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「Disney Land 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで」

TCA課題「21世紀のディズニーランドのようなエンターテインメント施設を作るとしたら?」に対する答えを出すために読んだ本。

課題の説明の動画では、こんなことを言っていた。
・ディズニーは20世紀の発明である。
・子供でも大人でも楽しめるこんな施設はない。
・他のテーマパークは消えていくことが多い。

「21世紀に同じようなテーマパークと言ってもリアルなものが必要か分からないのでいろんな視点(バーチャル・リアルなど)で考えてみてほしい」

ということだったので、
「そもそも20世紀の発明『ディズニーランド』はどのような経緯で生まれたのか?」
「なぜ、そのようなテーマパークになっているのか?」
を調べてみる必要があると思い、書店に向かった。

ディズニーランドの「ストーリー」とは?

今回、私が知りたかったのは、主に「ストーリー」部分の話だ。
キャストが徹底しているとか、ミッキーが同じ時間には出ないみたいな、枝の話ではなくウォルト・ディズニーがどのような想いで作り出したのか?の軸の部分。

ディズニーランドは、博覧会であり、展示会であり、遊び場であり、コミュニティセンターであり、現代の暮らしの美術館であり、美と魔法の名所でもある。

「Disney Land 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで」より一部抜粋

ディズニーランドは、”アメリカ”という国を作った理想と夢、そして厳しい現実を原点として同時にそれを捧げるものである。そして、その夢や現実をユニークな手法で表現して勇気とインスピレーションの源として世界に贈ろうとしている。

「Disney Land 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで」より一部抜粋

番組のテーマは「アメリカ」だ。そこは空想に満ちていて人々は夢を抱き、偉大になる。出来ないなんていう人はいない。それこそがアメリカの精神だ。

「Disney Land 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで」より一部抜粋

一番下は、1954年10月27日の「ディズニーランド」第1回放送の企画を放送局にプレゼンした時の言葉だったと思う。

(建築史家・ヴィンセント・スカーリーの言葉)
ディズニーの魔法の王国はまさに神話を形にしたものだ。アメリカ人の意識の深層にあるテーマをしなやかに結びつけている。我々はアメリカの神話の世界へと誘われているのだ

「Disney Land 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで」より一部抜粋

つまり、
ディズニーランドは「アメリカ」の精神性やストーリーを巧妙かつ共感できるように、ファンタジーやSFなどの表現で様々な作品に落とし込んで、その世界観を作った
と理解した。

「アメリカという国の精神性や夢の具現化」という理解だ。

なんか調べることが違う気がしてきた

うん?課題は何に答えれば良いのだろうか?

「『ディズニーランドのような』とは、ディズニーランドのように”21世紀の新しい発想”のエンターテインメント施設」を答えるのか?
はたまた
「『ディズニーランドのような』とは、ディズニーランドのような”共感できるが新しいストーリーのある”エンターテインメント施設」を答えるのか?

前者なら、
「20世紀という時代背景の中でディズニーランドはなぜ受け入れられていったのか?」
を探らないといけない。

後者なら、
「ディズニーランドはどのようなストーリーがあったのか?」
を探らないといけない。

うわー、ここまで調べて書いて、前者な気がするう。
ということで、時代背景を調べてみた。

第二次世界大戦が終わり、誰もがアメリカンドリームを夢見ながら「豊かなアメリカ」を体現する消費文化を謳歌していた50年代のアメリカ。この時代は、ローマ帝国の支配時代にならって「パックス・アメリカーナ(アメリカによる平和)」とも呼ばれるような繁栄をきわめた時代でした。そんな50年代は、退役軍人となった第二次世界大戦の帰還兵たちの多くが大学へと進んだり、郊外に家を持ったりしながら生活水準を向上させていくことになります。そして、ベビーブームを迎えることでアメリカは成長を続けていき、一人当たりの国内総生産(GDP)は50年代を通してトップに立つことになるのです。

シネマトゥデイ「アメリカンドリームはこう作られた!50年代舞台の映画にみる現在」2024年5月27日確認

なるほど。かなり豊かでイケイケなアメリカだったようだ。
その雰囲気の中で、「”アメリカ”という国を作った理想と夢、そして厳しい現実を原点」にしたディズニーランドが生まれたということか。

ディズニーランドは何のためにあるのか?

ファミリー・エンターテイメント
世代を超え、国境を超え、あらゆる人々が共通の体験を通してともに笑い、驚き、発見し、そして楽しむことのできる世界。

パーク運営の基本理念 | 東京ディズニーランド | 施設概要

最強だなあ。
この21世紀でこのディズニーランドの「ファミリー・エンターテインメント」が実現できなくなったとしよう。

その世界では何が起きているのだろうか?

・パンデミックにより、そもそもリアルな場に人が集まらなくなる。(これはコロナ禍でもあったのでまあリアルだが、コロナも明けたし、その後ディズニーは復活しているし、結局リアルなんだよなあ)
・少子高齢化により、そもそも”ファミリー”が少なくなる。(友達と行けば良いのでそんなに関係なさそう)
・チケットの値段高騰によって、お金持ちしかディズニーランドに行けなくなる(割と現実味がありそうだが、物価高は一定で留まりそうなものだが・・・。)

なるほど、これは「未来のインサイト」を見つける必要がありそうだ。

例えば、仮説として、
「人と人との繋がりが少なくなる」未来があったとして、その時には「人と人の繋がりが得られるエンターテインメント施設」が必要となる可能性がある。

そういえば、「Disney Land 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで」で、当時の遊園地が、「子供だけが楽しくて親は退屈」だった点、それが理由かは分からないが、コニー・アイランドのように結局最終的には廃れていってしまう点を指摘されていた。

「子供だけが楽しくて親は退屈」というインサイトに答えたということは割と大きそうだが、今、そういったエンターテインメント施設はディズニーを含めて、ユニバーサルスタジオジャパンなど溢れている。

だとすると、「21世紀のディズニーランドのようなエンターテインメント施設」に必要な要素は、「子供だけが楽しくて親は退屈」というインサイトに答えつつ、
・加えて「未来に生まれてくるインサイト」に答えること
・「ストーリー性」

が必要そうだ。


とりあえず、私は、
・「日本」をテーマにしたエンターテインメント施設を案として出そうと思う
・そのためには「日本』がテーマのエンターテインメント施設がどんな未来のインサイトに応えるか」を考える必要がある
・そのためには「『日本』の精神性を表すような”ストーリー”」を考える必要がある

大変だ。



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