松橋萌の欧州散歩伝2024其の13(ビルバオ美術館)
ビルバオ美術館(bilbao museoa)へ5/13に行った。ざっと調べた感じでは、あまり期待をせず行った。でも、素晴らしかった。公園で座っていた時に、別の公園に行きたくなり、公園の側に美術館がある…月曜日なのにやっている…と足を運んだのがきっかけです。
この美術館の公園で遊ぶ沢山の子供達、その落書きを見て、ああ、写真に撮りたいけれど、夕方にはこの落書きは消えちゃうのかなあ…なんて思っていた。
美術館の周りは工事中の壁で囲まれていて、そこに、企画展のイメージらしいものが貼られていた。核爆発のイメージが目に留まった。
館内へ入るといきなり、吊るされた男の像が出迎える。それはよれたシャツを着た小柄な市民を模したものではあるものの、私には為政者もまた吊るされているような強烈な感覚を覚えた。それは美術館の態度表明のように思えた。"私達は今からこのような話をします。"
チケット売り場へ行くと、黒髪の男性が担当していた。Hola!と言うものの、不思議と(私はバスク地方の事情をよく知らないのだ)反応が薄いように思えた。チケットを受け取った後のGracias!もそうだ。英語を話してくれる。バッグを前にしてね、と言われる。お金を払おうとしたら、チケットは0€だった。工事中だからなのだろうか?それどころか、このチケット売り場より先に彫刻が目に飛び込むため、チケットなんかよりもこの彫刻を!と言われているような勢いすら感じていた。そして、やる気のなさそうな小さな売店。(グッズを売るコーナー)ノートが売っている。日本だったり大きな海外の美術館はグッズがかなり充実しているものの、そういったものに消費主義の香りを常に感じている。
そして、キャプションに翻訳機をかけて初めて気づいたのは、バスク語→スペイン語の序列であることだった。
以下は作品の写真(撮っていいのかな?と恐る恐る撮ってきたものになる。)と、キャプションを読んで学んだことについてのノート
ビルバオ美術館を検索すると、googlemap上には「中世から現代のコレクション」と表示されるのだが、この"中世"ということがキーポイントであることが予測される。その謎についてはこれからもここに書き綴り続けていこうと思う。
区分される"時代"に対して、この企画展はそれを繋ぐための丁寧なキュレーションをしている。ここまでまだ序盤の4部屋ほどしか紹介していない。しかし、それはもう3部屋目の、核の映像の部屋に足を踏み入れる前から直感されたものだった。ジェンダー、消費主義、動植物、人種、戦争、そうした作品の持つ美的なものに隠されたポテンシャルに対して、大変丁寧で細やかな目線が入っているのだ。
つづく
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