第一回おぺんぺんの会

私が読みたい本の中からセレクトした二編と、大虎さんオススメの江戸川乱歩の一編を読みました。

その日、大虎さんは正装で会に参加してくれました。(ラザニアが描いてある服、買おうかなぁ。)地下にあるルノアールの喫煙席の一番奥が第一回おぺんぺんの会の会場です。大虎さんはコーヒー、私はホットティーを頼みました。メニューを全部机の通路側に避けて、メニューを立てかける用のそれに私は買った全部の本を並べました。そのインスタント本棚から今回は三作品を読みました。

無論、私はカポーティもチェーホフも江戸川乱歩も読んだことはなくカポーティに至っては、名前すら知りませんでした。店員さんが飲み物を運んできて、一服し、本を開きました。

トルマン・カポーティ川本三郎訳「夜の樹」川本三郎訳(新潮文庫『夜の樹』収録)

(ラ)なんかずっと怖かったよ...でもカポーティ、面白い!もっと読みたい読みたい!

(虎)よし!そういう怖いって思っただけでいいんだよ。気に入ったんだったらほかの本も読んで!

チェーホフ 著 /小笠原豊樹 訳 「かわいい女」(新潮文庫『かわいい女・犬を連れた奥さん』収録)

(ラ)女の人にもかわいい人!って言われるのすごいなぁ、あんなに演劇について熱く語ってたのに、その後あんなもの見ないって堂々と言えちゃうのすごいなぁ、でもなんか分かるなぁ。

(虎)死んだら次々!ってこと?

(ラ)そこじゃなくて。私は死んじゃったとしても好きになったものは好きのままでいるからそこは違うね。

江戸川乱歩 著/押絵と旅する男(岩波文庫『江戸川乱歩短編集』収録)

(ラ)もっと怖い話かと思ったら感動話だったんだね。

(虎)すごいでしょ。蜃気楼の蜃ははまぐりとかかってるのとか見事だよね。ここ好きなんだよ。終わり方もさ、もしかしたらあの老人が押し絵の中の人だったのかなとも思えるしね。

ルノアールに入ってから4時間が経過し、そろそろ行きますかの時、トイレから帰ってきた大虎さんはスカジャンを裏返して「17時過ぎたからね」と嬉しそうにこちらを見ました。

読んですぐ声に出して言葉にするのって案外難しい。でも、一緒に同じ本を読むのは楽しい。本当はもっと何か話をしたような気がするけど、思い出したら追加します。