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自由自在、軽やかに生きるプロテアたち

今年も、秋を越え、冬がやってきた。3年間、生活の中心であり、頭の中をかき乱し続けたこの季節。年越しも、誕生日もすっかり忘れるようになったのは、この季節に自分が大切にするものがあったからだろう。

埋める席さえなくなったあの日、わたしはどんなに悔しいと思っただろうか。お客さんの顔を見れずに終わったあの日、どんなに悲しかっただろうか。もう一年、挑戦を続けると決めた日、わたしはどんなに強い覚悟と責任感を感じただろう。埋まらなかった席を前に舞台に立った時、次の景色に期待したのは、間違いではなかっただろう。

人生には、多くの分岐点と選択のタイミングがある。こっちのがよかったな、あっちの選択の人生はどんなだろうか。人生で1番迷い、決断に悩み、正解を探し、もがいた1年だった。なにか歯車を狂わせ、もう戻れないのではないか、そう感じる瞬間を幾度となく越えてきたような1年だった。それでも、隣を見れば大将が、また隣を見れば同じ思いで挑む仲間が、旅を信じ、旅で人生を加速させ、旅という理由で自分や人を愛していた。誇りや感謝以外、もう何も出てこないほど、美しい場所で小さく小さく、咲いていた。

人は人と仕事をし、頑張る理由に人があり、人の生活を思い過ごす。1番が人でなくても、心のどこかに、人がいる。

人は、人を想う。
時にして人は、人のために踏ん張る。
人生の本質は、きっとこれなんじゃないか、人は誰かと笑い合い泣き合うために、人は誰かを幸せにするために、人は誰かとまた再会するために、じゃないかと。

コトに向かえ、人に向かうなというこの時代に、人を想う。家の中で全てが完結するこの時代に、旅に出る。時代を逆行し、素晴らしいと想うものに貪欲になり、言い訳せず、自分や人の人生に向き合う人たちとともに進んだ1年は間違いではなかったと思えるような美しい夜だった。今日の花はプロテア、今日見た花はピンクのバラ、自由自在と感謝、そんな言葉が似合う日のことを大切にできる生き方をしていきたい。

「選んだ道を正解にする」

その言葉を体現し、前に進み続けること。大きな選択を、私たちは溢れる自信と感謝とともに進み続ける。異国で感じたパッションを信じてよかった。それがたとえ、それぞれの咲き方で、それぞれの色で、それぞれの陽の当たり方でも。これからも、きっと、太陽に迎える私たちであろう。

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