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ゲーム感想|【ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム】傑作のおかわりはいかが?

「紡ぐ」テーマに触れてみて


(ネタバレあり)
ゼルダの伝説シリーズ最新作にして、シリーズヒット作『ブレスオブザワイルド』の続編、これまで〈雑感〉という形でストーリーやその展開について触れてきました。

ここでさりげなくたいまつを受け取るシーン、
好きなんですよォ。

今回は前作と繋がるゲーム部分の楽しさについて語っていければと思います。雑感は①〜⑫までまとめてマガジンに入れていますので、興味があったらぜひ。

案の定語りが長くなってしまったので、小見出し内の大まかな話題の区切りを「▲▼▲」で表現しています。


1|世界観 − 空前絶後のアップダウン

今作でまず目を引くのが前作のハイラル全土に加えて大空と地底が追加されたこと。飛び込まなければ下の階層にたどり着けないほどの大きな高低差をもって、マップが三次元に広がりました。

目に見えているものの全てがリンクがたどり着ける場所です。闇雲に探索するのもいいですが、それぞれのマップは明確につながっているのでヒントもたくさんあります。

その意味がもっとも伝わるのが、地上と地下の表裏一体の世界です。山頂は谷底に、川底は岩壁に、町は遺跡に、祠はその根を地底深くに伸ばしています。

それぞれが対応しているため、地上を知れば地下がわかり、地下を探れば地上に何かがあるかもしれないことを想像できます。

オニシオジ。地上の祠のお名前は?

まあその…自分で地図を重ねて見るまではそのつながりに気付けなかったんですが…。わかった時はすごく気持ちよかったですし、地底探索も抜群に捗りました。

何より全体的におどろおどろしいのが◎。

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反対に神々しいのが空。雷雲の中に飛び込まない限り常に晴れ渡り、点在する白を基調としたゾナウ文明の遺跡が煌々と照らされています。

最序盤、はじまりの空島から地上に落下した後はワープ以外に空へ戻る方法がなく、どうやって冒険したものかと途方に暮れます。

しかしやがて、眺望台や空から降る遺跡片にモドレコ使って自由に空へと戻ることができるようになり、特に中盤越えたあたりからはゾナウギアのストックにも余裕も出てきて飛行機を乗り回すなんてこともできます。

ハイテクなのかローテクなのかわからん太古のオーパーツ、ゾナウギアを使って大空を駆ける様相はまさしく今回のハイライト。剣と魔法の世界のリンクが操縦桿を握って、ややこしい荷物の空輸を行っている姿はシュールの一言です。

ただゼルダシリーズって毎回、こういう何でもありな要素を持っている気もしています。絶対変だけど許せちゃう。

これは欲張ってガチャを詰まらせる人の図。

一点だけ空に対して惜しいと思う部分は、浮遊する遺跡のバリエーションが似たり寄ったりなところ。

出てくる敵はガノンの支配領域以外は全てゾナウ側のゴーレム、と徹底されているため、それによって却って「あれ…こんなとこ、この前も見たな…」という感覚になりがちです。

世界観設定を考えればこれが自然で正解なのですが、遊びたがり目線言うとちょっと変化が少ないな…といったところでしょうか。


2|ゲーム性 − 帰納と演繹、夏の養成講座

ゼルダシリーズはジャンルを大分するとアクションの要素が強いです。ですがそうは言っても別の大ヒットOW作品やソウルライクと呼ばれる高難度アクションRPGほど難しくはありません。比較的アクションを楽しめる層の幅が広くなるよう作られているように思います。

そのためティアキンで己の成長がはっきりと分かるのは、操作技術ではなく発想力だと睨んでいます。

そこでプレイヤーの想像力を伸ばす今作の魅力、「クラフト」「リフレイン」の2つの要素について語ります。

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まずは「クラフト」。今回のテーマ、「創る」「紡ぐ」を体現したような能力「ウルトラハンド」と「スクラビルド」がそれを可能にします。

祠の謎解きはもちろん、普段の移動手段や戦闘にだって使えてしまうこれらの能力、性質の異なるモノ同士をつなぎ合わせることで新たな発明品を生み出します。

盾ロケットとか思いついた時は、自分は天才かと思いましたね。(そのあとSNSですでに先人がもっとすごい飛び方をしてて天狗の鼻を折られるまでがセットです。)

大事なのは、思いつきと実験の繰り返しで自分なりの発明品を生み出せることです。そして各地で見かけるコログやカバンダくんはその実験対象にされがち。別に前回と同じで構わないはずなのに、ロケットで飛ばしてみたり台車に乗せて走らせてみたり気球を浮かべてみたり色々工夫して攻略しました。

思いつかないときは、とりあえずエンブレムにする。

トピックの冒頭でそこまでアクション難易度は高くないようなことを書きましたが、実際遊んで前作のブレワイと比べると敵の一撃が結構重めです。

敵は基本的にスクラビルドをした装備で戦う事が前提だからでしょうが結構手間取ります。ボコブリンなぞに攻撃を貰って残ハートが1/4になった時は焦りました。以来、敵の素材を集めてお気に入りのセットはすぐに使えるようにしておくことにして、その後は戦いに集中できています。

またおぽのは友人に勧められるまで半信半疑でしたが、ケムリダケやコンランバナの強さを知り、結果今では矢じりにつけたりして戦闘の幅が広がっています。

ハイラル中にあるものは大体使えて、アドリブを効かせながら色々試すことができるのが今作の面白いところ。

ティアキンのクラフトには、サンドボックス的な楽しみがありました。

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そして伝わらないかもしれない「リフレイン」について。

ハイラルを冒険をしている中で、まるで同じの体験を幾度もしたかと思います。あからさまなのはファントムガノンと魔王ガノンドロフとか、フリザゲイラ戦と黒龍戦とか。

類似する体験の積み重ね、ゲームから提示される、予習と本番の繰り返しです。何気ない祠で学んだゾナウギアの使い方を他の地域で試してみたり、モドレコやトーレルーフをガンガン活用してみたり。

「あっ、ここ前に見たところだ!」という◯研ゼミ展開を何度も体験することができます。最初はどうすればいいかわからなかった瘴気の手、途方に暮れたハイラル城、それら全てが繰り返しの経験によって解決できるように成長していくのです。

運び屋は何度もやったから、ざっとこんなもんよ。

そもそもティアキンのデザインからして、ブレワイを踏襲しつつプラスαを感じさせる作りですから、この徹底的な学びの反復は意識して散りばめられていると言っても過言ではありません。

発言に熱がこもってしまいましたが、とにもかくにも誰もが最後までたどり着けるよう、想像力の一助となるようにたくさんの“どこかで見た”シチュエーションが存在していると考えています。

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ただその反面。

前作に比べてそこはかとない窮屈さがあります。

なにせそこかしこに善意の手引があり、ある種の”正解“が用意されているのです。自分で解法を思いつくのが楽しい人は、作者に誘導されている印象を抱いてしまうかも。

コログがいてェ…友達はあの先でェ…ここに壊れた馬車があってェ…

また、メインチャレンジも誘導感が強まっています。監視砦についたとき、皆口々にリトの村の異変をしていたかと思います。プルアに会えとも言っていましたね。

このシーン、持ってなくてもこう言われるらしいですね。
信頼しすぎるのもよくないぞ。

おぽのはこれまでのゲームの経験から、こういうのは素直に聞いていたほうが吉と考えて、あまり疑問には思いませんでした。

しかしハイラルに降り立ってすぐ、自由行動を取った場合と目標に直進した場合で断然快適度が異なるのです。

パラセールとチューリの風は空をテーマにした今作ではやはり必須級の力。これらを早期に手に入れているといないとでは冒険できる範囲が大きく異なります。

こういうポイントからも、振り返ってみれば結構作者に導かれていたんだな…と感想を抱きます。


3|UI/UX − リンクのポーチはアナーキー

あらゆる装飾を削ぎ落として、強いイメージを持たせない□と◯で作られたシンプルなUIは今作も健在。しかも今回は設定画面からそれすら見えなくすることが出来ます。

とにかく画面を見てほしい、良ければ他人に見せてほしい。SNSで感想をシェアする時代らしい機能だと思います。

下手の横好きゲーマーとしては、パラメータを隠して遊ぶのなんて至難の業でしたが。

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アクションの操作も伝統的なワンボタン。ツーボタン以上が必要なのは回避やカウンターなど、戦闘を有利にするテクニックに割り当てられています。

とにかく、こういう行動がしたい!というユーザーの期待に対して、あらゆるレスポンスが早い作りになっています。

ん、待てよ…?

少し引っかかるところがありますね。今作の特殊能力や特殊アクションです。これらは起動から発動まで求められる操作は多めです。

とはいえコマンドはちゃんと練習させてくれるので一安心。

スクラビルドの使用時なんかはそれが顕著です。

  1. メニューを開き…

  2. アイテムを選び…

  3. それを手に取り…

  4. メニューを閉じて…

  5. 地面に落とし…(え?途中でしまっちゃった?)

  6. 能力を起動して…(え?違う武器持ってた?)

  7. ようやくくっつけられます。(え?盾にくっつけちゃった?)

強敵との戦闘中に即興で付近に散らばる素材を武器にするなんて遊び方もできますが、文字通り付け焼き刃のパターンが多いですね。

使われるのは、謎解きなどの余裕があってじっくり時間を使うシーンが主なので、多少の煩わしさはありますがおぽのとしては楽しめる範囲です。素材リストはカタログみたいですしね。

それよりも、そのカタログレベルの素材の種類!

キノコと野菜の間に鉱石を入れる邪悪なリンク。

前作からの食料やら虫やら宝石やら内臓に加えて、武器用の角やら牙やらもりだくさん、全部まとめて「素材」としてポーチに入れています。

リンクは整理整頓が苦手なんでしょう。

確かにごちゃごちゃしていたほうがいろいろ試してみたくなり、驚きの組み合わせを生み出す効果もあります。しかし料理や矢を番える時など他のシーンだと余計なものが多すぎるのです。

お陰でわが家の鉄板料理はアカリダケ5個の串焼きです。戦闘後は常にピッカピカ。

どうだ、明るくなったろう

そしてダメ押し、アイテムを投げる操作。

「武器を構えて、アイテムを選び、そのアイテムに持ち替えて、狙いを定めて投げる」という一連の操作なのですが、有効な場面は多いわりに書いた通り操作がひと手間多いのが難点です。(おそらくですが右側でアクションを割り振れるボタンがもうないんだと思います…。)


総括 − これから先へ

ここまでで合計13記事にもわたって語るほど楽しんでます。これ以外にも削った部分やまだまだ話したい事は部分はたくさんありますが、ティアキンについては一度ここを区切りとしたいと思います。

空に浮かぶ"さかな"に乗ってポーズ

自分以上に長い歴史を持つシリーズであり、それぞれがティアーズオブキングダムにつながっていること、物語で強調されていた手をつなぐシーン、前作と今作のつながり。この作品について語られたどの記事を読んでいても感じます。往年のファンから興味を持った新規まで、それぞれが抱いた感想を言葉にできる良いゲームです。

これからもその歴史が紡がれて、また新しいゼルダに出会えるのであれば、こちらもまたハチャメチャに語っていきます。

えっ
またガノンドロフ討伐前の時間に戻されるんですか!?


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