Ophthalmologist@都内の眼科医

都内の眼科専門医、医学博士。専門はドライアイ・眼アレルギー、学位は腸内細菌でした。眼科…

Ophthalmologist@都内の眼科医

都内の眼科専門医、医学博士。専門はドライアイ・眼アレルギー、学位は腸内細菌でした。眼科に関わる研究結果を、主に前眼部疾患を中心に、勉強したエビデンスをまとめています。基本IFの付いている、査読付き英文論文を読んでいます。抄読会ほど細かくないので、主観が入る可能性があります!w

最近の記事

失明と視覚障害による生産性の低下

以前のnoteで書いた通り、私たち、眼科医にとっての「失明」や「視覚障害」は内科医や外科医にとって患者さんがお亡くなりになる事、とほぼ同義です。 そこで、今回は、患者さんが失明・あるいは視覚障害の状態に陥ってしまった時の効果を経済的な生産性低下(経済的損失)といった側面から検討した論文を紹介します。 世界の失明と視覚障害による経済的な生産性低下 今回読んだ論文は、2021年4月に掲載された、EClinicalMedicine (2021年掲載なので、IFはまだ付いていません

    • 眼科治療の費用対効果

      眼科に行くと、様々な医療機器を用いて「診察」や「検査」を行い、医師は診察や検査の「所見」に基づいて「診断」を行い、眼科であれば点眼薬、手術などの「治療」を行います。 「診断」は各種ガイドラインや、診断基準などに従って行われ、その中には、治療として勧められているものが記載されています。 治療効果の定量化指標ガイドラインや診断基準では、診断根拠となる検査や診察所見、治療効果等は記載されていますが、治療に対する費用対効果が記載されていることは滅多にありません。 そこで、眼科分野で

      • 世界の失明と視覚障害の人口

        初めまして、都内で眼科医をやっています。 よく患者さんから、病気になる確率や、治療が成功する割合など、定量的な回答を求められるご質問をいただきます。基本的に医師は、エビデンスに基づいた、数字を回答します。このエビデンスは、学会が出しているガイドラインであったり、エビデンスレベルの高い文献の数字を引用したり、自分の経験やその病院での成績をもって回答することが多いように感じます。 数字を使って、定量的に回答ができると、患者さんの納得感が全然違うな、と日々感じており、このnote

      失明と視覚障害による生産性の低下