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ダイビングしてみた話(失敗談多め)

私は海のない長野県出身で、小さい頃1回だけ海で泳いだ(浮き輪で浮いていただけ)ことがある。水泳も結構苦手だ。そんな私がスキューバダイビングに挑戦してみた話(ほとんど失敗談ですが)。

体験ダイビング

以前フィリピンに語学留学に行ったときに、『休日はダイビングしたらいいよー』とスタッフにおすすめされて面白そうだから行ってみることにした。

セブ島の隣にあるネグロス島のダーウィンというビーチは、とにかく波がほとんどなく穏やかで、水温も年中温かく、初心者でも挑戦しやすい場所だった。
フィリピンのダイビングは『殿様ダイビング』と言われているらしく、インストラクターの先生とは別にもう一人、私のお世話をする人が付いてくれて、タンクを背負わせてくれたり、機材をセッティングしてくれたり、体を支えてくれたりして至れり尽くせりだった。

『私が全て誘導するので、何も考えずにリラックスして浮遊していて下さい。』『呼吸はとにかくゆっくり吐くことを意識すれば、あとは自然と吸えるようになります。』と教わったことはこれくらいで、軽く機材の説明を受けて早速海へ入った。

よく考えてみれば、人生で2度目の海、そして初ダイビングでかなり緊張した。緊張して呼吸が速くなっていたらしく、すぐ浮いてしまう感じだったけれど、『(息を)吐いて、吐いて!』と先生に言われ続け、何とか沈むことができた。そして今まで体験したことの無いような浮遊感が、まるで空を自由に飛んでいるようでとても気持ちよかった。
しかし何かうまくやってやろうとすると、途端に体が浮いてきてバランスが取れなくなった。いい感じに全てを海に委ねるというか、とにかく何も考えないようにしようと必死だった。

あっという間に体験ダイビングは終わり、心地良い疲労感と充実感。次はライセンスを取ってみたいという気持ちになった。

沖縄でライセンス講習

次の年沖縄でライセンス講習を受けた。ちょうど梅雨時に割引してくれるお得なプランがあって、すごく割安だったけれど、これが大きな失敗の始まりだった。
まず当日も結構ひどい雨が降っていた。地元民の話によると『普通の雨』と言っていたけれど、沖縄の雨ってやたら雨粒が大きくて激しく降っているように感じた。風はほとんどなかったので当日は中止にはならずに講習は開催された。私の想像する沖縄のエメラルドブルーの海とは違って、畑の土が流れ込んだためか、茶色い海になっていた。一緒に講習を受けた人も『お味噌汁の中を泳いでるみたいだね。』と言って笑っていたけれど、私はビビってしまい、全然笑えなくなってしまった。その日はインストラクターの先生と3人で講習を受けたけれど、海の中の視界も悪く、結局先生の足しか見えず付いていくのに必死だった。

次の日はボートで沖まで出て青の洞窟まで行くことになった。前日の雨で波が高くなっていて、早速ボートで酔って吐いてしまった。準備をして海に入ったまでは良かったけれど、腰に付けたウエイトベルトが外れてしまい、海に落としてしまった。先生が海底まで取りに行ってくれたけれど、少しパニックになってしまい、結局講習は中止にしてもらった。
私と同じボードに乗った地元の小学生がスイスイ楽しそうに潜りまくっていたので、自分のヘタレ加減に嫌気がさしてしまい、梅雨の晴れ間の綺麗な海が余計に疎ましく思えた。

フィリピンでリベンジ

沖縄で痛い目に遭ったからもういいや、と諦めたつもりでいたけれど、フィリピンの穏やかな海でならできるのではないかと思い、再度ライセンス講習を受けた。ハイシーズンで混む前に行こうと思い、春に行ったけれど、これも失敗する原因になってしまった。

毎年私は春に鼻炎になる。鼻炎になるとダイビングでは耳抜きがしづらくなるということが分かっていなかった。前回も問題なくできていたから、今回も余裕でできるだろうと甘く見ていた。しかも耳抜きができないとマスククリア(ゴーグルに入った水を抜く技術)もできない。いつもは簡単にできた動作がなかなかできず、結局10回以上やってようやくできた。その後も耳の不調を気にしながらも、色々な実技講習を受けてなんとか合格することができたが、心から楽しめた感じがしなかった。そもそも当たり前のことなんだけれど、海に入る前の体調管理が何より重要だということを思い知らされた。

また殿様ダイビングの時とは違って、今度は自分で機材をセッティングし、背負い、操作し、また運ぶということも意外と大変で、日頃ぐーたらしているツケが出てしまい、運動不足and体力不足ということも思い知らされた。

勉強になったこと

とにかく呼吸が大事
まず深く吐くことを意識すると自然に吸えるということが、ヨガみたいな感じがした。→日常生活でも緊張した時に呼吸を意識すると楽になる感じがする。

・中性浮力
呼吸の調節で深く潜ったり浮いたりできることが、自分の体を自在に操作しているみたいで面白かった

海の中の地形に変化があって興味深い
ブラタモリとか、地形、地質、坂道好きの人には海の中の地形も楽しめると思う。

水族館がより楽しめるようになった
中性浮力をバッチリ取って、悠々と寝ているマナティを見ていて羨ましいと思ってしまった。また色々な海の生き物が身近に感じられるようになった。

・陸だけでなく海の環境問題にも関心を持つことができた
フィリピンの海はサンゴも魚も多くて潜っていて楽しい。でもゴミが沢山落ちていたり、サンゴが壊されていたりもする。プラスチックゴミも多いので、環境問題が他人事とは思えなくなった。

・リラクゼーションとしてのダイビング
呼吸を意識することだったり、海から上がった時のあの心地良い疲労感と充実感は、スポーツやレジャーというよりは温泉に入った時のようなリラックスした気分にもなった。『海に入ると病気が治る』と聞いたことがあるし、海洋療法やタラソテラピーのようなものもある。ヨガ・マッサージ・エステ・そしてダイビングのように、リラクゼーションのひとつとしてダイビングは心と体に効くのではないかと思う。


私は結局まだ中性浮力もしっかり取れない超初心者なのですが、思い切って挑戦してみて良かったと思っています。何より海に入ると自分の心と体の健康状態が結構よく分かってしまうし、こんな素晴らしい景色を今まで見ないままだったことが、ものすごく勿体なかったなと思いました。

もし海に行く機会があったら、試しに1回くらいはやってみたら人生のプラスになると思います。




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