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フィットネスと睡眠についての考察

睡眠中の体


睡眠中、私たちの体内ではさまざまな細胞が修復や再生の作業を行っています。
睡眠中は「休養」していると思われがちですが、多くの機能が低下する中、一部の機能は活発に働いているのです。

中でも脳は活動的です。
睡眠中に精神的な落ち着きを取り戻すために働き、目覚めたときには脳の機能が向上していることが分かっています。
例えば記憶力の向上や学習速度の向上、予期せぬ緊急事態に素早く対応するといったことができるようになっています。

同様に筋も活動しています。
活動といっても、骨格を動かすような活動ではなく、筋の形成や修復が行われています。
筋肉痛が軽減されたり、なくなったりするのは、睡眠時の働きによるものなのです。

実際に、「起きている時間」と「睡眠時」に必要とされるエネルギーの差は、わずか50kcalであることを考えると、睡眠中にも脳や体がどれほど活動しているかが分かります。

睡眠において考えられる問題点は、起きている状態から寝ている状態への移行が難しいという事です。
実は、日中の脳の状態と睡眠時の脳の状態は、異なる種類の活動をしています。
そのため、その脳の切り替えがなかなかできない場合には、「寝付きが悪い」という状態になってしまうのです。

眠りにつくための3つの方法


スポーツを行う前にストレッチや準備運動を行うのと同じように、気持ちよく眠るためにも適切な準備をしておく必要があります。
体だけでなく、脳も同じように眠りに着くための準備運動ができますので、ここで3つの方法を紹介します。

①マントラ効果
同じ言葉を何度も繰り返し呟いたり考えたりすることで、脳がそのことに飽きてしまい、意識が働いている状態をシャットダウンしていきます。これをマントラ効果と言います。
その「言葉」とは、「短い言葉で単調なリズムがあり、覚えやすいもの」です。
このような単語を自分で作ってみましょう。

②羊を数える
羊を数えれば眠りにつく事ができるという話は古くからあるものです。
基本的な数え方は、1~100までゆっくり数え上げるか、100~1を数え下げるかのどちらかです。
数字を数える事に対しては、脳が活発には働かないため、自然と眠りにつきやすくなるということです。

ここで注意が必要なのは、日本語の「ヒツジ」ではなく、英語の「Sheep(シープ)」と発音することがポイントです。
一説によると、シープの発音で自然と腹式呼吸が促され、眠りにつきやすくなるという説も。



③ビジュアライゼーション
ビジュアライゼーションというものは、体も心も落ち着かないときにより効果的です。
静かな森の中やビーチなど、完全にリラックスできる場所を鮮明に想像してみましょう。想像する事で、余計な考えが無くなり、リラックスする事ができます。

眠っているときに筋肉は成長する


眠っている間は、内分泌系の働きが活発になり、成長ホルモンや甲状腺ホルモン、メラトニンの分泌などが行われています。
そして反対に、これらを分泌させるためには十分な睡眠が必要になります。
しかし、過度な睡眠は体に逆効果を与える可能性があることも理解しておきましょう。

過度な睡眠は、筋肉の緊張感を低下させすぎてしまい、起床後に体を動かそうと思っても、思うように動かないといったことになります。
そのため、自分に最適な睡眠時間を覚えて、その時間を守るように生活する事が最善の方法です。

また「8時間の睡眠が良い」などと言われることもありますが、誰もが8時間の睡眠をとれるとは限らないという事も覚えておきましょう。
睡眠時間の長さは人それぞれであり、ストレスや疲労、ライフスタイル、睡眠習慣などによっても異なります。

体はある程度の睡眠時間の変化には適応でき、一時的に短くて大丈夫です。
しかし、仕事でミスが多発するなどの問題が発生したときは、明らかな睡眠不足が原因です。そういった場合はきちんとした睡眠時間を確保する必要があります。

睡眠の質を確保し、睡眠時間と起床時間のバランスをとることは、健康な体だけでなく、健康な心を維持するための重要なポイントなのです。

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