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東京ゲームダンジョン3に出展してきました


はじめに

7/30に東京都立産業貿易センター浜松町館で行われたインディーゲーム展示会「東京ゲームダンジョン3」に出展してきました。
東京ゲームダンジョンは、夏と冬の年2回開催されるインディーゲームの展示会です。今回で3回目の開催になります。

私'おれんじりりぃ'はちょうど1年ほど前に開催された初回東京ゲームダンジョンから3回連続皆勤賞で出展を続けています。
出展を重ねてきたことからやっとゲームイベントに参加することに客観的に見えるようになってきたことがあると感じています。
今回は過去3回の東京ゲームダンジョンへの出展を通じてゲームイベントに参加することについて自分なりの攻略方法を書き残してみたいと思います。
次にイベントに出るであろう自分に向けて書いているつもりなので、これからイベントに出てみようと考えている方、同じくゲームイベントに出てみている方には役に立つこともあるかもしれません、全然役に立たないかもしれません。

長い記事ですが、よろしければお付き合いください。

【宣伝!】今回出展したゲーム

「3D版ウォーリーをさがせ!」ボクセルで作られたジオラマの中を監視カメラ越しに覗いて探索していくPCゲームを出展しました。
Steamのページをすでにオープンにしているので、良かったらウィッシュリストへの登録お願いします!
探索系の絵本「ウォーリーをさがせ!」「ミッケ!」のあのワクワク感を自分なりに再解釈して立体的かつデジタルで表現したらどんな体験になるんだろうという発想で作り始めたゲームです。
なのでその手の「絵本」や「宝探し」少し前に流行った「HIDDEN FOLKS」というゲームが好きという方には特に楽しんでいただけると思います!!

東京ゲームダンジョンというイベントについて

まずは東京ゲームダンジョンの攻略から進めていきましょう。

東京ゲームダンジョンの特徴は?
特徴1. 審査なし先着順申し込み!
特徴2. 大きな会場、机がデカい、通路が広い!
特徴3. 出展者と来場者のバランスが良い

公式サイトに掲載されていることとほぼほぼ同じですね。

古今東西さまざまなゲームイベントが存在しますが、一番の特徴は先着順の申込みだと思います。審査もなく申し込んだ時点で確定します。こういった大規模イベントでは類を見ないことです。
規模が大きいといえば東京ゲームショウですが、インディー枠に限れば東京ゲームダンジョンの出展数のほうが多いですね。
出展側からすると確定までのやきもきする時間がなくすぐに準備に取り掛かることができます。
どうしても個人だと審査を突破するのが難しいというイベントも存在するかと思いますがその懸念もありません。つまりもうゲームを作ればいいだけ。

※ 第1回目は抽選だったのと今後変更になる可能性はなくはないと思うので出展要項をよく読みましょう。

そして机が大きい、通路が広いというのも出展者にとって重要なことです。
大きい机ということはレイアウトを自由に組むことができます。せっかくPCやチラシを準備したのに置けないという悲しいことがおこりません。
机越しの接客にする距離が遠いというデメリットも少々あります。
通路は出展者側、来場者側どちらも広めに確保されています。椅子を両側に置くことも可能です。この快適性を一度体験してしまうと他イベントではやや窮屈さを感じてしまうかもしれません。

3つ目の良いこととして出展者と来場者の数バランスが良いと感じています。遊ぶ側も大きな待ち時間なく色んなゲームに触れることができるし、出展者側も初回参加の人でもけっこうお客さんが来てくれます。ただしこちらに関しては調整が難しいところもありそうなので、今後もこの絶妙なバランス感が保たれるかは分からない部分はあると思います。

客層はどんな感じか?
有象無象な感じはありますが、カジュアルなゲーム好き層、親子連れが多い印象があります。声をかければ試遊に応じてくれる人がほとんどです。
同じビル内にイベント会場が複数あるのでそこから他ジャンルのお客さんが流れてくるということも多少あります。

200を超える作品があって自分の作品が埋もれないのか?
正直埋もれます。
ただし遊ぶ側のお客さんも多いので声掛けすれば試遊をしてもらえないということはないはずです。
ある程度遊んではもらえますが、帰ったあとにまで印象や記憶に残れるかというとそれはなかなか難しいということで、それを成すためにはひと工夫もふた工夫も必要だと感じています。
メディアに取り上げてもらうのも紙面スペースの都合上けっこう大変というイメージです。

出展初心者向きのイベントか?
誰にでも初めての出展はあります。東京ゲームダンジョンの特徴を踏まえると初心者向けと言えると思います。

遊びに行く狙い目の時間帯は?
過去の東京ゲームダンジョンの開場時間は共通して12時〜18時です。
もっとも混雑する時間帯は13時〜15時くらいだと思います。
16時半以降はけっこう空いてきてオススメの時間帯です。ただし18時前になると実際には流れませんが蛍の光が流れている様相を呈してきます。

回るブース順番におすすめはありますか?
もちろん基本は好きなように回れば良いと思います。強いて言えば入口から回る人が多いようなので逆張りして奥から回ることをおすすめします。ダンジョンといっても奥に行くことは容易いです。

出展者としてイベントに参加する

ここからはイベント出展について触れていきたいと思います。東京ゲームダンジョンに限ったことではなくゲーム展示会のイベントに共通した内容となっています。

事前準備

ブースに何を置いたらいいのか?
イベントの主催側で用意してくれるのは机と椅子くらいなものです。
東京ゲームダンジョン3ではモニター(しかも無料!)や追加椅子のオプションもあり至れり尽くせりでした。

当日のりりぃカンパニーのブースの様子

必須
・ 制作ゲーム
・それをプレイできる環境(スマホ、PC)

惑わされてはいけません、世の中にはゲームイベントに出展してみた系のこうするのがおすすめだよみたいな記事が存在していますが余計なお世話です。遊んでもらえるゲームさえあればもうそれで良いのです。

ほぼマスト
・ テーブルクロス
・ 大型ポスターとそれを掲げるポスタースタンド
・ 延長コード

テーブルクロスはチーム独自のものを作るとアピールポイントとして効果的だと思いますが、ニトリなどの既製品でも良いと思います。ブースの清潔感というか見た目が向上します。

大型ポスターはあったほうがよいと思います。やはりそれを見て足を緩めてくれるお客さんは多いです。サイズはA1かB1くらいがちょうど良い感じです。
ポスタースタンドはPO.SU.TAがとてもおすすめです。
試行錯誤好きマンとして自作、Amazonで購入した謎の安いやつPO.SU.TAと変遷してきました。
PO.SU.TAの最大利点はコンパクトなことです。キャリーバッグの中に入ってしまうサイズ感というのは重宝します。宅配便を使うとしても小さいに越したことはありません。組み立てに工具が必要なく余計な荷物も増えないのもポイント高いです!

あったらよい
・ チラシ
・ 名刺、名刺立て
・ 消毒液やウェットティッシュ
・ モニター

やはり配布物はあるといいですね。帰ってからSNS等に載せてもらえる可能性もあります。モニターはPV流したり試遊の様子を流すのに便利です。スマホ向けの作品であってもPV流しておくとよいですね。

ブースを派手にする努力
ブース前で止まってもらったり足を緩めてもらうことが大切です。参考に載せた「りりぃカンパニー」のブース写真はやや機能的ではあるものの寂しい感じが否めません。次回からはドンキ風の展示にするなど工夫をしてみたいと思います。

チラシや名刺はどれくらい用意したらいいのか?
1日8時間のイベントだとすると100部だと心許ない、200部で足りる、300部以上だと超安心といったところでしょうか。

おすすめの印刷所はありますか?
あんまり考えずに使い始めてしまったグラフィックさんにお世話になっています。特に問題なくおすすめだと思います。
自分では試せていませんが、お値段的にプリントパックさんもおすすめというのをよく聞くので次回は試してみたいです。
直前の入稿だと価格が高くなるので余裕を持った入稿をしましょう(自戒)

当日

目的を持って参加する!
参加目的を明確化することでブースのレイアウトや展示用のビルド内容が自ずと決まってきます。
具体的にはウィッシュリスト増加、ダウンロード数増加などの数値目標、プレイヤーの行動観察、ゲームサイクルに破綻はないか、プレイ時間の確認、チュートリアルの理解度の確認などといったところでしょうか。一つに絞る必要はないですし、難しく考える必要はなく参加することに意義があるでも全然良いと思います。

開場から最初の30分は暇になる
これは3回とも共通した出来事でした。
最初の時間は開場前から待機していたとても熱量の高いお客さんが多くお目当てのブースを決めていることも少なくなさそうです。
固定ファンを作るという努力もしていきたいところですが、ご近所さんのブースを見に行ってしまうというのも有意義な時間の過ごし方な気がします。ちなみに私はチキンなので実践できたことはありません。

どんなゲームかわかる方がよい
今回は雰囲気重視のPVやポスターを作ってしまいましたが完全に失敗でした。
いろんなゲーム選び放題な環境下にあるのでどういうゲームかというのはちゃんと伝えたほうがいいですね。ろくに宣伝もせず雰囲気だけで集客できるのは宮崎駿くらいでしょうか。

積極的な呼び込みは必要か?
まずは興味を持ってもらうのが大切です。失うものはありません、やりましょう。チラシもじゃんじゃん渡しましょう。

試遊用のビルド
イベントに特化した試遊用のビルドを作りましょう。以下はビルドに入れたい要素です。
* スマホ向けで広告が入っている場合は取り除く
* 無限にリトライできるゲームでも回数制限や時間制限を入れる
* 無駄な導線は省く
* ゲームの核の部分を体験できるようにする
* 明確な終了画面

達成感を表すためにクリア画面は本来のものよりも派手にしてもいいのかもしれません。思わずスマホで撮影しちゃって拡散してもらえる仕組みになると最高ですね。ストアのQRコードをドンと表示しちゃうのも良さそうです。

制限時間や回数制限をつけるとあとどれくらい待つと試遊できるか次のお客さんに伝えることができて効率的です。ただし自由ゲームなのに無理やり制限をつけるとゲーム体験が崩れるのでバランスが必要かなと。

チュートリアルや説明
チュートリアルや説明画面を用意しても割りと分かってもらえません。お客さんが混乱するのも良くないので口頭での説明を手厚く入れるようにしています。
クイズやパズル系の作品であれば必要であればヒント出しますと伝えてスムーズにプレイしてもらえるとよさそうでした。

一人参加は無理なのか?
無理ではありません。私も第2回の時は一人出展を行いました。しかしながらイベントはとても長くHPをじわじわ削られていくので交代要員がいたほうがいいのは間違いありません。
一人で出展する場合でも無理は禁物で休憩は適宜挟みます。限界が来る前に休息は取ったほうが良いでしょう。ブースから離れる場合は休憩中のポップや目安の戻り時間を表示しておくと親切かなと。
隣のブースの人と仲良くなっておいてひと声かけて離席できると荷物など安心かもしれません。

ちなみに産業貿易センター浜松町館は1階にコンビニがあり、各フロアにベンチが比較的多く設置されていて休憩は取りやすい環境だと思います。

売上やウィッシュリスト登録は増えるのか?
正直そんなに増えませんでした。やはり印象に残るというのは難しいことです。運良くメディアに取り上げてもらえると時間差でじわっと上がったりしたときもありました。

試遊時間
お客さん飽きてきてしまっているなと思うときはあります。ちょっと物足りないかなと思うくらいがお客さんにとってはちょうどよいのかなという感触です。5分くらい?

イベントに参加すると痩せますか?
残念ながらダイエット効果はないようです。人間は消費したカロリー以上のカロリーを欲します。
※ 一個人の体験談です

どんなことを質問されるか?
制作環境や期間について聞かれることが多かったです。ボクセルゲームを作っているのでそのことに興味を持ってくれる方もけっこういました。
別記事にまとめてみるつもりです。

まとめ

イベント出展は正直物凄く大変です。事前から当日準備、当日接客、後片付けまででエネルギーをごっそり持っていかれます。準備の時間を制作時間に充てたほうがいいんじゃないかと思う時もあります。

それでも出展を続けているのは、普段接点のない人に実際にプレイしてもらえるのはとても貴重な機会だと思っているからです。個人、少人数でゲーム制作をしているとこれは面白いのか闇の中を進んでいる感覚になります。実際にプレイして楽しんでもらったり、場合によっては飽きられてしまっていたり反応を見るとたいまつを入手できた気分になります。TwitterなどSNSで見ましたと言っていただけるのもとても嬉しいなことです。そんな素敵な機会を与えてくれるのがゲームイベントです。

出展者でもこんなに大変なのに東京ゲームダンジョンの運営のみなさんはもっと大変なことは想像に難しくありません。素敵なイベントをありがとうございます。
懲りずにまた来ます!👋

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