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医ケアキッズフライト✈️搭乗編・機内編

飛行機の入り口のギリギリまではいつものバギーで行くことができます。

いよいよ搭乗編

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そして、そこから飛行機への乗り込みは、
バギーから、担架・ストレッチャーに乗り換えて。
と言われましたが、
いろいろ身につけてるものも、姿勢の工夫も必要なので
いつもお馴染み、人間担架・ヤマニシを活用することに。

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安心の安定感

そして機内編①

乗り込むと、あすかさんの席は
機内最後部、6席分の完全フルフラットシート。カーテン付き。贅沢なビジネスクラスシートのよう。しかも、シートの固定や周辺機器のため、さらに2席も使用不可状態。合計8席分! 

え?お値段ですか?気になりますよね。航空チケット(障害者割引、付添いも1名割引)に加えて、ストレッチャー使用料という名前で、小松-那覇は61,350円。那覇-久米島は16,750円かかりました(那覇-久米島は通常席6席分でした)

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高さが思いのほか高く、やはり人間担架で乗り込んでよかった。向きの入れ替えもCAさんのお手伝いを借りつつ、スムーズに。 ちなみにこの便の飛行機はボーイング737-800。

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呼吸器と加湿器の置き位置が定まるのに時間がかかり、出発時刻にもちょっと影響しちゃったかもしれませんが
離陸着陸時に機器がしっかり固定できるか、シートの下とか膝の上でいける範囲かが大事ですね。今回は、呼吸器と加湿器の間のホースがもう少し長ければスムーズだったかな、と。

大きな洗濯バサミや毛布なども、さっと出てくるひろみさんの準備の良さ。
特別に持ち込ませてもらった医療用バッテリー。
先回りして考え動いてくれる、航空会社の皆さん。
着々と、あすかちゃんが快適に過ごせる空間が完成していきます。

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離陸時にはしっかり安定でき、ホッと一息の僕とひろみさん、ピースしてるのがケアラボナース・モリオカ。

上空で落ち着いた時に改めて見ると、わずか20分程度でまるであすかさんの第2の我が家のように、周りに機器や道具を並べられる技に感動、平然とした顔で窓から雲を眺めているあすかさんは、どこに行ってもやっていけるなー、と感じました。ちなみにベルトは4点固定式でした。

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フライト中。あまりの安定っぷりにみんなで写真撮影

もし、災害があったりして、避難所に避難しないといけなくなっても、狭いスペースしか使えなくても、こうやって20分ほどでひとまず周辺のことができるように準備できちゃうだけの、お出かけの経験ってすごいな、と改めて。

さて、高度が上がると、気圧が下がります。
飛行機内は圧が加えられてはいますが、それでも上空では、富士山の五合目くらいの気圧になります。酸素飽和度を測定しながらフライトしてみればわかりますが、普段100%の人でも95%前後まで下がります。今回、上空であすかさんのモニターをみんなでつけみたら89%なんてスタッフもいましたから。
あすかさんの場合は、気管カニュレのカフの圧が変わります。膨らんじゃうんですね。今回は、あらかじめ空気を少し少なめにしておいたので、上空に行った時に大きな変化はなく過ごせました。上空でも再調整をしつつ。酸素飽和度、普段97%前後のあすかさんは、下がっても95%前後でした。慎重派なので酸素を途中ちょっと使いました。

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カーテン閉めればこの通り。まるで小さな個室。

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CAさんからメッセージカードをもらいました。嬉しいですねー。

那覇空港に到着後、他の乗客がみなさん降りた後、搭乗時と同じように、人間担架で降りました。 その後も乗り換え便の乗り場までも丁寧に案内してもらえ、終始安心できました。帰りに乗るのに備えて、改善点はありませんか?といろいろ質問されました。これも嬉しいですね。最後はパイロットの方も挨拶に来てくれました。

さてさて機内編②

次に乗る那覇-久米島便は、プロペラ機・ボンバルディアDHC-8-Q400。小さな飛行機です。

人間担架で移動するときは、担架・ヤマニシがあすかさんをお姫様抱っこで運び、僕が呼吸器を持ち、ナース・モリオカが加温加湿器を抱えて、呼吸器の回路の距離感でみんなで進んで行くのですが、タラップも通路も狭いプロペラ機では、こんな感じです。

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こちらの飛行機では、比較的前の方に通常座席6席分のストレッチャー席が作られていました。小松那覇便のときはマットシートでしたが、こちらでは硬いストレッチャー。それならあすかさんが外を歩くときに羽織る(?)寝袋を使おう。とその場で対応し、これまたスムーズに乗れました。

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こちらは2点固定と3点固定の2本のベルト。すぐ隣に乗れない構造のため、離陸着陸時には支える人がいなかったので、ちょっとヒヤヒヤしました。さらになんと、35分のフライト中一度もシートベルトサインが消えないフライトで、気になりつつも近寄れないフライトで大人たちはずっとドキドキしていたのですが、あすかさん自身は楽しんでいるかのように、酸素も脈拍も表情も終始穏やかでした。

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そして久米島空港で、横断幕の大歓迎を受ければ、もう頑張って来たかいがあるってもんです。幸せだー。

繰り返しになりますが、やはり、普段からお出かけすることが、いける場所もやれることもどんどん増やしていくのだと、再確信した旅でしたー。

準備編・空港編はこちら↓

そして最後に。

○○に行きたいなー。でもなー。
なんて、行くのを躊躇しちゃうことがありますよね。
遠いしなー、高いしなー、時間かかるしなー、予約とかめんどくさいしなー、呼吸器あるしなー、医療機材いっぱいあるしなー、途中で体調悪くなると困るしなー。
でもなー、の後にくっついてくる言葉はたくさんある。医ケアキッズなんてなおさらたくさんある。それらを一個一個潰して行くことで、「でもなー」を減らせばいいんだ、と思うかもしれないけど、意外と大変。結構途中でくじけちゃう。たくさんあるし。
だから、「やりたいなー」のエネルギーを「でもなー」を凌駕するくらいあげちゃうのがいいと思う。
いろいろあるけどさ、どうしても行きたいんだよ!会いたいんだよ!参加したいんだよ!

移動を躊躇する人たちを、移動躊躇層、なんて呼ぶらしい。

不便でも遠くても。それでも行きたいところがある、そんな想いを創りたい、支えたい。

傷ついてもやらなきゃいけないことが、人間にはあるのだ。
死んでも会いたい人だって、人生には登場するのだ。

医療ケアがあるからって、そんな大事なものまで奪わないで行こうや。

これでいいのだ。

なんちゃって

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今回あすかさんと一緒に旅してる、よっちゃんの写真で締めますね。旅をすると楽しいし、成長するよ。みんなも行こうよー。


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