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2020年5月の記事一覧

最近のお気に入り

最近のお気に入り

最近のお気に入りということで、初めにうる星やつらと、その主人公である諸星あたるの魅力を紹介。

〈魅力その1〉登場人物たちが人間味溢れているところ。現代と異なった、作品の作られた時代を表しているのかもしれないけど、登場人物たちが思ったことを心に抱えるんではなく、言動に示しているところが見ていて気持ちがいい。

〈魅力その2〉登場人物たちが日ごろのちょっとしたこと、たわいもない当たり前なことをとても

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Haru

Haru

彼女との出会いは、中学に入学したばかりの春であった。その日私は、部活見学をしにアカペラ部のいる音楽室に顔を出していた。まだ見知らぬ数人の一年生たちが先輩たちの指示に従って、楽譜を目で追っている。その中に、一際目を惹く女の子がいた。彼女は背が高く、丹精な顔つきでとても細かった。同じ一年生にしては随分と大人びた子だと、漠然と思った。この時の私は、まだ彼女がこの先どのようなかたちで私と関わっていくのかを

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Haru 2

Haru 2

はるが私の目の前にやってきたその日、私は彼女に夢中だった。近くで見るはるは、初めて目にした日や、遠くでその存在を確認していた日より、ずっと魅力的に思えた。翌日に行われた2年になって初めての社会の授業(私は5教科の中で社会が一番好きである)で、先生が自己紹介のついでに好きな社会の科目(地理とか歴史とか公民)を教えてと言い、きっと歴史が多いのだろうと頭の片隅で思いながら、予想通り少なかった地理の回答者

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Haru 3

Haru 3

はると私は、高校ではクラスが分かれたが、私が中学生のころから通っていた塾にはるがやってきてたため、一緒に帰ったりすることはあった。最寄り駅も同じであったため、降りるときも一緒だった。しかし、それまでと変わらず、私とはるはつかず離れずな距離を保っていたように思う。

高校1年の冬に入るころ、私は一人の男の人に恋をした。出会いは高校近くの古びた映画館の出口だった。「君、よく図書館にいるよね?持ってたテ

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あのひとは、いま。

あのひとは、いま。

高校2年生のとき、私に想いを寄せてくれた人がいた。出会った当初、その人は私に一つのアニメを教えてくれた。「四月は君の嘘」という題のそのアニメは、過去のトラウマにより、ピアノがコンクールで弾けなくなってしまった男の子と、バイオリンでプロを目指す女の子の話だった気がする、、。アニメ自体もとても感動的で面白かったし、四月は君の嘘という題名は、なぜだかそれだけで涙をそそるものがあるのだが、それ以上に、その

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彼を彼たらしめるもの

彼を彼たらしめるもの

人を愛するとき、私が大切だと思うことの1つは、その人のDoではなくBeを愛しく思えるかということである。もう少しかみ砕いていて言うと、その人が何ができるかではなく、そもそもどういう人であるかが大切であるということである。

私の彼は楽器がうまくて、料理ができる。おまけに英語もできて、ジェントルマンである。そんなところがすごく素敵な彼だけれど、私は、彼がそれらすべてを失っても、きっと彼を好きでいるこ

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