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ハーバード大学の「Roadmap to Pandemic Resilience」を意訳してみた

Apr 24, 2020のmediumからの転載記事です。

2020年4月20日にハーバード大学からコロナパンデミックから回復していくためのロードマップが発表されました。非常に興味深い内容だったので英語の勉強がてら「意訳」しています。#howwereopenというタグで諸々でています!MODEもセンサーやデータを取得する会社としてこの施策に少しでも役立てるように開発を進めています!
※専門家でも英語が得意でもないので、間違いあればご指摘ください。

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“This is the first plan to show operationally how we can scale up COVID-19 testing sufficiently to safely reopen the economy — while safeguarding fundamental American democratic principles of protecting civil rights and liberties,” said Danielle Allen, Director of Harvard University’s Edmond J. Safra Center for Ethics. “This Roadmap will move us from can’t-do America, to a new era of can-do America.”

ハーバード大学のエドモンド・J・サフラ倫理センターのダニエル・アレんは「これは市民の権利と自由を守るという基本的なアメリカの民主主義の原則を守りつつ経済を安全に再開させるためにCOVID-19のテストを十分に拡大する方法を運用面から示した最初の計画です。
このロードマップは私達を「できない」アメリカから「できる」アメリカの新時代へ導くでしょう。

Among the report’s top recommendations is the need to deliver at least 5 million tests per day by early June to help ensure a safe social opening. This number will need to increase to 20 million tests per day by mid-summer to fully re-mobilize the economy and keep it open.

報告書のトップ勧告の中には、安全に社会を開放するために、6月初旬までに1日当たり少なくとも500万回のテストを実施する必要があることが挙げられている。この数は、経済を完全に再動員して開放を維持するためには、夏の半ばまでに1日あたり2,000万回のテストを実施する必要がある。

“The unique value of this approach is that it will prevent cycles of opening up and shutting down,” said Anne-Marie Slaughter, CEO of New America. “It allows us to mobilize and re-open progressively the parts of the economy that have been shut down, protect our front-line workers, and contain the virus to levels where it can be effectively managed and treated until we can find a vaccine.”
Allen added: “This Roadmap is the only approach to BOTH contain the virus and ramp back up to vibrant economic life. And, in the long term, it allows us to build an infrastructure of pandemic resilience that will serve us well when the next health crisis or disaster hits, while improving community health.”

このアプローチのユニークな価値は、開放と閉鎖のサイクルを防ぐことですと、ニューアメリカのCEOであるアン=マリー・スローターは述べています。これにより、経済が停止している部分を徐々に動員して再開し、第一線で働く労働者を保護し、ワクチンが見つかるまでウイルスを効果的に管理・治療できるレベルまで封じ込めることができます。
アレン氏は、「このロードマップは、ウイルスを封じ込め、活気ある経済生活を取り戻すための唯一のアプローチです。そして、長期的には、次の健康危機や災害が発生したときに役立つパンデミック耐性のインフラを構築し、地域社会の健康を向上させることができます。」と加えた。

Executive Summary

COVID-19 IS A PROFOUND THREAT TO OUR DEMOCRACY, COMPARABLE TO THE GREAT DEPRESSION AND WORLD WAR II. As ever, the greatest bulwark of democracy is us. What we do together — for one another and even more, with one another — to fight this terrible disease, protect human life, secure our institutions, and prevent the destruction of our economy will determine whether free societies will prove resilient in the face of existential
emergency.
What we need to do is much bigger than most people realize. We need to massively scale-up testing, contact tracing, isolation, and quarantine — together with providing the resources to make these possible for all individuals.
Broad and rapid access to testing is vital for disease monitoring, rapid public health response, and disease control.
We need to deliver 5 million tests per day by early June to deliver a safe social reopening. This number will need to increase over time (ideally by late July) to 20 million a day to fully remobilize the economy. We acknowledge that even this number may not be high enough to protect public health. In that considerably less likely eventuality, we will need to scale-up testing much further. By the time we know if we need to do that, we should be in a better position to know how to do it. In any situation, achieving these numbers depends on testing innovation.

COVID-19は我々の民主主義への大きな脅威であり、世界恐慌や第二次世界大戦に匹敵するものだ。今までと同様に民主主義の最大の防波堤は私達人間です。わたしたちが一丸となってすること、つまりお互いのためにこの恐ろしい感染症と戦い、人々の生命を守り、制度を守り、経済の破壊を防ぐためにすることは自由な社会がそこにある危機に直面した時に回復力(Resilience)を発揮できるかどうかを決定するでしょう。
わたしたちがすることは多くの人々が認識しているよりもとても大きいです。わたしたちは検査や接触機会の追跡、隔離、検疫を大幅にスケールアップしなければならない。そしてすべての個人にそれらが可能になるリソースを提供します。
広範囲で迅速なテストへのアクセスは疾病モニタリング、迅速な公衆衛生対策、疾病管理の不可欠な要素です。
わたしたち社会を再度開放するために1日に5百万回のテスト(検査)を6月初旬に提供する必要があります。この数字は完全に経済を動かすために、時間を掛けて(理想的には7月下旬)1日2000万回のテストまで増やす必要がある。わたしたちは2000万回でも公衆衛生を守るためには足りないと考えています。かなり可能性の低い結果として、わたしたちはさらにテスト(検査)を増やす必要がある。それが必要かどうか知るときまでに、わたしたちはそれのやり方を知っているでしょう。どんな状況でも、これらの数値を達成するかどうかはテストのイノベーションにかかっています。

Between now and August, we should phase in economic mobilization in sync with growth in our capacity to provide sustainable testing programs for mobilized sectors of the workforce.

現在(04/20/2020)から8月までの間にわたしたちは動員された労働局(?)に持続可能な検査プログラムを提供する能力の成長に同期して、段階的に経済動員を実施すべきである。

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このアプローチの最も大きな価値は「再開」と「シャットダウン」のサイクルを繰り返す必要がないことである。それによって経済が停止している部分は着実に再開し、前線の労働者を守りながらワクチンが見つかるまでウイルスを効果的に管理し、治療できるレベルまでウイルスを封じ込めることができるだろう。
わたしたちはボトムアップ型のイノベーションとその参加者、トップダウン型の決定と保護を同時に実現することができます。わたちたちの連邦制度の目的はそこにあります。
この政策ロードマップは強力な社会的支援もしくはTTSIと一緒に大規模なテストと接触機会の追跡、社会的な隔離がどのようにここの安全や愛する人々の安全という点において、信頼を構築できるか書かれています。
これは順番に移動や経済動員の刷新を支援していくだろう。

is designed to educate the American public about what is emerging as a consensus national strategy. The work has been produced in partnership with The Rockefeller Foundation and builds on important work already released by Johns Hopkins Center for Health Security, the Duke Margolis Center for Public Health Policy, Center for American Progress, and the American Enterprise Institute.

この文章はコンセンサス国家戦略として台頭してるものについて、アメリカ国民に啓蒙するために書かれたものである。このワークはロックフェラー財団とのパートナーシップによって制作されたもので、これまでロックフェラー財団が発表してきた重要な資料をベースにしています。

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このロードマップにあるキーポイント:
わたしたちが必要な検査と隔離支援のレベルは人々の接触機会の追跡、それらのて接触の検査の必要性についての警告、それらへのテスト、そしてCOVID-19の陽性の人々の隔離がどれほど効率的にできるかにかかっている。
成功するために、隔離は仕事の保護、リソースのサポート、ヘルスケアと一緒に支援されるべきである。
州により設立、地方保健局に管理されているプログラムにおいて、テストや公衆衛生の対応は完全に市民の自由、法への適正手続、非差別、データと健全なプライバシー保護、健全な倫理に完全に沿うべきである。

これらを実現するためには、以下のことが必要です。

・テスト方法のイノベーション
・連邦政府によって設立されたパンデミック検査委員会は強力ではあるが、範囲の狭い権限を持ち、検査の共有と検査の開発に必要なインフラを確保する権限をもたせるべきである。
・連邦政府と(または)州は法への適正手続、市民の自由、平等な保護、非差別、プライバシー保護の基準を州の検査プログラムにおいて案内をする
・テスト管理プロセスと隔離サポートリソースの設定において、地方保健のリーダー、市長、部族の指導者、その他の公務員をサポートするためのフレームを準備
・市、郡、保健所を結ぶ地方レベルでの組織的なイノベーションであり、その内容は州によって異なる。
・個人の接触機会の追跡への連邦政府、州の投資については10万人規模からスタート(JHU健康安全保障センターからの提言)
・ピア・ツー・ピアの警告アプリの使用、最大限のプライバシー保護、独立して規制監査のためのオープンソースの利用の可能性、これらのデータの商用利用の禁止など含めた設計に関するガバナンスと実施を明確にする。理想的には先制的な法律として達成するとなおよい。
・職業の保護の形での検疫や隔離、検疫、隔離期間中に健康管理できるだけの物資支援。
・米国公衆衛生サービス隊と医療(または健康)予備隊(有償奉仕の役割)の拡大、各州の州兵部隊に健康予備隊が追加される。
・全米感染症予測センターによる疾病追跡の近代化

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目次
セクション1:紹介
セクション2:コアコンセプト
セクション3:セクター別のフェーズ
セクション4:管轄責任
セクション5:ビジネスの役割
セクション6:労働者の役割
セクション7:市民社会の役割
セクション8:疫病監視の近代化におけるDuke Margolis Centerレポートのエンドース
セクション9:ジョンズ・ホプキンス大学の「国家の連絡先追跡要員の大規模化に関する報告書」のエンドース
セクション10:COVID-19対策のための革新的な組織戦略の活用に関するマクリスタル・グループ報告書のエンドース
セクション11:要約と結論
参考A:パンデミック検査委員会
参考B:検査サプライチェーンのメカニズム
参考C:大学のテストプログラムのキーコンセプト
参考D:地方レベルでのイノベーティブな組織戦略
参考E:奨励の要約
とりあえず子供が騒ぎ始めたので今日はここまで。需要あれば他も意訳します。特にセクション5と11あたり。では!

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