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見立ての事例検討会...通信6月

Optim's-pt(オプティムズプロジェクト)が運営する企画等々について、
定期的にお知らせすることを目的とするものです。

【1】見立てを深めるための事例検討会

①in徳島
6/1に徳島で事例検討会を行いました。
徳島では知名度が低い私であるにもかかわらず、
沢山の方にお集まりいただきました。

ホンワカした中に熱いものを感じながら、充実したひと時。
事例をご提出いただいたHさん、ありがとうございました。

出生時にさかのぼるテーマを抱える事例。
現状の苦悶は、これまでのライフイベントに、
新たな意味を見出すことによって解決される気がしました。

「運命的な不幸」を、「ありふれた不幸」として
捉えなおすことができるか否か...。
いわゆる、「認知的再評価」というコーピングです。

私たちの生活は、日々の暮らしを回す一方で、
心の奥底にあるテーマに折り合いをつけながら生きていく過程だ...
ということを学びました。
しっかり対処しようとする支援者の姿がとても印象的でした。

「事例は、支援者を選ぶ」といわれます。

Hさんは、事例に選ばれた人なのだなぁ...。
であるならば、「もう一歩、踏み込んでも良いかもしれない...」
という印象も持ちました。

「もう一歩...」とは、
「何かをしてあげる」というアクションプランではなく、
「そこに居る」こと。「そこで話を聴く」こと...。

米津玄師のパプリカという歌の中に、こんな歌詞があります。

♪喜びを数えたら、あなたでいっぱい...♪
奥さんとの思い出を語れると良いですね。
機会がありましたら、「その後の経過」をお知らせください。

②in名古屋
次回の予定は、7/20(土)。9:30-16:00まで。
ウィンクあいち1308特別会議室で行います。

事例提供者は、都内からご参加いただくUさん。
過去には、能楽師の事例や下町色満載の
事例をご提供いただいたベテラン支援者です。

Uさんの支援はとてもユニークで、私もUさんのファン。
古き良き時代の下町の事例を知りたいなら、
Uさんの事例に触れるのが一番です。
次回はどんな事例をご提供いただけるか、とても楽しみです。


【2】SV-特別クラス

今月から「SV-特別クラス」を行います。
このクラスの目標は、「SVができるようになる」です。

徹底した「トレーニング中心」の構成で、
SVの勘所をつかみ、トライ&エラーを繰り返しながら、
「SVができるようになる」ことを目指します。

前半は参加者が仕切る事例検討会、
後半はバイザーに必要な着眼点、情報収集、思考法、
論理構成、言語選択等々についてディスカッションを行います。
昨年お伝えした「見立ての4原則」なども、
機会があれば触れたいと思います。

参加予定者は、9名。
支援者としての価値観や基本姿勢、
対象者理解の基本知識について概念を共有できる仲間たちです。
個人的に、大変楽しみな企画です。


【3】小グループスーパービジョン(SGSV)

少人数(5人)で行うSGSV。
他のメンバーの事例に触れ、支援者の苦労や悩みに触れ、
価値観に触れる。
固定化されたメンバーだからこそ、安心して事例報告できる、
意見が言える...。

先月のSGSVの事例は、エディプスコンプレックスをテーマとする事例。
「in徳島」の事例に似て、アイデンティティークライシスの状況にありました。

不思議なことですが、事例検討を繰り返していると、
ある一時期に「テーマが似た事例」が重なることがあります。

この現象は、何を意味するのか...。
そんなことを考えるきっかけを与えてくれます。

・バイジーと私との関係
・私の周辺と私との関係
・私の置かれたステージの関係

そんなことを考え続けていると、アノ事例とコノ事例がつながって、
別の展開が見えてきたりします。
また、気付かなかった私自身の課題について、
「そういうことなのね...」と気付かせてくれます。
そのたびに、「事例ってスゴイ!」と思わされるのです。


【4】個別スーパービジョン(PSV)

私が相談員になりたての頃、先輩にこんなことを言われました。

「相談員として勝負するなら、スーパービジョンは必須。
自己投資と思って受けておきなさい」と。

あれから数十年。現在の私があるのは、
あの時、先輩がSVを勧めてくれたおかげです。

時代が変わり、昨今では、スーパービジョンに関する研修が
頻回に行われるようになりました。
けれど、私自身が受けたSV経験からは、
「はたしてそれを、SVというのか...」という疑問を持たずにはおれません。

野村豊子先生によるスーパービジョンの定義は...

「スーパービジョンとは、対人援助専門職がその価値・知識・技術
を継続して学び、すでにある『とらえ方』を見直し、
『新しい意味づけ』を行う過程を通して、資質をさらに発展させ成長を
促していく機会」...とあります。

定期的な「継続した学び」を通して、既存のとらえ方に
「新しい意味付け」を行う過程をSVというのだ...というものです。

1回のみ事例検討を受けただけで、それをSVと呼ぶのか?

それは、指導とか指摘と呼ぶものであって、
本来のSVとは本質的に異なるのではないか?

前述した野村先生のSVの定義の背景には、
次のような重要な意味が隠れている...と私は考えています。

それは、バイザーを内在化すること...です。

バイザーのアイデンティティーを自分のものとする。
その上で、バイザーのそれを超えて、自分のアイデンティティーを
確立していく。SVとは、本来そういうものなのです。

ですから、スーパービジョンを受けるのであれば、
最初は個別スーパービジョンをしっかり受けて、
自分の中でバイザーが内在化できてから、
グループSVに移行する。

それが、もっとも健全な「SVの受け方」だと思います。

けれど、巷には「SV環境」が充実していないのが実情です。

どうしても「SVを受けたい!」と思う方は、ご相談ください。
私が難しい場合は、信頼のおける別のバイザーを紹介します。


【5】その他のお知らせ

Optim's-ptの6-7月の企画です。
ご参加の方は、日程の確認をお願いします。

①6/15(土)SV特別クラス
②6/29(土)SGSB-Bチーム
③7/20(土)見立ての事例検討会in名古屋
④7/27(土)SGSV-Aチーム
⑤7/28(日)花桃会勉強会
⑥個別SV:随時。調整が必要な場合はご連絡ください。


冒頭の画像はshima_photoさんのものをお借りしています。
ありがとうございます。