見出し画像

2023年の映画ベスト3+1!


『イノセンツ』

まずは『イノセンツ』。まんま大友克洋『童夢』だと言われているけど、『童夢』未読なので素直に楽しめた。団地という狭く閉ざされた空間で、少年少女たちの行き場のない閉塞感が共鳴し増幅する。ゴールディング『蠅の王』を彷彿とさせる無邪気な悪を描いた傑作。

『イノセンツ』(2021年/117分/ノルウェー、デンマーク、フィンランド、スウェーデン合作)
脚本、監督:エスキル・フォクト
出演:ラーケル・レノーラ・フレットゥムほか
https://longride.jp/innocents/


『ザ・クリエイター/創造者』

つづいては『ザ・クリエイター/創造者』。ビジュアル最高! SF的ガジェットや世界観もいい。あとは物語がついてこればここ何年かの最高傑作! となったところだけど。人間とAIというテーマを掘り下げないのはもったいないのだけど、2時間13分ひたすら世界に没入できるすばらしさ。

『ザ・クリエイター/創造者』(2023年/133分/アメリカ)
脚本、監督:ギャレス・エドワーズ
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン、マデリン・ユナ・ヴォイルズ、渡辺謙ほか
https://www.20thcenturystudios.jp/movies/thecreator


『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』

そしてこれ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』。3時間26分という超大作で、体調整え万難を排し、かなり集中して観た。悲惨な事件と人間関係がうずまきドライブしていくスコセッシ演出の妙味。『グッド・フェローズ』をあげるまでもなく、露悪的にならない残酷さと滑稽さの両立は名人芸。

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023年/206分/アメリカ)
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:エリック・ロス マーティン・スコセッシ
原作:デヴィッド・グラン『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』
出演:レオナルド・ディカプリオ、リリー・グラッドストーン、ロバート・デ・ニーロほか
https://kotfm-movie.jp/


『るつぼ』

最後に+1はこれ『るつぼ』。映画ではなく、イギリスのナショナルシアター主催の演劇公演を世界に配信上映する「ナショナル・シアター・ライブ」(NTL)の1作。僕はNTLのファンなんだけど、今作もまた衝撃。アーサー・ミラーはビッグネームなんだけど、まったくどんな内容か知らずに観にいったらアメリカ、セイラムでおこった魔女裁判の物語。これがすさまじいほど恐ろしく、恐ろしいほどよくできていた舞台で3時間超意識が引っぱられっぱなし。つぎつぎと大人たちを魔女として告発していく子供たちの混乱と狂気。これを観られただけで今年はよい年だったとたぶん言える1本。NTLでこれがかかったら絶対に観にいくべき。

『るつぼ』(2023年/186分/イギリス)
作:アーサー・ミラー
演出:リンゼイ・ターナー
出演:エリン・ドハティ、ブレンダン・カウエルほか
https://www.ntlive.jp/crucible


ありがとう2023年。2024年もたくさんいい映画を観たいなあ。

最後まで読んでいただきありがとうございます。「いいね」していだけたら励みになります!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?