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春の用水路

春を知らせる音

地元の長野は冬が厳しい。その分、春が訪れることへの喜びが大きい気がする。田んぼの脇の用水路に流れる水の音を聞くと、『あ、春が来たんだな。』と思う。山の雪解け水がぐんぐん田んぼに入っていく様子を見ていると、『いよいよ今年も始まったんだな。』と思う。

昔、夜に用水路の脇の道を自転車で通ると、夜道が暗すぎて用水路に落ちそうになったことがあった。そのことを両親に話すと、『田植えが始まった田んぼにだけは落ちてはいけない。』と言われた。『農家の人たちの一年の労力が水の泡になってしまう。』と。田舎では農家の人たちの苦労や農業の大変さがよく分かるから、それらに対するリスペクトや理解があるんだなと思った。

虫の声

また夏の夜に、用水路の脇の茂みに蛍が飛んでいたりもした。カエルの鳴き声も聞こえてきたり、秋は鈴虫の声が聞こえてくる。今は沢山工場ができてしまってもう蛍はいないだろうと思うが、懐かしい思い出だ。

四季を感じさせる音

春を知らせる音って色々ありそうだ。雪解けの音、春の鳥の鳴き声、春一番の季節風、花粉症の人のくしゃみ、桜のお花見と、それを見に来ている人たちの賑わう声なんかも面白そうだ。

そう考えると四季を感じさせる音って田舎にも都会にも沢山あって、音に耳を傾けて暮らしてみると、色々と発見がありそうだ。

音を楽しむ

江戸時代に『虫聞』といういわゆる夕涼みのレジャーというか、楽しみがあったそうだ。郊外や小高い山に行って、虫の声を聞きながら夕涼みをしていたようだ。私も虫除けグッズ持参で虫聞をしてみようかなと思った。

夏を少しでも涼しくする音といえば、風鈴なんかもちょっとでも涼しい気分になれる音のような感じがする。波の音や滝の音なんかをYoutubeで聞いていると、灼熱の都会の熱帯夜をひと時でも忘れられる気がする。

音をきっかけに

これから梅雨が明けて本格的な夏がやって来る。真夏の日陰や打ち水をすると少し涼しかったり、熱帯夜でも案外夜の風が少し涼しかったりする時もある。

音をきっかけにちょっとでも季節の変化を楽しむ事が出来たら、ちょっとでも心地よく、ちょっと豊かな気持ちになれるだろうと思った。


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