溶け込む

溶け込む
          デイサービス 生活相談員

認知症というものに出会ってから、私の中でこの世の中への考え方に変化が起きている。
それは『認知症の人が暮らしやすい街』とは、どんな街なのだろうと考えている為だ。
それを考え始めてからは、何かにつけて認知症の方への工夫を街中で探してしまう。

例えばスーパーマーケットに行った時、
「この店はどの程度認知症の方への配慮や工夫があるのだろうか」と店内を見回す。

印象として思うのは、“高齢者の方”に配慮された環境が多く見られることである。
スロープがあったり、車いすでも店内を回りやすいように通路が広かったりといったところだ。

ただ、認知症の方=高齢者の方、というわけではないというのが重要な視点だと思う。
確かに一般的には認知症になるのは高齢者の方が多いというのは事実だが、認知症になる年齢は様々だ。中には若くして認知症と診断されるケースもある。

そうした中で、高齢者の方ではなく、認知症の方に対してどれだけの配慮がなされているだろう。実際、サービスカウンターでの対応や店内職員への認知症理解に努めている企業は年々増えてきている。
ただ、どこまで対応が可能かは企業努力に依存する部分が大きい。

私は普段オレンジの絆みずなみの一員として活動をしているが、瑞浪市全体を“認知症の方の為”に寄せてしまうという考え方ではなく、日常的な瑞浪の街の中に認知症の方が自然と溶け込めるような形が望ましいと思っている。
それはスーパーマーケットなどにおいても同様で、その工夫はかなりの難題となるだろう。

そうした意味においても認知症の啓蒙活動という、活動の本線を軸に置きつつ、私たちがどんどんアイディアを出して、地域福祉を活性化していきたいと感じている。

そんな今日この頃。
                       完


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