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クロネコのクロと、オウムだった私

昼下がり、うちの庭にクロネコがやってきた。

宅急便ではない。

目は黄色く、頭が少し剥げている。

首輪はつけていないが、野良かどうかは分からない。

軒下に置いてあった土だけの丸い植木鉢にジャストフィットしたらしい。

優に3時間は居座っている。

ここではクロと名付けよう。

そういえば数日前、窓の外をクロネコが横切っていったのを思い出した。

クロが偵察に来ていたのだろうか。

私はネコちゃんを飼ったことが無い。

庭にネコと言えば、通りすがりにフンをするという印象しかなかった。

今日も植木鉢に寝そべっているクロを見つけた時、すぐさま追い払おうとした。

クロは少し驚いた様子でその場を離れたが、何もない。

そういえば、ネコはキレイ好きと聞いたことがある。

1mほど先から様子を見ていたクロに「OK!」と言うと、すっぽり鉢に戻ってきた。

クロに聞いてみる。

「おまえはいくつなんだい?」

口をパクパクしだすクロ。なにかを喋っているようだ。

もう一度聞いてみる。

同じように口をパクパク。同じことを話したようだ。

そしてまた丸まりくつろぎ始めた。

こういう時、この子は何を考えているんだろう、何かを伝えに来たのかな、などと不思議に思う。

私はなぜかスピリチュアルな知り合いが多く、様々なエピソードを耳にする。

例えば、動物がペットとして飼われているのは、ご先祖様が子孫のもとに現れたのだ、とか。

私は輪廻というものは存在すると信じている。そう思っていた方が面白い。

先日、前世が見えるという知り合いの女の子から、

「あなたはかつてオウムでしたね。」と言われた。

ビビットな赤、青、緑の羽をもつ鮮やかなオウムだったそうだ。

前世が色鮮やかな美しいオウム?キレイだったに違いない。

先ほどの女の子が続ける。

「人として生きた一生が終わったら、原則として次の一生も人として生まれ変わります。」

じゃあなんで私は人間なのにオウムの時があるの?

「オウムから人間界に昇格したんでしょうね。」

原始仏典では基本的に天、人、畜生、餓鬼、地獄の五道輪廻が説かれるそうだ。

「魂レベルでの修行があって、その時々の一生の評価により、次の一生がどの道なのか決まると言われています。」

ふむふむ。

「生まれてきた目的から大きく反し、非人道的行為をしたどうしようもない一生を送った場合は、下界に降格する場合があります。」

ん?

「つまり、人間界から畜生界に降格してオウムになったんですよ。」

なんだとー!?

「でも、オウムになって人からの愛情をたっぷりもらったから戻ってこれたんですね。」

・・・

これが真実かどうかは知る由もないが、もしそうだとしたら、出会った動物には愛情を注いであげようと思った。

自分がしてくれたように。

結局クロは存分にくつろいだ後、夕暮れの頃どこかへ消えていった。

ちなみに非人道的といわれた人生で私がしたことについては、また今度。


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