卵の殻がスケルトンだったらいいのに。
我が家はゆで卵をよく食べます。
ということは、よく作るんですよ。
直近1年間で推定82回×10個はゆでています。
ニワトリになりそうです。早起きが得意です。時々鳴いちゃいます。
さぞかしゆで加減を自由自在に操る手練れに聞こえるでしょう。
しかし、ひとこと言わせてください。
わたしは卵にもてあそばれているのです。
厳密にいうと「殻」に。
卵のゆで方は2通り
学習もスポーツもゆで卵も基本は大切だといわれています。ゆで卵の基本はご存じですか。
①水から卵を入れる冷酷な土左衛門タイプ
②熱湯へ無情に投げ込む石川五右衛門タイプ
わたしはある時から②になりました。
右打ちでバントだけのバッターが、突然左打ちでライト方向へホームランを打ち込むくらいのパラダイムシフト。塩麹ゆで卵沼にハマった家族とマイ弁当のためにせっせと密造しています。
しかし、残念ながら満足のいくコンスタントな結果を未だに得られません。打率でいえば .298
3割打って一流なんだよ。
卵殻は薄くもろい
「穴杓子(穴あきお玉)を使いましょう」
料理の達人たちは安全策を取ります。いわずもがな殻はすぐに割れるから。鍋に入れる際はそっと優しく取り扱えと。
しかし、わたしが総長を務める強行突破族は「ゆで卵を作るだけなのに、わざわざ道具を出す必要あっか?」そこにあっても使わない。
鍋に目を落とすと沸き沸きのグッラグラ。足はすくまず手がすくむ。早く手離すスイッチ作動→鍋底へゴン!→ヒビ発生(*他の要因もありそう)→卵白チロチロ流出→瞬時に凝固
これをやってしまうと殻を剥く時に「つるん」といかない。卵白の一部がコブ状になる。陶器のような美しい肌とはいえない。
さらにゆで湯が汚れる。透明感は正義なのに。
だからあれほど穴杓子を使えと。夜露死苦!
わたしは時間割引率が高い人間だ。目先の快楽を優先して、ほんの20分後の美しい仕上がりを手放してしまう。人生にも通ずる。ゆで卵は深い。
しかしながら殻よ、できれば耐震ならぬ耐割れ強度を上げてくれないだろうか。目に見えぬ無数の気孔(空気穴)と炭酸カルシウム(主成分)が弱さの原因?そこをなんとか補強して欲しい。
ゆで時間と苦悩
基本調理法は決めて、時々加熱時間を変えながら作るようにしています。
白ごはん.com 様からお借りしました↓
すばらしい理論と可視化したゆで卵の加熱時間推移は神。ありがとうございます♪
【現在のゆでルーティン】
・卵はMサイズで冷蔵庫から出したてを使用
・同じ鍋を使い、グラグラ沸かしてから卵in
・加熱時間を計る
・冷却方法を同じにする(氷水に漬ける)
やはり毎回同じゆで具合にならない。シンプル過ぎて難しい典型かも。ラーメン屋さんの煮卵はどうやって同じに仕上げるの?プロ中のプロだ。
途中で内部の様子が見えたらなー。夜露死苦!
シアー素材と旭山動物園
ファッション界では「シアー素材」が人気アイテムで、季節問わずオシャレ度が高いようですね。目を引くし軽やかでセクシーよ。全身シアーで歩いたらSNSで拡散されるだろうから気をつけて。
中が見えるって、ドキドキするし気分が高まるの。
一方、北海道旭山市の旭山動物園の人気の秘訣は見せ方でしょう。行動展示というのね。
「間近で」「ガラス越しに」「手に触れそうな」「動物に愛着が湧き」「子どもも大人も夢中に」
そう、中が見えるから。かき立てられる何かがある。
見える、見せるって大切。
見せずに想像力を鍛える方法もよいけれど、ゆで卵の場合は見てみたい。
スケルトンだったらいいのに
タイマーに頼らざるを得ない加熱の不安。
鉄のカーテン並みの秘密主義で中が見えない。
加熱過程で「おっ!」と感じるものがない。
要は「内部変化が伝わらない」のが問題。
それらを解決する方法が殻のスケルトン化。
卵白は凝固したら白くなって中心部はわからないにしても、そのプロセスを視覚で捉えることに意義がある。ひと皮むけて(卵ではなくてわたしが!)理想の半熟ゆで卵が高確率で作れる期待は高まります。
空飛ぶ車が開発される時代が来たので、そろそろ卵の殻がスケルトンになるのではと妄想しています。
筋トレが趣味の方をはじめ、大谷翔平選手、なかやまきんに君も加勢してくれるでしょうか。
まずはニワトリに相談しなければ。
……ニワトリが先か、卵が先か。
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