見出し画像

銀河鉄道999 赤い星ベテルギウス いのちの輝き(プラネタリウム上映作品)の感想

※10年前の作品ですが、思いっきりネタバレをしています。これから観に行く予定の方は読まずにお帰りください。

茨城県のつくばエキスポセンターには大きなプラネタリウムがあります。完成した当時は世界最大級の大きさで、大学生としてつくば市へやってきた自分にとって、初めてのプラネタリウム体験でした。土曜の夜には音楽を聴きながら星空を楽しむイベントが開催されて、よく見に行ってました。

つくばエキスポセンター。旧つくば科学万博第2会場

時は流れ、現在では全天8K相当のマルチプロジェクションシステムが導入されていて、星だけでなく、超美麗な映像も楽しめるようになっています。

一昨年くらいからまたプラネタリウムに通うようになった私。2023年の冬に、プラネタリウム入り口に設置されている松本零士先生の追悼コーナーの一角に「銀河鉄道999 赤い星ベテルギウス いのちの輝き」の再上映の案内が掲示されていました。

なにこれ知らない…ファンの風下に置かれている私

銀河鉄道999ファンの私なのにこの作品を知らず、「このリハクの目をもってしても」と慌ててネットで調べたところ、2014年の作品とのこと。ポスターを見るとテレビアニメ版準拠かな?と思いながら、リバイバル上映開始を心待ちにしていました。

2023年12月、ついにそのときがやってきました。
プラネタリウムの全天に映像が映されます。劇場版作品を超える超臨場感です。

暗闇の中を発車する999号、メガロポリス中央駅のホームからのトンネルであろう暗闇を抜けると、一面に夕暮れ時のメガロポリスの風景が現れます。線路を走る999号!車窓からは美しいメガロポリスのビル群が!
それは原作・劇場版とは発車時刻は違うけれど、鉄郎が車窓から見た美しい風景。

私はこのシーンを見て号泣してしまいました。
ああ生きていて良かった!
ずっとこの風景を見ていたい!
どうして2014年にこの作品を見なかったのだろう!(でも今の設備のほうが綺麗なので許して欲しい)
感情はぐちゃぐちゃになり、涙で視界がぼやける中、999号は地球を急角度で飛び立ちます。この角度は銀河鉄道物語だわ。

そして宇宙を走行中の999号。999号は原作ベースで一部劇場版に寄せているのかな?というデザイン。軌道システムは原作版だ。
メーテルと鉄郎のキャラクターデザインも原作に寄せています。メーテルはひたすら美しいですが、怖い感じが原作調。

車中ではメーテルが、今走行している付近にあるベテルギウスについて鉄郎に説明するのですが、さすがプラネタリウム番組。科学的に正確な解説が映像とともになされます。映像なのに漫画のコマを読んでいるかのような演出が素晴らしいです。メーテルが美しいのですよ。
もちろん車掌さんも登場します。肝付兼太さんの声を聴いてまたじんわり涙が。

場面は進み、ベテルギウスにてトラブルが発生、999号が機能停止して星の重力につかまり落下していきます。車内に鉄郎のパンツが散乱しますが何故かメーテルのそれは1枚もない!理不尽だ!!
果たして鉄郎達は、999号を再起動させてベテルギウスから脱出できるか!?がストーリーのクライマックス。
もちろん再起動に成功してすんでのところで墜落を回避するのですが、機関車の声がまさかの銀河万丈さん。戸谷公次さんや柴田秀勝さんの機関車と比べてなんか強そうで笑えました。敢えて言おう!

しかしこのままハッピーエンドには至りません。さらなる危機が発生し、999号は絶体絶命のピンチ!
これを救うために現れたのがキャプテンハーロックのアルカディア号!!
アルカディア号の主砲で999号は救われるのですが、
いやいやいやその演出は宇宙戦艦ヤマトだろう!!!!!
ということで、「宇宙戦艦ヤマト2199」の第8話「星に願いを」をみんな見よう!もちろん「宇宙戦艦ヤマト」でもよいです。

とにかく全編を通じて映像が美しい!
そして松本零士原作の世界観をきっちりと描いており、TVアニメ版、劇場版とは異なる独自の美しさに目を奪われます。
そして動く椅子に座っているのかと錯覚してしまうほどのアングル変化は映画館では決して味わえないプラネタリウムならではの体験です。
もちろん星の美しさ、実在感はシリーズ随一です。

銀河鉄道999ファンなら絶対に見るべき作品です。
お近くのプラネタリウムの上映案内をチェックしてくださいね。

おまけ 2回目の鑑賞

2024年1月に2回目の鑑賞をしました。
地球からの出発シーンは1回目の記憶と比べて一瞬で終わってしまい、驚きました。
1回目は感動のあまり体感時間が引き伸ばされたのかもしれません。

おまけ2 松本零士先生との話

以前のエントリーには書かなかった話です。
私はお仕事で松本先生にお会いする機会が何度かありましたが、そのアポ取りは私の仕事でした。
松本先生は多忙を極めているのに、スケジュール管理はご自身でなされていました。

アポの電話をして先生に出ていただくのも一苦労なのですが、先生が電話に出て、訪問のお願いをして了解をもらって、いざ訪問日を決めようとすると、「いま多忙を極めてまして、日程が決められないので◯月◯日以降にまた電話してください。」と丁寧な口調で要請されます。
そして日を改めて電話をすると、「忙しくて…」のループが始まるのです。
最終的にアポが取れるまでに何ヶ月もかかってしまうのでした。

アポが決まらない電話の際、松本先生は「夜遅ければ遅いほど元気になるから、夜遅くに電話をください」と何度も言ってくれました。
それならば!と、ある時午後10時台に電話をかけたところ、すごく眠そうな声で松本先生が出てくれました。
先生すごく弱々しい声で、すんなり空いてる日を教えてくれて、アポが取れてしまいました。
先生ごめんなさい…という思い出でした。

先生にいただいたサイン入り図録。先生の部屋にひょいと置いてあり、これは?と聞いたらポンとくれました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?