TCA第6回講義

TCA第6回の講義は、元テレビ東京で現在株式会社REHAQ代表の、高橋弘樹さん。一番楽しみにしていた講義だったので、これもまとめておく。

内容は、
「見たことのない面白さでヒットを作る「企画術」

テレビ東京「日経テレ東大学」「家、ついて行ってイイですか?」
テレビ東京の退職後は、自身の会社を立ち上げYouTubeチャンネル「ReHacQ」の運営や、Abema TV「世界の果てに、東出・ひろゆき置いてきた」の演出を担当されている。

今日の知見

コンテンツの企画は「やってみたいもの」が先にある

企画は「日々の欲望」みたいなところから考えていくという。

当日に例に出していたのは、
「夜に灯りがついている部屋がある」⇨「めっちゃ入りたい」
のようなふとした欲望。

そういう日々の欲望みたいなものを溜めていくことから始まるし、高橋さん自身も「そういうのが一番面白い感覚がある」と言っていた。

広告をやっていると、その視点を忘れがちである。
なんとなくは分かっていたけど、今日ではっきりした。

単純に面白いコンテンツ制作⇨プロダクトアウト的発想
広告の制作⇨マーケットイン的発想(たまにプロダクトアウト)

ここを忘れてはならないと思う。忘れると自分が作るコンテンツ制作は面白くなくなってしまう。

箕輪さんの講義でも言っていたが、クライアントのいないコンテンツ制作は、「プロダクトアウト」(箕輪さんの言葉でいえば「マグマ」、高橋さんの言葉で言えば「日々の欲望」)でなければヒットは生まれない。

この発想は、広告でも同じに使える。
マーケットインで考えていても、そのうちに自分がやりたいこと(これなら面白そうだな)ということに繋げる。与件が来たら、自分のやりたいことにまで落とし込む。

今自分はラジオの営業側にいる人間だが、それはできる。

<ヒットコンテンツを生み出す発想・考え方>
・コンテンツ制作を行う場合は「日々の欲望」から考える
・いつかのために「日々の欲望」を溜めておく
・広告でも「自分の熱量が上がる企画」まで持っていく。

次にコンテンツの中身について、「日々の欲望」から発想した企画があったとして、それをどうおもしろいコンテンツにしていくか?

そこで考えることは

①実現可能か?
②制約、求められている市場に応えられているか?

②の部分は、ビジネス的に成り立つのか?だったり、出演者の面白さのようなもの(視聴者が見たいもの)を考えられているか?ということを考える。

「スターを出したら、視聴率が取れる」というわけではなく、
「その人が何をしていたら面白いかを考えること」

ほとんど「人気者だったら聴取率が取れる」と考えているような気がするから・・・。

そして、特に映像を作る上で大事なのは

裏切り
伏線
振り幅
笑い
疑問

の5つだという。

この5つの要素を映像の中で生み出すことが、長く、そして広く観てもらうためのコンテンツ作りとなる。

「眺める」と「観る」の違い

高橋さんが映像をチェックするときに考えているのは、とにかく「観る」ということ。

この「観る」が意味するのは、
そこに映っている人や物、声に至るまで、そこにある全ての意味を考えること。

例えば、「世界の果てに、ひろゆきを置いてきた」では、撮影した無数の映像があり、そこから面白いものを厳選して、何を使うかを判断することが求められる。

その中で、面白いものを選ぶためには「観る」ことが必要である。ある事象が起こった時に、その事象が起こるには、何かしらの伏線があることがある。その伏線を上手く拾ったりするなどが必要だという。

一方で「眺める」というのは、その映像をなんとなく観てしまうこと。

ただ、眺めることから抜け出すには、
「実力のある人からのパワハラ」
が必要なんじゃないかという話。

なんで、これ、見逃してるの?
なんで、ここでこんなに面白いこと起きてるのにカットしてるの?
これが起きた理由って何?

みたいなことが言われないと気づかなかったりする。そこへのアンテナや考え方はやっぱり誰かから鍛えられないと難しいのだそうだ。

急にキャリア論になってしまうが、パワハラをするのが恐れられる中で
実力のある人にパワハラを受ける(厳しい教えを受ける)こと」は20代のうちは大切であるし、そんな人を見つけることが大事だ。

今の会社はどうだろう?

若い時の大量のインプットは大事

結局、TCAに行くと、上の年代になって何者かになっている人は、これをしている。

前の講義の、小川貴之さんもそうだし、アンリミテッドの小林大地さんもそう。

そして高橋さんもまた漏れることなく、そんな人だし、そんな期間があったという。

ここはもう言うまでもない。
やるしかない。

ラジオの企画性を考える

最後に質問をさせていただいた内容は、
「テレビとラジオの企画性の違い」
について。

テレビでは企画性で裏切りや伏線などを各回に設置することができるが、ラジオは映像がないだけに音声のみでフリを作らなければならない。

そういった違いがある中で、どうコンテンツに引き込むのか?ということに疑問を持った。

というか、ラジオ局ではこういうことはあまり教えてくれない。(他局さんは違うかもだが…)

それに対する、高橋さんの回答は、
「内輪を広げること」

前に述べた5つの要素のうちの「笑い」に分類されるかもだが、ラジオは内輪の拡張。

ここまで書いておいて、
「どうやって内輪を拡げれば良いのでしょうか…?」
と聞けば良かったなと後悔しているわけではあるが、例に出していたのは、とんねるずの事例。ディレクターやプロデューサーの名前を放送内で言って、視聴者は最初はよく分からないけど、段々その面白さを理解したいと思って、中に入っていく。

もちろん、ラジオではよくあることだなと思いつつ、この
「内輪を作るパターン」
「内輪を拡張するパターン」
「内輪を作れる母数の多いトライブ」

を多くインプットしておくことが大事ではないかと感じた。

脳盗は、特にこの内輪のトライブが新しいと感じる。ラジオリスナーのトライブとしてクリエイティブ系のリスナーの層(ポッドキャストのリスナーに近いのかも?)に刺さる番組作りになっていると感じる。

最後に

コンテンツ制作の場合と広告の場合の考え方が違うことが明確になったことが良かったなと思う。今までは少し曖昧で、マーケットインの番組でも面白いものはあるのでは?と思ってたが、僕の感覚では、やっぱり少ない。少ないということは、ヒットする確率も少ない。
明確に引く。これが大事。迷わないこと。

マーケットインの番組って大抵つまらないもんなぁ…。




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