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OrgofA「Same Time,Next Year-来年の今日もまた-」特別対談〜ELEVEN NINES 代表 納谷さんを迎えて〜後編〜

 2024年1月中旬。OrgofA「Same Time,Next Year-来年の今日もまた-」の稽古場。 今回の創作を続けている中、ELEVEN NINES代表であり、今春オープンする北八劇場の芸術監督に就任された納谷真大さんのお時間をいただき、演出の増澤ノゾムさん、今作品で飛世と共に再演に挑む、遠藤洋平さん、OrgofA代表の飛世早哉香の4名で対談を行いました。 公演終了後ではありますが、「Same Time,Next Year-来年の今日もまた-」の作品について、北八劇場のこと、翻訳劇への取り組み方、そして、次の世代に向けてのエールもいただきました。前後編に分けてになりますが、全文公開いたします。
前編はこちら


左から 遠藤洋平・飛世早哉香・納谷真大・増澤ノゾム

■札幌演劇シーズンと自分たちの公演

これが再演に選ばれる作品なんだろうな

飛世早哉香(以下、飛世) これ札幌演劇シーズンの参加作品なんですけど、札幌演劇シーズンに対する思いみたいなものを聞きたいなと思って。

納谷真大(以下、納谷) 札幌演劇シーズンに対する思いですか?難しいですよこれ、僕ら札幌演劇シーズンを代表する看板団体だと思っているので。

飛世 本当にそう思います。

納谷 札幌演劇シーズンのおかげでたくさんの経験をさせてもらったし、今回3本だけじゃないですか。コロナが明けたけど、まだ3本とかで僕はいいと思うんですよね。「面白さお墨付き」って書かれてるんですよ。

飛世 そうなんですよ。

納谷 僕らはそのことを死ぬほど苦しいプレッシャーとして演劇シーズンに向かってました。
僕言っておきますけど、それは嘘つけ!って思うこと何回もありますよ。面白さお墨付きなんちゃうんかい!って。こんなこと言うと親分に怒られますけどね。
でも本当のこと言うと思ってますよ。その代わり僕たちは面白さお墨付きですよっていうことを胸張って言うために吐く思いでつくっているし。
でもそれは作り手の思いで、演劇シーズンをキープするためにはあるひとつの外枠があって何本かは必ずやらなければいけないという流れできてて。で、今年の夏から形が変わるじゃないですか。そういう意味で2シーズン制の最後が3本っていう説得力。この3本たぶんめっちゃ面白い3本なんだろうなと思ってますよ。少なくするけどそこは面白いんだぜって、お墨付いた選ばれし3本なんだろうなという気はするので。少ない分チラシとかはちょっと地味になるじゃないですか(笑)

飛世 そうそう、ちょっと地味なね(笑)

納谷 10周年なんてあれ(下記画像参照)ですからね(笑)

左 ELEVEN NINESが参加した2023-冬 ビジュアル
右 OrgofAが参加した2024-冬 ビジュアル

飛世 そう!なんかかっこいいですよね!

納谷 そういう意味ではチラシのパワーとしては弱いのかも分からないけど、僕なんかはこれは選ばれし3本なんだろうなと思っているから、本当にちょっと楽しみにしてますよ。

飛世 いや~、もっと頑張らないと。

増澤ノゾム(以下、増澤) やる側も観る側もという意味で、東京でも例えば小劇場ってすごくいっぱいあるんだけど、やっぱりやりたい人がやりたいようにやって、そこに友達とかを呼んで、その友達がまたやりたいことをやりたいときにやって、そこに友達とかを呼んで…っていうサイクルだと、クオリティは絶対に上がっていかない。

納谷 まあそうなんですよね。

増澤 君たちはなにをやりあっているの?っていう。

納谷 耐久性で摩耗していくんですよね。

増澤 そういう層と、もう一つエンターテインメントとして知り合い以外の人にクオリティを担保しますよ、うちはっていうつくり方をしているところで、明らかに階層が分かれるんですよ。で、そのクオリティを担保しますっていう覚悟でつくっていると、チケット料金が上がるわけじゃないですか。

飛世 そうなんですよ。

納谷 当然そうですよね。

増澤 4000円、5000円と上がっていくわけで。5000円払うんだからいいもの見せてねっていう批評的な目でお客さんも来るから、そこにはやっぱり仲間内じゃない何かしらの約束が存在するじゃないですか。それは結構大事なことだと思うんです。地方演劇、それは札幌に限らず、全国の地方都市の演劇っていうものが発展していくためには、ひとつそのクオリティを担保しますっていう公道をひとつ置いておいて、そこでものをつくっていくっていう姿勢がないとたぶん地方演劇って発展していかないと思うんですよね。札幌なんかはそれを率先的にすごくやっている土地で、札幌とか北九州とか。

納谷 そうですよね。それは札幌市、北海道っていういわゆる大きな受け口の方がたぶんちゃんとシステムをつくってくれているというか。

飛世 そうですね。そんな感じがします。

納谷 そこに作り手が甘えちゃいけないとは思うんですけど。

増澤 だからそういうところの方が作り手もやっぱり、そういうものをつくらないと責任とれないぞっていうところに身を置くって大事なことだと思ってるんですよ。そういうイベントがあるって大事。

納谷 そうですよね。それが続いていってるのがすごいし。

飛世 いやなんか、身が引き締まります。

劇中の一場面(撮影:武田智美)

お墨付きであること

納谷 「お墨付き」ですから。

飛世 うわー!今の悪い!(笑)

納谷 面白さはお墨付いてるわけですから。いやでもちゃんと見てお墨付いてるんだなと思いましたよ、これが再演に選ばれる作品なんだろうなって。それこそ最初の20分か、結構見ごたえあったので、これって3幕ものくらいの芝居なのかなと思って。

増澤 一番長いんです。

飛世 一番ここが長いんです。1場がすごく長いです。

納谷 そうなんだ。面白かった。これもう次の場に行ってるのかなと思うくらい面白かったし。

増澤 この20分でその先の滞空時間というか持つ時間が決まってくるから、1場は非常に重要にはなってきますね。

飛世 1場がね…。1場が難しい。頑張りたいところですね。納谷さん、演劇シーズンって『12人の怒れる男』をやられていたりとか、もうトップでこう推されて

納谷 トップではないよ、動員がトップなだけで(笑)

飛世 本当にどうしているのかなっていう。もう背中を追いかけたい!本当に!

納谷 動員は、僕スーツ着て営業回ってましたから。チケット買ってもらうために。

飛世 いや、そうですよね。

納谷 たぶんそういうことやる演劇人はなかなかいなかったと思うんですよね。僕は富良野出身なので、人に観てもらうために、演劇のファンじゃない人たち観てもらうためにどういう方法論があるかって富良野のシステムで考えたものを僕たちは『あっちこっち佐藤さん』っていう作品と『12人の怒れる男』でやっていくなかで、それは間違いなく1000人単位で動員が増えていくということがわかりますけど、それには創作とはまた違う労力が必要でしたよね。

飛世 今もうその状態で、なんかもうパニックになってます。

納谷 でも飛世さんはやってるし、これやると言われるんですよ色んな人に。それを批判的に言う人もいると思うんです。でも貪欲にやるべきですよ。こうやって僕なんかを見学に呼んでくれて、こういうことをやるのも。すごいんですよ、見学者用の台本とか用意してくれてるんです。僕いい見学者でしたね、「すみません、テキスト見せてもらえますか?」って何も知らなかったのに。そこだけ僕、「俺さすがやなあ」と思いましたけど(笑)

3人 (笑)

納谷 そういう意味では、そこに増澤兄さんを擁しているというか、ここでこうやってつくられていくというのはひとつ今まで札幌にはなかったやり方なので面白いなとは思いますよね。

動員を伸ばすこと・その難しさ

飛世 ELEVEN NINESの広報スタッフとして、一回私スタッフでも関わらせていただいて。

納谷 そうですね、ELEVEN NINESの色々手伝ってくれたりもしてたんですけど。

飛世 広報で入って、こんなに動いてるんだ!と思って。こんなにやらないと人には届かないんだって、自分ひとりで頑張っててもこんなのやれない!と思ってOrgofAもたくさん広報とかスタッフさんとかを(お願いしています)。

納谷 すごいですよね。皆さんスタッフの方々がこうやって充実していて。今回演劇シーズンで何人くらいの動員を目指しているんですか?

飛世 いや、1000人目指してるんですけど…。

納谷 1000人は行くんじゃないですか?僕らこの前つい最近やった『オトン、死ス!』ってやつ、2000人を目指してるけど厳しいから1500人くらいはいこうぜって思ってても、僕終わったあと「コロナ終わっておらず」って言いましたけど、1000人でしたよ。

増澤 1000人入ったらすごいですよ。

納谷 いやいや、僕ら5000人呼びましたからね、その時は客演の方々の力もあったけど。それでもELEVEN NINESとして2000人の動員を目指そうよ、でも実際は1500人じゃないの?って言ってて、でも1000人でしたから。そういう意味で作品がどうのこうのっていうよりも、興行としては負け戦なわけですよ。
で、こうやって作品のクオリティも同時に目指しながら興行を絶対に成功させようという若者があんまりいないんですよ。面白ければ人が入るだろうっていうここに居なきゃいけない気持ちはわかるんだけど創作者として。でもそれは現実的に厳しくて、それを何とか実現するために飛世さんはやってるから。でもパトス自体がフルで入ってもいかないのか。

飛世 いや、フルで入れば1000人は越えるかなという感じですかね。

納谷 難しいですよね、キャパの問題と劇場費の問題とみたいなことが戦いとしてはあるから。

増澤 そうですね。チケット代と劇場費と。

納谷 1000人目指しましょうよ。

飛世 いや目指したい。本当に。

納谷 OrgofAはどれくらいの動員なんですか?通常。

飛世 まあ500人が常に。

納谷 まじか。観た方がいいっすよみんな。もうちょっと観たほうがいいっすよ、500人は少ないですよね。兄さんたちがやる場合は違うでしょ?『煙が目にしみる』(劇団だるま座×MAM 共同企画・2023年4月コンカリーニョにて上演)とかはもっと入ってるでしょ?

増澤 いや、全然入ってないですよ。でも500人は入ったか。

飛世 だから500人以降の壁が厚いって感じです。

納谷 そうですよね、お芝居を観ている人たちが「お芝居が面白い」っていうことをやってもらえるくらい面白くならなきゃいけないと思う。やっぱり観ている人にとって「私は楽しい」っていうレベルはたぶんできてると思うんだけど、「面白いから観た方がええで」まではいってないのは創作者として僕たちがもっと頑張らなきゃいけないなとは思うけど、制作はまた別の話ですもんね。
そういう意味では勉強になるくらい頑張って動いていると思いますよ。

飛世 いや~、頑張りますほんと。

新しい形態みたいなものをちょっと探らなきゃいけない

増澤 でも、コロナっていうものが置いていったテーマっていうのはすごくあるなと思ってて。やっぱり東京でも全然戻らないんですよね。

納谷 まだ戻ってないですか。

飛世 そうなんだ。

増澤 だいたい今までの公演の7割とか、そんな感じですよ。戻らないから必然的に、今セット組むにもお金かかるから、木材が爆上がりしてるから。

納谷 そうですよね。

増澤 だからセットを組む予算が増えなきゃいけなくなるし、少ない動員でこれをなんとか回さなきゃいけないってなったときにチケット代を3500円から4000円に上げざるを得ないとか、そういう風な流れがどんどん(出てきている)。
そうなると、じゃあその次どうする?っていうのが今つくる側には求められていて、じゃあそこでどうやってクオリティを担保するとか、一時期配信だったけど単純にチケットを売って演劇をやるってことだけじゃなくて、他に何か広がりのあるアプローチはないのかとか、なんかもうちょっと違う関わり合い方がお客さんとできないのかとか。そういうことを考えはじめる。
クラウドファンディングとかもひとつのやり方だけど、お金のある人が投資してくれてリターンがあってそこで何かしらの違う作り方をするとかだったり。なんかね、そういう新しい形態みたいなものをちょっと探らなきゃいけないなって。ただそれが上手いことどういう風になれば面白くなるのかなっていうのがまだいろんなところが模索中みたいな感じはあると思う。

喋りたい人が劇を観に行くっていう可能性がある 「勝手にアフタートーク」

納谷 僕ら北八劇場でやろうと思ってるのは、全然今回もやってくれていいんですけど、「勝手にアフタートーク」っていうのをちょっと考えていて。

飛世 どういうことですか?

納谷 結局アフタートークっていうと我々が出ていって何か喋って、質問ある人います?ってこれなかなか居ないじゃないですか。

飛世 いないですね。

納谷 パトスならちょっとロビーあるじゃないですか。公演が終わったあと30分くらいそこにお菓子とか置いて、参加する人500円だけ会費くださいって言って観てる人たちで話させるんですよ。もしかしたら30分くらい経ったら誰か来るかも分からんみたいな。

飛世 聞いてくださいよ。うち琴似の飲食店でそれを計画していて、割引券を持ってお店に行ったら後々キャストがちょっと顔出すよっていうカフェみたいなのをやろうかなって。
(制作注:企画案として上がりましたが、実行まで至らず、今公演では見送りとなりました。)

納谷 どうもそれ東京とかね、ハイバイの岩井秀人さんとかと話してて。やっぱり店になると一個頑張らなきゃいけないんだけど、終わったあとそこでお菓子が出てて500円払ったらそこで話せるなら、友達と行ったりとかひとりで行ってる人も「こんにちは、どうでした?」みたいなことになっていく。そういうことやると観客が根付いていく可能性があって、北八劇場って隣にホテルがあって商業施設が連動してるので、そういう風な場所を毎回やってみることを考えてます。
だから支配人に言われてるのは「納谷さん、2時間の芝居はつくらないでください」って。7時からやって2時間になると9時になっちゃうから帰らなきゃいけない、1時間半だと30分はそのあと観た人たちみんなで共有してってなっていく。

増澤 サロン化するっていうのは結構面白いですね。

納谷 そうですよね。今回なんかは兄さん出られてないじゃないですか、だから兄さんがファシリテーターで「ありがとうございました!勝手に喋っていってください!」みたいなこと言って、何か質問ある人だけ来てもらえれば答えますみたいな。みんなの前で手あげて質問は嫌だけど、すみません増澤さん、ちょっと一個聞いてもいいですか?っていうのはたぶんあると思うから、そういう場を恒常化していくことで。喋りたい人が劇を観に行くっていう可能性もあるからね。


■次世代への思い

今は若者に期待しかない

飛世 もうひとつ聞いてもいいですか?

納谷 もちろんですよ。

飛世 私もまだお兄やん二人と比べたら若輩者なんですけど、若者たちにどういう期待を持ってますか?

納谷 期待しかないですよ。
僕は今までとは明らかにそこの立ち方は変わっていて、新しい劇場に関わるまでは本当に若者嫌いでしたし、腹立つし。
で、若い頃は「今の若い者は…」なんて言う大人大嫌いって思ってて。
(自分がそれを)言う世代になったじゃないですか、なるべくそれを言わないように考えてたけど。
でも新しい劇場に関わることになった今はただただ若者に期待しかないですよ。そしてこれ一個間違えると「それは納谷、迎合なんじゃないの?」って言われるけど迎合ではなくて、若者たちがなるべくストレスを感じずに関われるオッサンの創作者でいなければならないなとは思いますよね。
好きとか嫌いではなくて札幌にも一定数若者たちの才能は間違いなくあって、この才能たちが道外に流出しないように。この人(増澤さん)流出してますからね。

飛世 そう、増澤さんは流出しちゃったの。

増澤 そんなことはないよ。

納谷 流出して、まあ戻ってきてますけど。

飛世 だからなんか、逆輸入してる感じがするの。

納谷 これ戻ってくるまでに何年かかってんねんって話ですから。
新しい劇場に関わる僕としては、若い才能がちゃんと札幌でもなにかになるために。今のこの時代もありますよ、いわゆる我々みたいな立場の人間がハラスメントというひとつの大きな問題にぶち当たってる中で、そこをちゃんとバランスをとりながら若者たちがストレスフリーでやれるようになればいいなと思いますよ。若者たちのためじゃないですよ、それが10年20年、30年後かも分からないですけど、「納谷すごかったなあ」って言われるためにやってますから(笑)

3人 (笑)

納谷 納谷のあれがすごかってんって言われるために、ストレスフリーで(笑)

飛世 ちょっと今感動した心が(笑)

納谷 今まではね、ゲージに入れてたんですよ。でもやっぱり放牧メインの

増澤 あ~、放牧大事ですよ。

飛世 なんの話?

遠藤洋平(以下遠藤) 放牧者だから。

納谷 放牧大事ですよね。ただ帰ってこない奴いっぱいいますけどね。芝に放牧したら笛吹いても、あれ?もっと多かったのに!って思いますよね(笑)戻ってけえへんでっていうのはあるんだけど、放牧メインの時代になってますよ。

増澤 そうですね。放牧メインの時代ですよね。

納谷 で、戻ってきたい我々で居なきゃいけないんですよ。

増澤 うんうん。

納谷 あそこいたらストレス!みたいなんじゃダメなんですよ。あそこ行ったら

飛世 めちゃくちゃ楽しい~!って

納谷 楽しいだし、僕は芸術監督という係をやりますけど、僕がつくるものが面白くなければその効力は失われるでしょうし、そこはとにかくキープしなきゃいけないなとは思ってますね。ぜひ北八劇場で!

増澤 ぜひ北八劇場で(笑)

劇中の一場面(撮影:武田智美)

憧れの対象に僕らもずっとなっていかなきゃいけない

遠藤 僕、大学生のとき演劇サークルをやっていて、札幌演劇シーズンっていうのはただただ憧れの対象だったんですよ。

納谷 憧れだったんですか?

飛世 いや憧れですよ。今の若者もたぶんめちゃくちゃ憧れてる。

納谷 それすごいですね。

増澤 でもそうなんじゃないの?憧れるんじゃないの?

遠藤 こんなに例えばポスターとかつくって、巨大パネルが展示されて、なんだこんな空間は!?ってずっと思ってて。

納谷 すごいね。いい子ですよね。僕なんか「こんなクソおもろないものが演劇シーズンに選ばれやがって!」って思ってたと思いますよ。

3人 (笑)

納谷 僕はある程度オッサンだったのでそう思わなかったですけど、若かったら「チッ、絶対俺の方がおもろいわ」って思いながらやってたでしょう?

飛世 私そっちタイプ。

納谷 そっちタイプでしょ?だから偉いんやね。優しいんや。

遠藤 僕BLOCH(演劇専用小劇場BLOCH・札幌市中央区・約100席)でずっと演劇サークルはやってたけど、いざコンカリーニョ(札幌市西区・約170席)で客席で観たときに、キャパがやっぱりBLOCHより大きい劇場なんて知らないから、「こんなに大きい劇場でいつか何かやりたい…!」ってずっと思ったりしてて。そういうものっていうのはやっぱり僕らの下の世代も感じていてほしいな、その憧れの対象に僕らもずっとなっていかなきゃいけないななんて思ってはいますね。

納谷 たぶんなるんじゃないですか。そういう風な憧れの対象になっていくんだと思います。

増澤 ぜひ北八劇場で!(笑)

納谷 北八劇場はそういう劇場にしなくちゃいけないんですよ。10代の子たちが「ここでやりたい!」っていう風に。そういう意味ではシステムというか新しさと場所に関してはそう思われることは確定しているので、あとはそこに関わる僕がどういう風にしてそれを、なんというんですかね。

増澤 ザ・スズナリ的なポジション。

飛世 あ~!ここに立ちたい!ていう。

納谷 これちょっと分かっててもらいたいのは、「惜しみなく」っていうのがテーマでありますからね。惜しみなくやってもらえればと本当に思ってますからね。そのためにはある程度のクオリティは僕たちが劇場として担保しなきゃいけないっていうのもあるんですけど。

飛世 そうですよね。この劇場で打つものはこのくらいのクオリティは絶対にあるっていうのはありますもんね。

納谷 っていうことをやらねばならないんですけども、ただまあ今年は1年目なので色んなことをトライしていきたいと思ってるので。

飛世 いや~そうか。頑張ろう。いやなんか嬉しいです、お二人の話が聞けて。

納谷 こんな話するのもう何年ぶりですよね僕たち。

増澤 ですよね。

納谷 僕らその、増澤兄さんって呼ぶんですけども一緒に共演させていただいてるので。その一回だけですもんね何か一緒にものをつくったのは。

増澤 そうですね。あれだけですね。

納谷 『CUT』(Takayuki Suzui Project OOPATS・2010年上演)というね作品でご一緒させていただいて、ツアーも一緒に回りましたもんね。

増澤 回りました。あっちこっち旅して。


■最後にエール

飛世 最後、公演に向けて何かエールがあったら!

納谷 エールですか?もう大丈夫ですよ。大丈夫じゃないですか?

増澤 何かエールくださいよ。

飛世 エールほしい!

納谷 (動員数)1000人です。本当に作品のクオリティはお墨付きなんで、僕も墨は付けましたよ。

飛世 やったあ!納谷さんのお墨が付いた!

納谷 面白いと思いますよ。なのでこれをどうやって成功してもらうかは、僕も手伝えることがあれば手伝いますし、でも観に来てくれるお客さんは1000人を目指した方がいいと思うんですよね。1000人目指して900人くらいでも1000人って言おう(笑)

3人 (笑)

納谷 作品にエールっていうよりも、たくさんの方に観てもらうという結果が飛世さんを一番喜ばせると思うので。だってこれ1週間前にソールドアウトしたらあと1週間この人たち劇のことだけ考えればいいわけですから、主催団体としてはね。

飛世 本当にそうなんです!

納谷 でもその時にまだ2割しか売れてなかったらね?

飛世 もうパニックです!

納谷 劇やらなきゃいけないのに、どうすんのこれ!?ってなるじゃないですか。これやばいもんね。

飛世 そうなんです。今その感じ。大丈夫!?って。

納谷 まだ3週間あるから、こっからぐんと伸びてね。本当にこれ見てくれている方、是非応援するならチケットをたくさん買ってくれると、結果作品のクオリティも上がると思うので。頑張ってください!

飛世 ありがとうございます!ということで対談を終えたいと思います。ありがとうございました。


4名のお話はいかがでしたでしょうか?
多くの時間をかけてたくさんの話題をお話しいただきました、
納谷さん、増澤さん、遠藤さん、ありがとうございました。
OrgofA、および代表の飛世も含め、対談参加者の活躍を楽しみにお待ちいただければ幸いです。
機会をいただきまして、誠にありがとうございました。

■対談参加者の今後の予定

★納谷真大

・芸術監督を務める 北八劇場
 北八劇場公式ページ

・北八劇場 杮落し公演『あっちこっち佐藤さん』(演出)
 2024年5月11日(土)〜6月9日(日)/北八劇場

 公演詳細ページ

★増澤ノゾム

・第1回劇団だるま座秘密基地の会『ビバーク!』(脚本・演出)
 2024年3月11日(月)〜17日(日)/アトリエだるま座

 公式サイトページ
 増澤ノゾム扱いのチケット予約フォーム

★遠藤洋平

・ヒューもわ
 第3語目に喋った言葉「ヒュー妄」記念 “HUMOWORK”(出演)
 2024年4月27日(土)〜29日(月祝)/演劇専用小劇場BLOCH
 
詳細はヒュー妄 公式Xにて

★飛世早哉香

・劇団words of hearts第18回公演 「この生は受け入れがたし」(出演)
 2024年4月25日(木)〜28日(日)/ターミナルプラザことにパトス
 
劇団公式サイトページ
 特設ページ

★OrgofA 次回公演

 2024年7月公演予定
 詳細は随時公開
 団体公式サイト
 SNS総合サイト


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