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カスタマーサクセスの土台には「カスタマーサポート」があることを忘れないでほしい

本記事はCS HACK Advent Calendar 2020の一記事です。
私は普段「カスタマーサクセス」に関するコンテンツに関してnoteやTwitterで発信しているのですが、CS HACK様主催のアドベントカレンダーですので、カスタマーサクセスとカスタマーサポートの関係性についてお話します。

カスタマーサポートを軽んじるカスタマーサクセスは呪われろ

日頃Twitterではカスタマーサクセスに関する情報収集をよくしているのですが、ある日こんな投稿を目にしました。

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「カスタマーサクセス」というワードを積極的に使うのは、カスタマーサクセス関連のベンダーや、ウェブメディアだと思います。
彼らの記事における発信の中で、カスタマーサポートとカスタマーサクセスを比較し、カスタマーサポートをネガティブに表現する記事が目立っているのは確かに私も感じているところでした。

私自身は人材業界でのキャリアも積んでいたため、様々な職種のプロフェッショナルの方についてお話を聞かせて頂くことが多くありました。
カスタマーサポートにおいては、カスタマーサクセスよりも職種としての歴史は古く、その道のプロも当然ながら多くいらっしゃいます。

それは例えば、どんな悩みに対しても素早く問題解決に導く凄腕のCS(カスタマーサポート)担当の方、電話口にも関わらず対話の中で絶対的な安心感を与えることが出来るCSの方など…


CS分野のプロフェッショナルとしてのスキルセットは一朝一夕のものではなく、多くの顧客折衝経験と学習や思考を繰り返してきて得られるものです。これを決して軽んじてはいけないという意味で「カスタマーサポートを軽んじるカスタマーサクセスは呪われろ」というフレーズをカスタマーサクセス関係者は頭に入れておくべきでしょう。

カスタマーサポートが土台にあって、カスタマーサクセスがある「カスタマーサクセス成熟度モデル」

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上記は、上図が海外のINSIDED社のカスタマーサクセス成熟度モデル、そして下図がGainsightのものです。

INSIDEDのモデルを見ると、まず「BasicSupport」「Streamline incoming requests」つまり基本的なサポートや、お客様から頂くリクエストに対してしっかり応える体制を作った(カスタマーサポート体制を構築した)うえで、カスタマーサクセスを整えていくという取り組みを提唱しています。

Gainsightのモデルでも、はじめは「Reactive」(基本的な質問に対応できるようになる)ができたその後に、データから予測してアクションを起こしていくカスタマーサクセスを組み立てることを唱えています

つまり、カスタマーサクセスを行っていく土台には「カスタマーサポート」があり、カスタマーサポートなくしてカスタマーサクセスはあり得ないのです。

完全な製品とは?「ホールプロダクト理論」とCS

マーケティングの古典的な理論に、1960年代にレビット氏が提唱した「ホールプロダクト理論」というものがあります。

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https://pmstyle.biz/column/product/product3_2.htmより引用

コアプロダクト(実際に提供する製品)の他に、顧客の期待や目的に最低限応えうる「期待プロダクト」、顧客の目的を最大限満たす「拡張プロダクト」があるという考えを提唱しました。

ここまで読んだ読者の皆さまであればお気づきだと思います。

「期待プロダクト」がカスタマーサポート
「拡張プロダクト」がカスタマーサクセス

と言えるということに。

そう。最低限の期待に応えられなければ、最大限の期待を満たすことは出来ないのです。
カスタマーサポートとカスタマーサクセスは、どちらが上で下でというものではなく、これらは連なるものです。
カスタマーサクセスの土台には「カスタマーサポート」があることを忘れないようにしましょう。

おわりに

お読みいただきありがとうございました。
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