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上木らいちシリーズを読んで(一風変わった探偵を知りたい人にお薦めかも)

こんな探偵の小説があるのかと思った。それに尽きる作品でした。素直に面白かった。探偵小説好きには一読の価値があると思います。援助交際を生業としている女子高校生が探偵の小説。援助交際が生業だからこその斬新な切り口で謎を解明していくことが面白く感動しました。だからといって、適当ではなく説得される論理性がさらに良かった。

パイアグラを飲むタイミング、男性のズボンのジッパーの開け方を軸にした推理、性行為をネタにしたアリバイトリック、Mの性癖があることを前提とした行動予測。援助交際の相手の性癖を起点とした物語構成。性癖をねたに推理が展開していくことに新鮮さを感じました。エロくありません、エロをテーマにして謎解きが展開する探偵推理小説です。

このシリーズは、講談社ノベルスで5冊刊行されており、全部読むことをお勧めします。それぞれが、それぞれのエロをネタに推理が展開されます。ちなみに、5冊目の「メーラーデーモンの戦慄」には、シリーズ集大成的に、1冊目から4冊目に登場してきたキャラクターが登場して、みんなで謎の答えを導いていきます。それ以外にもこの5冊目には、同作者同レーベル出版の「RPGスクール」に関する言及があります。そういった元ネタが気になる方は、事前に読んでください。

古書、家電、紅茶、医学等々、様々な専門知識を用いて推理していく探偵がいろいろ存在するが、援助交際の知識で推理するとう探偵は知りませんでした。援助交際探偵を試しに読んでみてください。ちなみに、この作者は叙述トリックが好きみたいで、そういったしかけがちらほらあります。

作者:早坂吝 出版:講談社ノベルス 12/31読了
タイトル:◯◯◯◯◯◯◯◯殺人事件
     虹の歯ブラシ 上木らいち発散
     誰も僕を裁けない
     双蛇密室
     メーラーデーモンの戦慄
     RPGスクール