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「世界サブカルチャー史 欲望の系譜4 21世紀の地政学 アイドル編 第3回」


今日は2024年4月19日に放送された
NHK「世界サブカルチャー史 欲望の系譜 21世紀の地政学 アイドル編 第3回」
について書きたい。

ここ1ヶ月くらいの間、ずっとAKB48のことを考えていて、それ関連で観たコンテンツであるが、ほとんど日向坂46しか知らず、木を見て森を見てなかったので、「アイドル」の変遷を知ることができ、とても勉強になった。

今日の視点


AKB48と坂道の違いと同じ所

番組を見ていて、やっぱりAKB48の存在はアイドル界に多大な影響を及ぼしたのだなと感じる。

AKB48の革命的な点は、

「会いにいけなかったアイドル」が「会いに行けるアイドル」になったこと。

アイドルの人気を民主化し、投票制によって人気を左右できるようになったこと。

大まかにこの2点かなと思っている。もっとあるかもだが。

その後に、「会いに行けるアイドル」も「民主化」ももはやスタンダードになった。(次第にAKB48の優位性も無くなっていった)

「民主化」の部分は、AKB48は「総選挙」として、センターや選抜の決め方の判断基準がオープンになっていた。

一方で、坂道の場合は「ミートアンドグリート(お話会)の売れ行き」を中心とする判断基準になっているように思える。しかし、坂道はセンター決めやポジション決めなどは総合的な判断で運営が決めており、ブラックボックス化している。なお、おそらく総選挙制度が終わった今のAKBも同じ形式を採用している。

それが違いの部分。

同じ部分は、「民主化」が同じように「CDの売り上げ」によって行われる点だろう。

韓国と日本のアイドルの違い

まー、よく議論されることではあるので一般論に収束してしまうかもしれないのだが、韓国は国内市場を見ておらず最初から世界向けで、日本は国内市場向け。

日本市場に限界を感じ始めている今、日本は世界市場を見る韓国のアイドル文化を取り込みつつ、世界に向けての道を模索しているような気がする。

例えば、NiziUやPRODUCE101や最近では「Out of 48」のようなオーディション番組がまさにそれかなと思う。ただ、それらにおいても、「会いに行けるアイドル」という要素と「民主化」の要素は形を変えて巧みに取り入れられている。

例えば、「民主化」は、「PRODUCE101」で見られる。
「PRODUCE101」は101人のアイドル候補の人たちが集められ、そこから審査員による審査、課題の披露などを行うが、その様子をコンテンツとして視聴者が観る過程で、その101人の中から、視聴者がアイドルになってほしい「推し」に投票していく。その投票数によって、101人の中でアイドルになれる数人を決めていくのだ。投票はCDを買う行為ではなく、コンテンツを配信するプラットフォーム上で行われる。(プラットフォーマーは、その投票を会員登録しないといけないようにして会員数を増やすのだ。PRODUCE101はdocomoがスポンサードしており、投票するにはdポイント会員になることが必須だったはずだ。つまりコンテンツスポンサーとしてお金を支払い、docomoはコンテンツを使って会員数を増やす。)

このように「民主化」は形を変えて取り入れられているし、「会いに行ける」も握手会のようなイベントはNiziUやME:Iにも存在する。

ただ違いは明確にあり、そういった韓国系のアイドル(NiziUやME:Iもそっち側に分類してしまっているが・・・)は、
審査員からの審査や課題の過程で、ダンスや歌唱、それらに取り組み姿勢やチームビルディング、コンセプトにおいてまで徹底的に叩き込まれる。その様子を見ている視聴者は、それらに挑む彼女らの姿や人間性に引き込まれていくのでどんどん勝手に推しを作って好きになってしまう。

そして、やはり最終的に残るアイドルの子達はそのような厳しいオーディションを勝ち抜いてきているのでダンスや歌唱のクオリティは非常に高い。それは、CDを重視しないで、プラットフォームの再生回数を重視する韓国アイドルのスタンダードであり、世界のスタンダードであるように思える。

AKB48や坂道のアイドルは、どちらかというと「ファンとのコミュニケーションが重視」だったが、最近は、AKB48も櫻坂46もダンスや歌唱のクオリティが高くなっているように思える。特にAKBに関しては、IZ*ONEで活躍していた本田仁美のAKB48への復帰もあったりしたことも大きかったのではないかと思うし、「根も葉もRumor」や「元カレです」「どうしても君が好きだ」はとてもかっこよかった。ダンス曲がありつつ、たまに昔のAKB48を思わせる曲が混在するのが良いなと思う。

櫻坂46はダンスのクオリティ以上に、韓国系とは違う何か別の表現の可能性があるように思える。今、世界に向けての進出をしているところだと思うが、それがこの先うまくいけば、一般的な韓国のアイドルのような「ダンス」「歌唱」だけではなく、「表現力」(ダンスも歌唱も表現と言われてしまうと・・・なのだが)の分野でも世界に受け入れられる可能性があることを示すのかなと思っている。

ここで思うのは、
・やはり世界で戦うためにはダンスや歌唱などのクオリティの追随が必要なのか?
・「会いに行けるアイドル」のように新たなブルーオーシャン戦略を見つけれないか?

という疑問だ。

後者で何かないものだろうか。

小泉今日子の女性人気

番組内の小泉今日子の映像を観ていて思ったのは、テレビの歌番組に出演した際の女性の歓声が多かったこと。また、おニャン子クラブの髪型を真似する女性達。

あぁいう女性になりたいという女性像を映し出していたのだろうか?そうだとしたら、今の時代で「女性がなりたいと思う女性」ってどんな女性だろうか。

そのようなアイドルを作り出せば売れるのだろうか?

ただ今、韓国の女性アイドルが同性に好かれることからも、何かその時代ごとの「なりたいと思う女性像」ようなものが同性からの人気には反映されている気がする。

最後に

PRODUCE101は、石井蘭さん、阿部和さん、中森姉妹を応援していました。

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