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「オペラのまど」代表 野間よりご挨拶

ーと、いう訳で、早速始まった「オペラのまど」のnote投稿!
 本日は、我らが代表 野間より、その経歴や「オペラのまど」設立に至った背景をご紹介します。

「オペラのまど」代表 野間 愛(Ai NOMA)

音楽との出会い

改めまして、「オペラのまど」の代表、野間 愛 と申します。
三重県生まれ、徳島育ちでのびのびすくすくぷくぷくと育ちました(笑)。
オペラ歌手というと、小さい頃からクラシックに親しんでいたと思われる方も多いと思うのですが、なんと私、実は21歳までカラオケしか歌ったことのない「普通の人」でした。

音楽の道への入り口は、18歳まで遡ります。
高校を卒業したのち、やりたいことが見つからなかった私は、父の勧めを受け、香川県綾歌市のオカリナ職人「小路陽光」さんのもとに弟子入りしました。
そこで、オカリナ制作のお手伝いをしつつオカリナ演奏を学びました。

入り口はそんな感じだったのですが、続けるうちにどんどん楽しくなりました。
そして、20歳の頃、オカリナ制作を続けるならば音楽を学ばなければ! と、姉が通っていた徳島文理大学 短期学部の門を叩いたのです。

声楽って面白い!

残念ながら、オカリナはクラシックを演奏する楽器として認められていませんでした。
加えて、ピアノはてんでダメだったので、歌ならばどうにかなるのではないか? という話になり、師匠の田中祐香子先生のご指導のもと始めたのが声楽でした。

徳島文理大学では素晴らしく整った環境で、自由に練習し、沢山の音楽資料を思う存分観たり読んだり聴いたりして、音楽への知見を深めました。
あれよあれよという間に「クラシックの声」というものの奥深さに惹かれ、その魅力にどっぷりとハマってしまいました。

そうなってくると、短期大学の2年では物足りなくなり、4年制の音楽学部へ編入しました。
さらに、海外研修などの機会を頂き、色々経験を積ませて頂く中で、他者と一緒に音を奏でる「アンサンブル」が特に好きだと感じました。
そこから、「もっと沢山の人と関わって音楽を学べる場所に行きたい!」という思いが強くなり、ついに東京藝術大学への進学を決意しました。

オペラにどっぷりハマる

一浪の末無事に上京を叶え、東京で沢山のオペラの現場にアシスタントとして関わる機会を頂きました。
そうして現場で活動をするなかで、舞台を作り上げていく全ての工程が愛おしく素晴らしいものに思えてきたーーこれが、私とオペラの出会いです。

特に、「あぁ、オペラが好きだなぁ…」と強く思う瞬間が、舞台袖から出演者を観ているときです。
ひとときの舞台、この短い時間のために多大なる時間をかけ、声を磨き、演技を身につけて演奏技術を磨いてきた出演者たちーーその努力の跡が美しく輝いているのを見るたび、どんどんオペラが好きになりました。

そうして夢中になっているうちに、気がつけば東京藝術大学大学院 修士課程オペラ専攻を修了し、さらには博士後期課程まで研究を重ねていました。
11年もの間、厳しくも素晴らしい師匠である永井和子教授のもと、そして、現場でご一緒させて頂いた多くの方々から、歌うための色々なことを学ばせて頂きました。
まだまだ未熟ではありますが、数え切れないほどの出会いから、歌うための材料を沢山蓄えさせていただき、感謝してもしきれません。

「オペラのまど」設立のきっかけ

「オペラのまど」設立のきっかけは、そんなたくさんの出会いの中にありました。
博士課程の2年目の頃、当時、藝大でたくさんのことを勉強しても、オペラって難しいなぁと感じる瞬間がありました。

専門として勉強している私でさえ難しく感じるのだから、オペラを観たことがない人にとっては、全くわからないのではないか。
もし、何かのきっかけで観てくださったとしても、オペラって難しい…と苦痛に感じてしまうのではないか。
例えば、子どもでも内容が分かるオペラは無いのか…。

ぼんやりとそんなことを考えていた時、古本屋で詩人の宗左近さんが書かれた『注文の多い料理店』の台本に出会ったのです。
「いい台本だなぁ、いつか、誰かに作曲してもらえたらいいなぁ」とすぐに感じたものの、そんなチャンスないよなぁなんて、当時は思っていたものです。

しかし、そのチャンスは、思っていたよりもずっと早くに訪れました。
オペラの現場で作曲家の前田佳世子先生とお話していたときのことです
何気なくお話していた中で、先生が「私オペラ書きたいのよね」と仰るではありませんか!
とっさに「私、台本持ってます」と言葉が出ました。

当時、私が新作オペラに望んだのは下記の3つでした。
1. 難しすぎない音楽であること。
2. 声楽的技巧が用いられていること
3. 歌手の声に合わせて作曲してもらうこと

前田先生は、この要望込みで「作曲料も要らないから書かせて」と仰ってくださったのです。
まさかそのようなお申し出を頂くとは全く思っておらず、私は有難く、先生に作曲を依頼しました。
そうして生まれたのが、第1回公演の《注文の多い料理店》でした。

第1回公演《注文の多い料理店》ポスター

こうして、その当時には想像もできなかった、言葉にならないほど大変で、とんでもなくお金のかかる「オペラのまど」という活動を、始めることになったのです(笑)。

前田先生にはその後、第2回公演の《どんぐりと山猫》、そして、2022年12月28日上演の新作の作曲をお願いしています。
ぜひ、先生の魅力的な音楽と一緒に、「はじめてのオペラ」の扉を叩いてみてください!

ーと、いうことで、今回は代表 野間よりご挨拶でした!
 note担当の中の人から見ても、野間はいつも本当にエネルギッシュ(笑)。
 オペラが本当に好きなんだなぁと、いつも元気をもらえる素敵な代表です。
 改めまして、野間の率いる「オペラのまど」を、引き続きよろしくお願いいたします!


【代表略歴】
東京藝術大学大学院音楽研究科オペラ専攻 博士課程を修了し博士号を取得。
ロッシーニのオペラを中心に研究を行っている。
徳島県出身で、東京に出てくるまでは深くオペラを知ることがなかったが、東京で素晴らしいオペラの世界に出会いその素晴らしさを体感したことで、もっと多くの人にこの感動を知ってもらいたいと考えるようになった。
外国語のオペラを聴くきっかけを作るためには、日本人にとっていちばん身近な言語である日本語の歌唱技術を磨き、聴きやすい日本語によるオペラを生み出していくことが必要なのではないかと考え、2017年にオペラのまどの活動を開始。
第1回目の公演後、博士号取得のため一旦活動を停止していたが、2021年のARTS for the future!助成事業をきっかけに活動を再開した。
これまでに稲富 祐香子、熊谷 公博、永井 和子、葉玉洋子の各氏に師事。第1回平井康三郎声楽コンクール第1位、東京藝術大学バッハカンタータクラブOG、よんでん文化振興財団奨学生、日本ロッシーニ協会会員。

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