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Вы это читаете?

こんにちは。

学校は、そろそろ次年度のカリキュラムやシラバスを考える時期に入ってきています。英語科としては、次年度の中学1年生が大きな転換期となるかもしれません。それは、今年度の小学校6年生が、「教科」としての英語を、すでに小学校の授業で1年間経験してきているという点です。現状としては、2020年度は、予定した通りの教育課程を履行できなかった学校がほとんどだったかと思いますが、少なくとも、前年度よりは高度化した授業内容を取り入れていたと思われます。

近年の小学生は、3年生ないしは5年生から英語を学習していますが、それでも基本的には、中学校の英語のスタートは、旧学習指導要領下の頃から変わらなかった印象です。1学期の前半は、文字を正しく書くことや、あいさつ程度の簡単な表現から始まります(個人的には、現状のままでも構わないように感じていますが)。

中学1年生といえば、私にとって印象に残っている授業があります。かつて、英語圏の帰国子女だけを取り出した、中学1年生の英語の授業を担当したときのことです。前述のとおり、大多数の1年生がアルファベットの学習から始めている一方で、帰国子女の生徒たちは中学校入学時点で英検2級を持っており、他の英語圏での生活経験や、体系的な英語学習経験がないクラスメイトが受ける英語の授業をバカにしきっていました。あまりよろしくない状況だと感じ、さて、道徳的にどんな指導が良いだろうかと考え、私は授業中にこんな板書をしてみました。さあ、読めるかな?と。

Добрый день.
Я твой учитель.
Вы это читаете?

ロシア語の極めて平易な文章ですが、英語にするとこんな感じです。

Good afternoon.
I am your teacher.
Do you read this?

要するに、このレベルの文章でも、未知の言語であれば理解が困難なわけです。この文字の発音(音価)は?アクセントは?それぞれの語の意味は?知らない言語を学ぶというのはたいへんな作業です。自分たちにとっては朝飯前のことであっても、bとdを書き間違えたり、thの音が出せなかったりする仲間たちのことをバカにしてはいけないと。

まあ、私が指摘するまでのこともなかったかもしれませんが、その後は、普通クラスの英語の授業を軽視する発言は無くなりました。その日の授業では、全生徒の名前をキリル文字の筆記体で書いてプレゼントしました。サインをするときにキリル文字で名前が書けると、話のネタになるよ、と(笑)。その子たちの授業は1年間だけでしたが、少なくとも年度終わりまでは、ときどき自分の名前を練習していたので、まあ印象に残った授業だったのかもしれません。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。

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