#スクール035 どのように体を回復させるのか?
練習状況 日時 : 2021年11月16日(火) 気温 : 10度 (晴) 人数 : 中学生3名 / 小学生3名 ワークアウト ・20min Based Training ・1min IntervalTraining 内容 最初に結論から書きますと、本日のスクールレポートは今までとは全く違う内容になります。というのも、今回のトレーニング内容は小学生を除き、中学生組みがほぼ全員ワークアウトを遂行できずに終わると言う結果となり、ワークアウト内容を確認することよりも伝えたいことあるからです。 先週はできていたのに、今週はどうしてできなかったのか?と尋ねてみると "疲労" というワードが上がってきました。おそらく疲労以外にもあると思いますが、だとしてもスポーツを行う中では疲労と向き合っていくことも考えないといけないので、今回は "疲労の回復について" 書かせていただきたいと思います。
疲労と向き合うには、その疲労が身体的・精神的・神経的な疲労のいずれに対するものであり、それらにどうアプローチするかを考えなくてはいけませんが、今回はそれらを総合的にまとめて公約数的にアプローチする以下の3つについて触れたいと思います。
栄養摂取量およびその質
睡眠
体のケア
それぞれを確認してみましょう。 1.栄養摂取量およびその質について
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疲労が抜けない = ダメージを負った筋肉が修復されていないことだけでなく、運動で消費したエネルギーを補充できていないということも考えられます。主に身体的疲労に対するアプローチになりますが、修復・補充を考える場合は自分自身が普段食べているカロリーが、日常生活や運動するなかで消費されるカロリーを上回っているかどうか考える必要があります。身体的回復を考えるのならば 消費カロリー < 摂取カロリー であることが、一般的には望ましいと言われます。 ここで、彼らの年代で必要とされる推定エネルギー量を確認してみましょう。 ● エネルギー食事摂取基準 : 推定エネルギー量(Kcal/日) 身体活動レベル 1 2 3 10-11歳 1,950 2,250 2,500 12-14歳 2,200 2,500 2,750 15-17歳 2,450 2,750 3,100 1-3は身体活動レベルに分けられた数値となりますが、日々自転車で練習をしている彼らは、1日1時間以上自転車の練習をしたとする場合、身体活動レベルが3または3を基準とした上で必要であれば+300~500kcal内で摂取することが望ましいのではないかと考えています。また、週末に2-3時間乗る場合はそれ以上にカロリーが消されるため、+1,000~1,500kcal摂取するなど、必要に応じて調整することも考えなくてはなりません。 そのためにも、まずは自分の1日の摂取カロリーと消費カロリーのバランスを知りましょう。 さて、それを知ったところで1日の摂取カロリーの大半のお米やパンといった主食のみや、お菓子やサプリメントのみで摂るわけにもいきません。回復および成長を考えるには、栄養素という質も考えなくてはいけません。量と質を考えて、栄養を摂取するように心がけましょう。
2.睡眠
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とある子に睡眠時間どれくらいと聞いてみると"7時間くらいですかね"と返答されました。さて、この睡眠時間、カラダを回復させる+この年代の彼らのカラダを成長させることを目的とした場合、最適と言えるでしょうか。 近年、スマホやタブレットなどの普及もあり、小学生時代から動画配信コンテンツを中心に、SNSやゲームに触れることが多くなっているようです。その結果、推奨される睡眠時間よりも低いのではと示唆されることが増え、各団体の調査によると、具体的な数字はあまりないものの、自身で"主観的に睡眠不足と感じている"子供が多数いるとのこと。 ここで確認したいこととして、推奨される睡眠時間が各年代でどれくらい必要なのかということです。日本国内では各年代において提唱されている睡眠時間を定量化したものがありませんが、様々な調査の指標として米国のNational Sleep foundationという団体による各年代での推奨睡眠時間が使用されていたので、そちらを紹介したいと思います。 時間 推奨 許容 6-13歳 9-11時間 7-12時間 14-17歳 8-10時間 7-11時間 冒頭で述べた睡眠時間7時間は、許容範囲ではあるものの、推奨範囲ではないとされる可能性があります。睡眠時間が短い場合、体の回復だけでなく身体的成長(睡眠)を妨げるだけでなく、集中力の低下に伴う学力レベルの低下などとも相関性があるとされていますので、将来のためにも寝る時間はちゃんと確保しましょう。※スマホを触れず、そのまま眠りましょう。
3. 体のケア
体のケアには何をしているの?と聞くと、セルフでオイルマッサージをしていますと返答されました。少し掘り下げてさらに質問していきます。 Q.1 どれくらいの時間しているの? A. テレビとかみながらしているので、時間はわかりません Q.2 どの部位に対してしているの? A. 太もも前とか、いろいろ Q.1に関して…個人的にはセルフケアもやりすぎは良くないと考えています。これはどこかでお話ししたいと思いますが、指導経験上、練習時間の1/4または1/3を体のケアに当てることを推奨しています。例えば、1時間の練習をしたとするのならば、15-20分は体のケアをするという感じです。 Q.2に関して…その部位に関しても自身の身体動作の特徴を理解した上で行う必要があります。例えば、成長痛などで悩まされる膝周りの痛みを感じる場合は大腿四頭筋(太もも前側)を中心に行う、腰が痛い場合は腸腰筋(足の付け根前側)をストレッチしながら少し腹筋をするなどで、緩和されるケースがあります。 せっかく良いことを行っているので、適切なアプローチを学べると良いかなと思いますが、これに関しては少しずつ私の方でも伝えていきたいと思います。まずはやってみましょう。 指導の行き届かない部分 当スクールでは毎週定点的に生徒たちの指導を行っていますが、その1回の練習で成長するわけではなく、日常的に何をどう取り組むかという"指導者からは見えにくい彼らの努力"で成長していきます。 その努力を正しい方向に向けることができるよう、1回の練習の中でも全体 + 個別に何をすれば良いか伝えていますが、練習内容がいくら良くてもそれ以外がお粗末になってしまえば何も育ちません。これは料理と同じで、A5ランクのお肉を用意したところで料理方法や使用する調味料が悪ければ台無しになってしまうのと同じです。 本当に成長したいなら、強くなりたいなら、勝ちたいのなら、そういう努力もしていきましょう。今日から取り組めば"2-3ヶ月後から大きく変わると思います"。一人ひとりの成長を、楽しみにしています。
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