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キッズケアラボ

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医療ケアが必要な子どもたち(医ケアキッズ)の活動・発信拠点。彼ら彼女らが活動すると、大人も地域も変化していく。ソーシャルイノベーターなキッズたちの活動を紹介します!
運営しているクリエイター

#オレンジホームケアクリニック

病気そのものからくる問題ではなく、「病気・障害のせいで次の感覚刺激に出逢えないことから、後天的感覚障害・生活での不便さ」が追加されていく、という問題。

子どもの感覚はそれぞれ。 ケアがある子はより敏感さと感覚不足(鈍感、ではなく不足!)が際立ちます。 病気や障害、ケアがあるから、感覚不調は仕方ない。と諦めてしまうと、 感覚不調なせいで、次の新しい課題にぶつかってしまう。 病気そのものからくる問題ではなく、 「病気・障害のせいで次の感覚刺激に出逢えないことからくる、後天的感覚障害・生活での不便さ」が追加されていく、という問題。 ブランコで、遊びたい。 ブランコで揺れる感覚は、なんとも言えない新しい感覚。 平衡感

なぜ、山に登るのか。

登山キッズケアラボ いま、明日の3003m雄山を目指すため、2045mの室堂山荘にチェックインしたところです。明日は晴れてくれそうですが、今日は視界が真っ白。でも、この「なぜ、山に登るのか。」という問いに、登る前に答えておきたい。 登山キッズケアラボは今もクラファン実施中、プロジェクト詳細はそちらのページをご覧ください。 医ケアキッズと山に登る・・・子ども二人とその家族が初めての登山、それだけっちゃそれだけ。 そこにケアスタッフが10人、一緒に行きたいと手を挙げて、 酸

紅谷は“こどもホスピス”の設立に反対です。 そして…、こどもホスピスを創りたいとも思っています。

紅谷は“こどもホスピス”の設立に反対です。 「こども」「ホスピス」という誰かと誰かを分けようとする言葉が二つも入っているから、です。 お正月の親戚の集まりに、赤ちゃんが一人加わった瞬間、雰囲気が変わるじゃないですか。幸せな気持ちになるじゃないですか。 弱っちくて、気が利いた一言も言わない。なのにあいつは、皆を幸せにする。 それが、こどものエネルギーであり、強さです。 自分で飯が食えて、ウンチができる。そんな強さを得た大人が、 大人になる過程で代わりに失う強さ、を彼女ら彼

ハロー!ハロー! ケアラボ卒園式。

3月20日は、ケアラボの卒園式でした。 3人のキッズが、新小学1年生になります。 これからも関わりは続きますが、一つの区切りとしての卒園式です。 彼女ら彼らが卒園を迎えるこの1年は、いろいろ本当に大変でした。 僕自身、去年の3月に「また来月来るね!」と次の訪問診療の約束をしたのに、それを果たせない「ウソつき」になってしまいました。 何も動けない、何も変わらない、何もチャレンジできない、そんな1年。 人間の無力さみたいなものも痛烈に感じました。 でも、そんな中、この卒園

小児在宅医療の心得4箇条

在宅医ココキン帖の小児在宅医療のページに記した心得4箇条。ココに整理します。 1.世界でもっとも子どもが死なない国は、同時に世界でもっともその子たちが幸せに成長できる国でなければならない日本は世界でもっとも赤ちゃんが死なない国。誇らしいことです。 その、産科や新生児科の先生方が繋いだ「命」 地域にその「いのち」をつないでいくのが、私たち、地域をフィールドにする医療者の役割だと考えています。 2.小児専門医でなくても、在宅医として小児にかかわることで子どもたちの生活を支える

死神とひまわり

ある7月、1歳の子の紹介相談を受けました。名前はゆかりちゃん。重度の心不全があり、完治は不能。余命3週間とのことでした。生まれてからこれまで、ずっと入院しています。手術をしたり集中治療室に入ったりしながら今まで過ごしてきました。これ以上の治療が困難となった今、生まれてから一度も暮らしたことのないお家に帰って、家族団欒を過ごさせたい。という依頼でした。  オレンジは、断るという選択肢はありませんので、当然受けます。まずは入院中の病院に挨拶がてら会いに行きます。ちょうど七夕

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僕を支えている名言たちと“福子伝説” 〜道標にしている名言が走馬灯のように巡った日。キッズケアの奥深さ、難しさ、楽しさ。〜(再編集・再掲)

1月のある日、小児がんに関する研究のミーティングと 小児在宅医療についてのワークショップに参加。 小児がんに関わる人はみんな優しくて熱い。でもその優しさが、子どもであり、病人である「人」に向けられた時、何かを奪うことがある。 それに気づかずそれが優しさだと思い込むことで楽になろうとする人もいるし。 優しさってなんだろう、って落ち込んだり自分を責めている人もいる。 熊谷晋一郎先生の「希望とは絶望を分かち合うこと」という言葉が、頭の中でぐるぐると何度も登場していた。 熊谷晋

出会う力と、選ぶ力を信じること。キッズケア、親でない大人の立ち位置とは。

両親とは別の大人が家にやってくる。小児在宅医療。 「お母さんと一緒にならないように」 ついついお母さんの受け取る力や感覚を伝授して欲しくなっちゃうけど、お母さんと同じ思いの人が何人にも増えるよりも、いろんな人がいた方がいい。 あの人くると、いっぱい遊びすぎて本人は楽しそうなんだけど、その後疲れちゃうのよねー、って言われてるAさん あの人、私以上に心配性で吸引ばっかり気にしちゃって遊びが少なめね、って思われてるBさん あの人、外行こうとか水遊びしよう、とか強引で、体調にも