― 第三十六話 コブラ ―
子コブラ「ママ!またオレ呼ばれなかったよ!いったい何なんだよ、アイツ!」
母コブラ「よしおちゃんっ!パパのことをアイツなんて言っちゃいけません!」
子コブラ「だってママっ!アイツ、前はさ、よく俺を出してたくせにさ!最近は何かあるとすぐキングコブラのやつを呼ぶじゃん!あいつのあの首振りなんて、客もがっかりするよ!な?ママだってそう思うだろ?」
母コブラ「パパだってきっとよしおちゃんのこと考えてますよ。すぐにまた呼んでくれます。」
子コブラ「絶対そんなことないやっ!ほらっ!あっちでさ、笛吹いてるあのアイツの姿を見てみろよ!ああ、キモっ!あんなに体ゆらしちゃってさ。恥ずかしいったらありゃしねぇよ!」
母コブラ「まぁまぁ、よしおちゃん。ほら、このプーンギー(蛇使いの使う笛)、見てごらんなさい。これ、よしおちゃんの大好きなプーンギーだわねぇ。きれいだねぇ。かわいいねぇ。お前が小さいときはよくこんな可愛いプーンギーで練習してたもんだよ。」
子コブラ「うるせえ!もう俺は二度と練習なんかしねぇからなっ!」
母コブラ「ああっ、よしおちゃん!どこ行くのっ!」
子コブラ「もう俺なんてどうなったっていいんだよっ!」
母コブラ「よしおちゃん!外にはマングースがたくさんいるのよっ!よしおちゃん!もどっておいで!」
子コブラ「うるせえっ!・・・・あ!・・・・・うわぁっ!!!マ、ママぁ~!!!!」
母コブラ「あああっ!よしおちゃぁ~んっ!!」