「子どもたちは夜と遊ぶ」を読んで
辻村深月さんの出版された2作目の作品。デビュー作は、非常に引き込まれサクサクと読めたのに、正直、今回は読むのに少し苦労した。感想を書くのも難しい。不可解な殺人事件が発生し犯人は誰かといった要素もあるが、ミステリー小説というよりも人の心情や人間関係の機微に重きをおいた小説と感じた。
優越感を満たすために特定の人と付き合う人。真面目で人に寄りかかれない人。ダメ人間に依存する人。家族の思いにすがって生きる人。そういった完璧ではない人の思いや感情が描かれたミステリー風作品。
頭ではなんとなく理解でき、「こうゆう状況ではこうゆう風な感情になる人がいるのか」と勉強になったが、僕の性格と経験の問題と思うが、あまり共感できなかった。そこに、この本を読み進める難しさがあり、手間取ったと思っています。
ただ、人は完璧に見えても完璧ではない、どこかに欠点や悩みがある。「他とのきずなや支えがあってこそ、人は生きていける、正気でいられる」と、強く感じました。
辻村深月さんの初期作品、あくまでも私見ですが、何か実験的な感じもしました。3作品しか読んでいない僕が、”辻村深月を語るな”とお叱りを受けそうなので、感想はこれぐらいにします。今回は、お勧めする相手のイメージが湧かなかったので、推薦相手なしです。
デビュー作品は、非常に面白く2回読みました。とりあえず、講談社ノベルスで出版されている辻村深月さんの作品は年内に読破しようと思います。読む都度、感想は投稿していくつもりです。
作者:辻村深月 タイトル:子どもたちは夜と遊ぶ 出版社:講談社
8/29 読了