スコッチウイスキーってなんだ?
スコッチ・ウイスキー(英語:Scotch whisky)とは、
英国スコットランドで製造されるウイスキーのこと。
日本では世界5大ウイスキーの1つに数えられる。
現在のイギリスでは後述のとおり
2009年スコッチ・ウイスキー規則により
定義され、糖化から発酵、蒸留、熟成まで
スコットランドで行われた
ウィスキーのみがスコッチ・ウィスキーと呼ばれる。
麦芽を乾燥させる際に燃焼させる
泥炭(ピート)に由来する
独特の煙のような香り(スモーキーフレーバーと呼ぶ)が
特徴だが、銘柄によってこの香りの強さはまちまちである。
ウイスキーはイギリスにとって主要な輸出品目の1つであり、
その輸出規模はおよそ200か国、日本円にして6000億円。
ウィスキーの全生産量のうち、スコッチ・ウイスキーは
およそ7割を占める。
「スコッチウイスキー」とは、
イギリス北部のスコットランド地方で蒸溜、
熟成されたウイスキーの総称です。
「穀類を原料として、酵母により発酵させ、
アルコール分94.8度未満で蒸溜し、
700L以下のオーク樽で最低3年以上熟成させ、
最低瓶詰めアルコール40度以上」
これがスコッチウイスキー法での定義です。
麦芽を乾燥させる際にピートを使用するため、
独特のスモーキーフレーバーがついているのが特徴。
スコットランドのモルトウイスキーは、
ワインやその他の酒類と同様、
地域別にタイプ分けされてきました。
■スコットランドの蒸留所
ハイランド、ローランド、スペイサイド、アイラ、キャンベルタウンの
5地域です。
モルトウイスキーの蒸留所
スコットランド各地にはモルトウイスキーだけで
100を超える蒸留所が存在します。
伝統的には酒類生産免許に関する規制の違いに基づき、
ハイランド、ローランド、キャンベルタウン、アイラの4地区に
分類されるが、ハイランドからとくに蒸留所の数の多い
スペイサイドと、オークニー諸島などの島嶼部(アイランド)を
独立させ、6地区に分類する方法も採用されている。
2009年スコッチ・ウイスキー規則は、
スペイサイドをハイランドから独立させる形でハイランド、
ローランド、スペイサイド、アイラ、キャンベルタウンの
5つの地域を伝統的な生産地域に定め、その保護を謳っている。
ハイランド (Highland)
ダンディー - グリーノック間の想定線以北を
ハイランド地方といい、およそ40の蒸留所が存在する。
製造されるウイスキーは様々で共通する特徴を
見いだすのは難しい。
ピートがして飲みごたえのあるものが多く、
北部ほどその傾向が強い。
一般にハイランドは東西南北の4地区に分類される。
スペイサイド (Speyside)
スペイ川、ハイランド地方東部のスペイ川およびデブロン川、
ロッシー川の流域をスペイサイドといい、
スコットランド全土の約半数、およそ50の蒸留所が存在する。
大麦の収穫量が多くピートが豊富な地域で、
密造時代にはおよそ1000の密造所が存在した。
「スペイサイドモルトは、全モルト中で最も華やかで
バランスに優れた銘酒揃い」と評している。
スペイモルトは全体的に華やかな甘みを有する。
ローランド (Lowland)
ダンディー - グリーノック間の想定線以南をローランド地方という。
かつては多くのモルトウイスキー蒸留所があったが衰退し、
1995年の時点で操業しているのは3箇所である。
ちなみにグレーンウイスキーの生産やブレンド、麦芽製造については
今なおローランドで最も盛んに行われている。
他の地区の2回蒸留に対し3回蒸留を伝統としていたが、
2008年3月の時点で3回蒸溜を行っているのはオーヘントッシャンのみ。
穏やかな風味のウイスキーが多い。
アイラ (Islay)
ヘブリディーズ諸島の最南端に位置するアイラ島には8つの蒸留所がある。
蒸留所は海辺に建てられており、その影響からアイラ・モルトはヨード臭が
し、さらにピート由来のスモーキーさを持つ。
アイラ島は気候が温暖で大麦の栽培に適し、ピートが豊富で良質の水が手に
入ることから、伝統的にウイスキー造りの盛んな地域である。
キャンベルタウン (Campbeltown)
キャンベルタウンは、キンタイア半島先端にある町である。
かつては30を超える蒸留所が存在し、モルトウイスキー造りの中心地で
あったが衰退し、2008年3月の時点で3箇所のみとなっている。
禁酒法時代のアメリカに向け粗製濫造のウイスキーを密輸したため
、禁酒法が解除になった際に見向きもされなくなったのが
大きな原因とされている。
キャンベルタウンモルトの特徴としては
「香り豊かで、オイリー、塩っぽい風味を持つこと」が挙げられる。
アイランズ (Islands)
アイランズとは、オークニー諸島、スカイ島、マル島、ジュラ島、アラン島
にある6つの蒸留所をいう。
これは蒸留所が島にあるという地理的な分類であって、
アイランズ・モルトに共通する特徴は見られない。
2009年スコッチ・ウイスキー規則では独立させずにハイランドに
含まれている。
■使われる樽で変わる味わい
スコッチウイスキーを熟成させるのに使う樽は
オーク材だが、その樽は一度ウイスキー以外を詰めた
樽を使う。大きくはシェリーが詰められていた
シェリー樽、バーボンが詰められていた
バーボン樽、プレーン樽に分けられる。
そもそもは、イギリスに大量に輸入されていた
シェリー酒の樽が身近にあり、それを使用して
いたのが最初だが、20世紀初めにウイスキーの
大量生産時代が訪れると、樽が足りなくなってしまい、
バーボン樽も使われ始めたと言われている。
現在は、バーボン樽が主流となり、シェリー樽は
現在、希少価値がある。
シェリー樽
シェリーの色、香りが移り、赤みを帯びた
豊かな甘みを持つ。
バーボン樽
ライトなブラウン色に、バニラのような風味と
柑橘系を思わせる香味がある。
■シングルモルト?ピュアモルト?シングルカスク?
「ピュアモルトウイスキー」とはどんなウイスキーですか?
「ピュアモルトウイスキー」とは、
モルトウイスキー100%のウイスキーです。
多くの場合はシングルモルトウイスキーと同義ですが、
複数の蒸溜所のモルトをブレンドしたヴァッテドモルトウイスキーを
指す場合もあります。
最近スコットランドでは「ブレンデッドモルト」と言われることもあります。
「シングルカスク」とはなんですか?
「シングルカスク」とは1つの樽のウイスキーだけを
瓶詰めしたウイスキーのことです。
樽出しのアルコール度数である50~60度位
カスクストレングスといいます)のままであることが多いです。
「グレーンウイスキー」とはどのようなウイスキーですか?
「グレーンウイスキー」とは、とうもろこし、ライ麦、小麦などの穀類を
主原料とし、そこに大麦麦芽を糖化酵素として加え
製造されたウイスキーです。
蒸溜の段階で、連続式蒸溜機を使用することが特徴です。
糖化、発酵、蒸溜、貯蔵という工程はモルトウイスキーと同じです。
個性の強いモルトウイスキーが「ラウド(声高な)スピリッツ」と
呼ばれるのに対して、グレーンウイスキーはおだやかな性格で
「サイレント(寡黙な)スピリッツ」と呼ばれます。
この両者をブレンドすることによりできる
ブレンデッドウイスキーは、
口当たりのよい飲みやすいウイスキーになります。
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