集金をすることになった。

事前にお知らせを配り、一軒一軒まわって会費を集める。すると、小銭の中に令和三年の500円硬貨があった。
ラッキー。家にある2代目硬貨と交換させてもらおう。

そして次の日も、集めたお金の中に新500円硬貨が入っていた。
おお、またか。わたしついてる!!

よーし、この際500円玉を集めてみよう。張り切ってコンビニで公共料金の支払いをしたら、

新500円硬貨が返ってきた。


うん? レアじゃ、ないの…?

もういちど、調べてみた。
2021年3月時点の500円硬貨の流通枚数は約50億枚。そして「令和3年」銘の新500円貨は1.7億枚発行。特段レアなものではないらしい。

そうよね。2日間で、3枚もゲットできるんだもの。

硬貨をテーブルに並べてみる。
まだそれほど使われていないだろう、新しい500円硬貨。集めてみたものの、どうしようか。

ほんとのところは、硬貨はあまり貯めたくない。最近、銀行での入金手数料がかかるようになって、貯金箱に入れたままの硬貨の処理にしり込みしている。

それにお金は使うもので、働かせるもの。
もし、日本のお金の価値がガクンと落ちて、どうにかなっちゃったら? 今のうちにこの1,500円を、投資信託にまわそうか。(まあ、今もそんなに買えないんだけどさ)

なんて、頭に浮かぶ。


古い硬貨も新しい硬貨も、価値は同じ。そのうち、代引き商品の支払いに使ってしまうだろう。


でも、きれいなものは、きれいだ。

もう少しだけ、眺めていようと思う。

まちがいさがし


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