番組は初期投資が大事なのではないか

・発端は「キョコロヒー」

テレビ朝日「キョコロヒー」という番組を知っていますか?

真夜中のヘンテコトークバラエティ!
今をときめく日向坂46・齊藤京子とヒコロヒーの凸凹コンビ。
今、飛ぶ鳥を落とす勢いの2人がその勢いの全てを無駄話に注ぐトーク番組です。

キョコロヒー|テレビ朝日(https://www.tv-asahi.co.jp/Kyoccorohee/)

まあ、バラエティ番組なのだが、私にとってこの番組で驚くことが起こった。

というのは、この番組発で、
日向坂46・齊藤京子さんとヒコロヒーさんの二人が歌うユニット楽曲「After you!」が、リリースされたのである。

その楽曲のリリースは、日向坂46の公式HPからも告知され、
さらにはMusicVideoは「日向坂46 OFFICIAL YouTube CHANNEL」で公開までされている。

何が異常かというと、
・日向坂46のYouTubeチャンネルにヒコロヒーさんがMVのメインキャストとして出演している点。(言わずもがな、ヒコロヒーさんは日向坂ではない。)
・シングルのCDなどに似ているCDリリース告知。(あくまで番組発なのに、日向坂46の公式としてのリリース)
・・・といったところだろうか。

事務所側が番組に対して、ここまで協力的になるのはすごいことだと僕は思う。番組にとっては、CDからの売り上げなどは、スポンサー以外からの収入源となることだろう。

いわゆる昨今課題の「広告収入外からのコンテンツを軸とした収入」だ。
これを実現するには、事務所の協力が必要なことが多いと感じる。

・どうしてこれが実現できたのか?


(ここからは僕の想像や邪推が混じる。あくまで自分の経験から予測したことなので実際にあったこととは限らないし、解像度も低い方なのだが、このようなことがあったのではないか?という想像からいくらか整理して学びとしたい。)

結論から言うと、「テレビ朝日の制作力の賜物」なのではないかと思う。

事務所の視点から見ると、

・齊藤京子さんの出しろを増やしてくれた。
・番組を長く続けてくれた。
・さらに冠番組を人気コンテンツにして新たな可能性を知らしめて価値を高めてくれた。
・またその番組をきっかけとしてドラマへの起用もしてくれた。

テレビ朝日に対して、こんな恩を感じているはず。
この恩こそが、「テレビ朝日の制作力の賜物」だ。

他方で、番組側は事務所に対してGiveのみとはいかない。
当然、番組をやるからには収入が必要だ。この番組でどんな風に稼ぐのか?を考えている。これは汚い話とは思わない。赤字じゃ番組は成り立たないし、好きな番組でも終わっていく。

テレビ朝日は自らの制作力により、”それらの恩”を貯めることができた。

その恩を使って、事務所に対して、稼げるコンテンツを提案し、実現できたのではないか?というのが私にとっての結論だ。

これらの”恩”は、番組がすぐに終わっていたり、
全然人気コンテンツではなくて文句を言われるような番組だったら生まれない。事務所にメリットがあるようなコンテンツを作ることができなければ、局側から稼ぐ提案(お願い事)はしにくいだろうと想像する。

番組を起点としたキョコロヒーの「After you!」のような企画を実施するには、事務所にとって
・「番組によって所属タレントの価値は高まっているのか?」
・「所属タレントのためになっているのか?」
は重要な要素のように思える。

・テレビ朝日は「稼ぐ番組になること」を予測できていたか?

もちろん、こうなることまで予想できていたらそれはそれですごいことなのだが、流石にここまでは予測できないのではないか?と思う。

スポンサーがつくか?つかないか?なんてのは正直、予めスポンサーに話を入れておかない限り、わからない。
その不透明な中で、局は放送する番組企画を選定していかなければならない。(もちろん多少なりとも見通しはあるのかもしれない)

とすると
キョコロヒーは「稼げるか?稼げないか?」というより、
「面白いか?面白くないか?」を基準に企画が通ったものなのではないかと考えている。(最初はダンス番組という体だったという話だが・・・。)

というか、キョコロヒーが元々放送されていた企画枠「バラバラ大作戦」はそういうものだった。

ちゃんと不透明であっても番組に対して初期投資をする姿勢。
(=例え予算が少額であっても「面白い」を基準として企画を判断できる体制があったり、経営的な余裕があったりすること。)
また大事なのは、初期投資をした結果、数名でもそれに応えられる制作者がいること。
これがあったからこそ、今回のキョコロヒーのようなことが起きたのではないかと考えている。

・最後に


以上から、
「少額であっても番組にきちんと予算をつけて初期投資をしたからキョコロヒーのような事象が起きたのではないか?」
というのが結論だ。

他方で、
「予算は0だから、マネタイズを前提に人気番組を作ってくれ」
という状況下では、このようなことは起こり得るのだろうか?
(テレビ朝日の制作力ならできるのだろうか・・・?)

もちろん、制作者はこんなことを考えていても仕方ないのだが、
そのような状況下であれば、それに応えるしかないし、方法を模索し挑んでいくしかない。

やっぱり、ある程度、少額でも初期投資ができる放送局が強いよな〜とも思う。

最後の方が何かふわっとしてしまったが、一旦これについて考えたことはこんな感じでした。


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