優先するのは、生産性じゃない、顧客満足だよ

生産性を高めようという意識が強いせいか、どうにも生産性のことばかりをメンバーが気にするようになったような気がして、改善しなければと思っている。

もちろん生産性が低いと、仕事が遅々として進まなかったり、働いていて非効率な思いを感じてモチベーションが下がったり、そして人件費がかかって儲からなくなったりといいことはない。生産性を上げる、効率的に仕事をするというのが大事なんだなという感覚は、むしろ若手の方が鋭い。今っぽい感覚である。

ところが、生産性優先主義が行き過ぎると、顧客体験まで犠牲にする傾向がある。例えばデジタル化によって便利になっただろう！という企業側のドヤ感は、顧客側に立った時に必ずしも満足につながらないことがある。デジタルの仕組みが洗練されておらず、むしろ面倒だ。ちゃんと接客してもらった時の方が心地よかった。もう来ないよ、まである。生産性の向上が企業側の論理であるのが重要で、顧客は満足したいだけなのである。便利になることで顧客満足度が上がることもあるし、下がることもある。